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zoom RSS ツートン・カラーのトラベルソの音色はいかに

<<   作成日時 : 2005/06/04 14:57   >>

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ツートン・カラーは、文字通り2種の色、とくにその組合わせを楽しむものですね。

そのようなものを見てみましょう:

 @ チェスの駒:     黄色と黒
 A 囲碁の石:      白と黒
 B 赤十字:        白と赤
 C 明かり障子:     白と茶
 D タイガース・グッズ: 黄色と黒
 E 紅白まんじゅう:   白と紅

などなど、身の回りにいろいろありますね。 それらが互い違いに組み合わされたり、縦横に市松模様となっていると、とても面白い変化として感じられます。

色差のほかに明暗の変化の度合いが、見た目にはっきりと映るからでしょうね。

西洋文化のチェスでは、伝統的に、黄楊 boxwood と、黒檀 ebony が用いられています。

いずれも、緻密な木の特性から微細加工に適し、表面の滑らかさのほかに、木のぬくもりが伝わるからでしょうか。 同じ色でも、ピカピカ光るようなプラスチックの駒では、チェスを楽しむには、きっと軽すぎますよね。

フォトは、ツートン・カラーのトラベルソをつくって楽しんでみました・・・ 実は、2種の材のトラベルソを、互い違いに組立てただけです。 いずれも Thomas Lot (→楽器の書棚(5))の A=415Hz 同一モデル。

このようにすると、いったい何がどうなるのでしょう。

組合わせの自由により、演奏者本人の気分が変わるとか、コンサートで、一楽章の明るいアレグロを黄楊で、二楽章の落ち着いたアダージョを黒檀で、最後の三楽章は、おどけた軽快さをツートン・カラーで演奏するとかで、聴衆の方も楽しめるとか・・。

実は、重量バランスが変わります:

 A. 欧州黄楊 European boxwood:         比重0.93  240g
 B. モパーン Mopane (楽器の書棚(5)):      比重1.22  317g 
 C. 組合せ1 (フォト下: 黄楊のヘッドジョイント):       270g
 D. 組合せ2 (フォト上: モパーンのヘッドジョイント):     287g

トラベルソは、左手人差し指1本でつまむことができるよう、第一指穴のわずか左に重心があるように設計されています。 左右でバランスが取れていますので、もっとも軽く感じるのです。

A.は軽くて、B.はずいぶんと重いですが、いずれもバランスがとれており、「持ち重り」 を感じさせません。

ところが、C.では重心が少し右にシフトし、先調子。 D.では、逆に左にシフトし、元調子。 いずれも、少しですが、「持ち重り」 を感じさせます。 それぞれ、先(フット)側、元(ヘッド)側が垂れ下がり、それをカバーしようとするので 「重さを感じる」 のです。 わずか、20〜30g 程度の話なのですよ。

木管楽器は、人が使う道具。 使いやすさは、演奏姿勢での重量バランスがいいということ。

トラベルソは、接続ジョイント部分がふくらんでいます。 補強とか、見た目のデザインのためだけでなく、重量バランスを取るための必然があるようです。

結果として、総合的に美しく、わたしは 「機能美」 と呼んでいます。

ところで、「ツートン・カラーのトラベルソの音色はいかに」、の答えは、洗練されたブレンドの味?・・・それは、ご想像におまかせします・・。




 


 

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。

実は、ルクレールのフルゥトの425Hz管をオォダァする時、

クラシカルな音色が欲しいので、
グレナディラで作ってもらおうかと思いましたが、

やっぱりヘンだと思って言い出せませんでした。
楽器の重心に影響があるとは、気づきませんでした。

ウィーネの吹き初めの頃、妙に楽器が持ちにくかったのは、
重心がルクレールと違ってたのでしょう。

面白いですね。
わたにゃん
2007/12/23 20:45
わたにゃんさん、お早うございます。
●黄楊とグレナディラでは確かに重量バランスが崩れます。ただ、買え管は上管ですから影響度は低いでしょう。頭部管、あるいは足管だけなら大きく影響しそう。
●グレナディラだとその音色や吹奏感を得るには、すべてグレナディラにする必要がありそう。ただ、クラシカルの音色にはグレナディラとは限らないと思います。当時は、黄楊、コーカス・ウッド、ローズ・ウッド、エボニー(黒檀)等があったと思います。グレナディラはむしろ現代になってクラリネットとオーボエで定番になった気がしています。
●ウィーネの件、バランス点がどこにあるか左手の手のひらを前に向け、人差し指の付け根あたりにトラベルソを乗せ、バランスのとれる箇所が、指穴1の位置からどれだけ外れるかを調べるとすぐ分かります。ルクレールも同様にして。
woodwind 図書館長
2007/12/24 12:08
こんばんは。

黒檀は、素晴らしい音がするのかも知れませんが、
よく割れるそうなので、恐ろしくて手が出ません。

それで、グレナディラを考えたのです。
お値段は、中くらいでしょうか。

コーカス・ウッドの楽器を作ってる製作家は、
インタァネットでは、見たことがありません。

ローズ・ウッドは、高そうですが興味があります。
わたにゃん
2007/12/24 22:34
わたにゃんさん、こんばんは。
●黒檀は、確かに扱いが難しいと思います。材木の乾燥や保管など。しかし、一度、楽器を完成させるとこまでこぎつけ、安定させれば割れやすいとは言えません。
●むしろ、オーボエやクラリネットなど、モダンの楽器はグレナディラで、扱いを誤るとすぐ割れます。ピキーと音がして割れるそうです。モダン・オーボエは高価ですからねえ。
●コーカス・ウッドは、現在では見かけなくなりましたが、まだ販売されています。おそらく、材としては、枯渇したのでしょうか。
●ローズウッドは、ニックネームあるいは総称であることが多いです。現に、黒檀に似たグレナディラもローズ・ウッドの一種。一方、黒檀エボニーは柿の種とのこと。
●いろんな材にローズウッドと称して販売されているのが現状です。ブラジル産、本紫檀などが最高ですが、いずれも輸出入に制限がなされ、家具材はもちろん楽器材として入手するのも困難になりつつあり、本来ローズウッド種でない似たような材がローズと呼ばれることが多く、注意が必要です。
woodwind 図書館長
2007/12/28 20:51

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