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zoom RSS 曲がったクラリネットってありますか(その2)

<<   作成日時 : 2005/03/12 23:20   >>

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楽器のつくり方 (7) 2005/3/12

はい、あります。

バセット・クラリネットやバセット・ホルンがそうですね。

そのほか、木管ではまっすぐでなく曲がっているものも多いです。

・クルムホルン(曲がったホルンの意) 「しの字」をしています
・コーラングレ(仏語で英国のホルンの意:イングリッシュホルン) 「への字」のものもあるのです
・ファゴット(薪を折り曲げた束の意) 内径は「Uの字」管でつながる

曲げると、何かいいことがあるのでしょうか。 音が、カーブを描いて、ホールの遠くまで通ってゆくとか・・・というのは考えにくいですが、やはり演奏をしやすくするためでしょう。

高音域の木管楽器は、一般に短く・小さいですが、低音域まで出る木管は長い。 

木管自体があまりに長いものは、演奏するのに不向きとなります。 たとえば、座って演奏する場合、床に当たってしまうとか、口でくわえると両手がずっと下のほうに構えなければなりません。 ですから楽器は、人間工学的にうまく扱える形が望まれます。 

結果として、管が曲げられたり、折られたりします。 都合のよいことに、管はまっすぐでも、曲げられても音響学上は同じで、金管のトランペットなど、大変長い管がぐるぐると曲げられコンパクトにされていますね。

フォトは、小型のクラリネットです。

曲がっていますね。 曲がったクラリネットを作りたくて、曲げたのではありません。 実は、曲がってしまったのです。

原因は、材の欧州黄楊(つげ)を十分乾燥させないまま使いました。製作後、乾燥が進み、曲がるところまで曲がったもの。

これと同じように、あちこちの楽器博物館に現存するオリジナル楽器も、前後や左右にずいぶんと曲がってしまったものを見かけます。

楽器のつくり方(3)に紹介しました、「木には乾燥が欠かせません」 の理由がここにあります。

十分乾燥させ、安定させ、製作途中でも、例えばガイド穴をあけた後、さらに何年か乾燥させることが望ましいのです。








 

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
こんな風に曲がってしまった楽器。
元のようにまっすぐにすることってできるんでしょうか?
オーボエ好き
2005/03/17 11:44
う〜む。曲げることができるくらいなら、曲がったものも戻せるか。
クルムホルンの曲げ方は、熱を加えて、型の冶具に合わせてゆくのですが、それと同じようにできるのかも知れません。しかし曲がった状態が最も安定しているのですから、真っ直ぐにしてもどこか無理があるかも。
竹も、熱をくわえて真っ直ぐにします。竹製のつり竿(和竿)の製作ではそのようにしているのです。ちなみに、わたしは和竿もつくります。
woodwind 図書館長
2005/03/17 20:36
和竿って渓流に使用するのでしょうか?
だとしたら、魚が食いついた時の振動を手元に伝えるために
接合部は振動のロスが少ない構造になっているはず。
楽器製作に応用できそうなものでしょうか?
和竿
2005/03/18 10:25
渓流用ではなく、横浜竿と呼ばれる短竿(6〜7尺:1.8〜2.1m)で、堤防(防波堤)のへちで黒鯛を狙う竿です。穂先は直径1mmで、元(手元の握り)は13mmのテーパーです。継ぎ(接合部分)は印籠継ぎによります。
非常に感度がよく、魚がえさをつつく様子が手に取るように分かります。なんといっても、和竿(竹製)の釣趣の良さと言ったら、カーボン製など、全く比べものになりません。これが、人が使う「道具」でして・・・・・・あっと、木管に話をもどさなくっちゃ。

木管の場合は、歌口にて振動した音が木を伝わるのではなく、気柱(空気の柱)の定在波が一瞬にしてできます。歌口部分が腹で強く振動し、指穴を全部塞いだ最低音Dを出すとき、足管の出口でやはり腹で最大。中間の左手人差し指あたりが、節で振動しないのです。
バイオリンやギターの弦楽器も同じで、一瞬にして響き板に定在波として、大きく振動する部分と振動しない部分ができ、音の高さでそれらの場所が一瞬にして変わるのです。
そんなわけで、音が木を伝わるのに「ロスが多いとか少ないとか」ではない振動モードと考えられます。
woodwind 図書館長
2005/03/18 22:16
なるほど!
私はジョイントを抜いたときに、楽器全体の鳴りが不安定になるので継ぎ目が振動のロスを生むのではないかと考えていました。
オーボエ好き
2005/03/18 23:27

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