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help リーダーに追加 RSS 象牙でできた木管ってありますか

<<   作成日時 : 2005/04/10 21:12   >>

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楽器の書棚 (7) 2005/4/10

はい、あります。

バロック時代でも、クラシカル時代でも象牙でできたトラベルソがあり、現存しています。

たとえば、18世紀〜19世紀初のロンドン:

・トーマス・ステンズビー Thomas Stanesby Jr 1735年ごろ 1鍵 # x1050
・ジョン・シューハート John Just Schuchart # 101 1鍵
・テバルド・モンツアーニ Tebaldo Monzani 1818年 # x17 8鍵

いずれも、ベイト・コレクションの所蔵で、#は管理番号。

通常、木管は材質が木でできており、分割した接続部の補強に象牙リング(マウント)が取り付けられたりしました。 でも、上に示した例では、総象牙製です。 接続部の補強の目的のほかに総象牙にする意味があるのでしょう。

音響学上、木管の音の高さは内径のプロファイルで決まりますが、音色についてはどうでしょう。

音色は、音階での音(音名)の基音のほかに、倍音の含まれ方で決まります。 2倍音とか3倍音が多いとか、奇数倍音の3倍、5倍とか、またそれらのそれぞれの基音との強さの比率などです。

これらの含まれ方は、フルート(トラベルソ)、オーボエ、リコーダーなどではっきりと区別が付けられるほどの差がありますが、ではフルート同士ではどうでしょう。やはり、内径プロファイルで決まる要素で音色も決まります。

では、同一の内径プロファイルを持つもの同士ではどうか。

微妙に異なります。材質により音色が変わるのはよく知られています。そこで、材質を種々変えて木管がつくられ、硬木(ハードウッド)の中でも、黄楊、黒檀、コーカスウッド、ローズウッド、梨、グレナディラ、メープルなどが用いられています。

バロックからクラシカル時代への移行し、モーツアルト、ハイドンなど作曲家は、その時代に合わせ明るく、大きく響く楽器を求めました。 それに合わせ、楽器製作家も楽器を種々改良し、歌口や、指穴も大きくなりました。 そればかりか、材質も、より硬いもの=比重の高いものがしっかりした、明瞭な音色・響きが出るため採用されました。

19世紀には、引き続き、多鍵のフルートが多く開発され、中でもベームTheobald Boehmが、現代(モダン)フルートの原型のベーム式フルートを作りましたが、同時に金属性のフルートも現れました。

モダンフルートは、銀(シルバー)あるいはニッケル・シルバーが主な材料としてつくられますが、頭部管(ヘッドジョイント)だけでも、比重の高いシルバー、プラチナ、さらにゴールド(金)を用いると、輝かしい音色になるといわれています。

こうしてみると、音色を決めるのは最後は、材質ということができるでしょう。

話はバロック時代に戻り、総象牙のトラベルソも明瞭な響きを求めて作られたと考えられます。

フォトは、わたしの所有するオリジナル楽器です。

頭部管は、@象牙 A金属パイプでの内張り、が、また本体は、B一部金属パイプの内張り、Cローズウッドの比重の高い硬材が使われています。 結果として、演奏するには、ちと重いです。

やはり、当時、要求された音色を求めてつくられたのでしょう。

ところで、象牙は、現在、ワシントン条約で取り引きが禁止(制限)されていますね。

【オリジナル】

所蔵: バロック木管図書館 woodwind
製作: 作者不明 19世紀後半 ドイツ
楽器: 8鍵のフルート 象牙、ローズウッド種、金属パイプ、金属リング、洋白銀(?)のキー






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コメント(6件)

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初めまして、全く関係ないCDの検索をしていてこちらにたどり着きましたなんちゃってチェロ弾きと申します。
Bate collectionやEdinburgh uni.といった懐かしい単語に思わずコメントさせて頂きたくなりました(トピックと関係ないコメントで申し訳ありません)。ベイトは学生時代良く入り浸らせてもらったものです・・・先日Bateに伺われたそうですが、La Rue博士はお元気でしたでしょうか?私も散々オーボエを計らせてもらったので、データをきちんとまとめて恩返しをしなければいけないと思いつつ仕事のせいにして後回しになってしまっています。
こちらを拝見して、久々に興奮いたしました(笑)またお邪魔させて頂きますね。
私のHPの写真館のページに自作のクラリネットの写真が置いてありますので、もし宜しければ御覧くださいませ(自作のDennerのレプリカオーボエも一本あるのですが、誰も興味がないだろうと思って写真はアップしていません・・・)。
http://www.geocities.jp/gaoth_ceolmhor/index.html
なんちゃってチェロ弾き
2005/04/11 13:58
いらっしゃいませ。ようこそ、このブログに辿りつきましたね。なかなかのHP、拝見させていただきました。演奏記録・予定もすごいですね。その中でオーボエは、バロック・オーボエやダモーレを使用されているのでしょうか。わたしが、Bateを訪れたのは、おそらく、なんちゃってチェロ弾きさまと同時期か2〜3年あとでしょうか。私の場合は、会社の管理職としてLondon駐在時に訪ねたもので、学生ではありません。Dr.H.La Rueには、丁寧に対応していただきました。満足のゆく楽器複製ができたあかつきには寄贈したいと申し出て、快く受入れていただいたものの未完です。データと撮影写真とコメントなどは、次の日には博士に提供したことを思い出しました。時々、このブログ見てください。博士に見せたクラリネットも載せますので・・。
woodwind 図書館長
2005/04/12 01:26
上記の楽器もそうですが、Dayton Millerに所蔵されているQuantzのトラベルソも金属の内張りがしてあるそうです。
これは接続部の補強のためなのでしょうか?
オーボエ好き
2005/04/12 23:42
内張りの必要性は、確か、Potterの特許となっていると思いますが、頭部管をスライドさせて、ピッチが変えられるようにしていることがスタートだと思います。1800年ごろ以降のトラベルソ。通常のバロック・フルートでは、頭部管から上部管を少し抜いてピッチを変える際、内径の段差ができますが、内張り同士でスライドさせると(トロンボーンにように)、段差ができないのです。この動作は、足管での、いわゆるレジスタと呼ばれる長さ調節でも、「テレスコープ」型と呼ばれています。いずれにせよ、内張りは、補強が目的ではなと思いますが・・。
woodwind 図書館長
2005/04/13 00:06
なるほど。そうだったのですか。
Quantzのトラベルソの図面ではソケット部にのみ金属の内張りがあり、テノン部にはありませんでした。しかも胴部管同士のジョイントや、足部管のジョイントにも内張りがあるようです。この部分はスライドさせる必要があったのでしょうか?
うーん、スライドさせるわけでもなく、補強でもなければ、何の役割?
オーボエ好き
2005/04/14 23:57
ソケットの内張りの件、補強の目的、了解です。そうですね。補強の目的では、モダンのオーボエにも見られますね。ソケットの木の薄さは尋常でないので理解できます。わたしの議論では、音を決める内径部分の内張りのことだけに着目していました。
woodwind 図書館長
2005/04/15 01:23

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