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<<   作成日時 : 2005/04/28 23:12   >>

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楽器のつくり方 (13) 2005/4/28

リーマーのお話しをしましょう。

リーマーっていうのは普通は、テーパーのついた刃が複数枚ある、「唐笠のお化け」のような工具ですね。 金属板などの穴を広げるのに使います。

昔も今も、真空管式のアンプではアルミや鉄のシャーシーに穴を空けて真空管のソケットを取り付けます。このとき、望む径の穴をあけるのに、リーマーを用いたりします。

一方、工業用リーマーの用途は、金属加工にて、正確に穴をあけるためのものです。 まず下穴をあけ、その後リーマーで正確に仕上げるのです。一定の径とか、テーパーの穴の加工です。

フォトは、バロック木管の一種の、フルート(フラウト)トラベルソの頭部管を製作している、の図です。

トラベルソの頭部管は、普通はテーパーのない一定の径をもちます。当時の製作家(モデル)により異なるものの、18.9〜19.5mmぐらいの内径となっています。

この、頭部管のつくり方は、種々あるでしょう。 ひとつには、まず下穴として18mmか19mmの径の穴をあけ(掘り)、その後、望む径まで、リーマーで広げます。

モデルにより、0.1mmほどの単位で異なり、そのため数本のリーマーを用意するとしたら大変。 しからば、代わりに径が自在に替えられるものがあると便利ですよね。

自在リーマーってのがあります。 それが、フォトのもの。

工業用リーマーなので、日本製のものではJIS規格に則ったものです。

それでは、木管の内径におけるテーパー加工に対し、「自在テーパー・リーマー」ってなものがあるか??

今のところ、存在していないみたい。 完成すれば、特許で稼げるかも・・・・。

刃の長さにわたり、複数枚の刃が同時に、内径に接します。 接する部分の総長は長いもので、大きな力(トルク)が必要です。 しかし、工業用ですから、当然馬力のある機械に結わえて使用するのが普通。

でも、これを手作業で行うとすると、石のように固い硬材が、ほんとにまあ、「憎たらしい」と感じます。

18世紀のリーマーは、スプーン刃であり、しかも実質は1枚刃(反対側は刃の機能をせず)。 接点の総長も短いため、比較的小さな力ですみます。ただし、工作時間は長く掛かります。

大量生産を求めない、手作りの世界の楽器つくりでは、「ユックリズム」で行くのがよろしいようで。

自在リーマは便利ですが、どんなに時間が掛かっても、一般に無理のない方法を採用するほうが、危険度も低くなり、楽器つくりが楽しくなると思います。

追伸: リーマー加工で右手首を痛めギブスをしたことがあります。 直るのに2ケ月かかった・・・トホホ。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
自在リーマーとは驚きました!
そんなものが存在するんですね。
図面を見るとトラベルソの頭部管はほとんど円筒のようですからこれでいけるわけですね。早速探してみようっと!
オーボエ好き
2005/04/29 22:14
そうでしょう、面白いでしょう?
でも、くれぐれも、手首を傷めないように、安全に、お願いします。
要は、刃が何枚もあり、内径に全部密着している状態では、丁度、ロングドリルがスタックしたのと同様、きつく木に締め付けられており、手では無理。解決法は、刃を一枚おきにするとか、極端には2枚だけとする手があります。一般にリーマーは一枚刃がよろしいようです。刃渡りも短くすると、自在リーマのたとえば20分の1ぐらいの力でできます。その差が、とても重要なのです。まあ、実際にやっていただかないと、ご理解いただくのが難しいかも・・。
woodwind 図書館長
2005/04/29 23:30

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