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zoom RSS 木の内に宿る美しさいろいろ

<<   作成日時 : 2005/06/12 16:57   >>

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楽器のつくり方 (19) 2005/6/12

木のぬくもりが大好きです。

自然に生える木もさることながら、家具や柱やフローリングなど、加工されたものは、直接眼から入る、美しい、なにかしらの魅力がいっぱいです。

いろいろな美しい木を探し、木管楽器をつくることは、とても楽しいことです。

適する木は、

 【音響特性】  @よく響き、A豊かな音がして、
 【無害性】   B手に肌に優しく、
 【加工性】   C加工に耐え、D変形せず、そして
 【装飾性】   E美しいこと。

無害で加工性の観点からは、緻密であることが条件で、一般に、広葉樹から探します。 不要な節がなく、割れたり表面の細かなスジが入らないものを求めることになります。

音響の点では、ある程度の重量(比重)があり、また装飾性からは、磨くと美しくなる目の細かい、木目の美しいものを探します。

フォトは、最近、入手してみた広葉樹のいくつかで、評価のため端を少し削ったもの。

少し削れば、すぐにどのような材か分かります。 同じ種類の木も、一本一本異なり、その材全般についての評価を下すことは、もちろん適切ではありませんが。

わたしなりの評価 (比重は実測):

・青黒檀(上段、左): きわめて貴重な材。 比重1.35。 フォトでも、その質感が十分伝わるでしょう。 木口を見てわかるとおり、超緻密。 加工すると、たいへん気分がよく、すぐ良い材とわかる。 わたしが、これまでに目にした最高の品質。

・本紫檀タイ産(上段、中): 本紫檀とは、アジア、とくにタイ産のこと。 比重1.04。 今では、伐採禁止だそうで、きわめて貴重な材。 テーブルの天板などに使用される材で、その木目の美しさは、ブラジル産ローズウッドに次ぐと言われる。 緻密。

・本紫檀ラオス産(上段、右): これも貴重な材。 比重1.03。 30年の乾燥もので、その良さが加工してわかる。 木管楽器にとって、木目が美しくて適。 わたしの所蔵するオリジナルの多鍵フルートも、これに類似した材。

・栴檀(センダンと読みます)(下段、左): 比重0.99。 木口から、緻密さがわかる。 色も柄もとても素敵。

・ローズウッド(下段、左から2番目): 比重1.07。 緻密。 ポリッシュに耐え、またすっきりした木目も木管に適する。

・ボコテ(下段、左から3番目): 比重1.09。 木目が独特。 時がたつにつれ、濃くなる。 緻密だが、材により粗いものももあり、フォトのものはやや粗い。 

・シャム柿(下段、右): 比重1.01。 緻密だが、すこし粗い。 なんと言っても、フォトのように杢(もく)が独特なので試しに入手した。 丸く削ると、てっぺんのほんの一部にしか独特の杢が現れない。 テーブルや、花器台など、平らなものの方がその趣が発揮できるか?

これらの木の美しさは、加工してはじめて現れるものです。

自然の中の姿には見えず、伐採後の原木からも想像できません。 製材して現れ出し、さらに木管楽器に仕上げると、どうしたものでしょう・・

木の「内に宿る美」を、最高に引き出すことができるのです。

楽器つくりは、楽しいですよ。 すばらしい音色が出ることを期待して・・・。    




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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
30年乾燥の紫檀なんてよく入手できましたね。
私は製作を始めたばかりなのでよく乾燥した材と言うのが憧れです。
青黒檀もとても貴重だそうですね。
聞くところによると製材する傍らからどんどん割れてくるものもあるそうですが、大丈夫だったのでしょうか?
オーボエ好き
2005/06/12 17:06
材を探すのに、わたしは英国、米国のHPで見たり、カタログを取り寄せます。カタログはスタチック情報で、材がいつもあるように見えますが、実際に問い合わせると、在庫なしとかサイズなしとかが多いもの。ところが、最近、ここ5年くらいでしょうか、各社ともWebサイトでリアルタイムのカタログとなっており、ダイナミックに在庫状況が分かります。材木店の中には、乾燥法と状態を示すものもあります。部分乾燥 part seasoning、とか強制乾燥とか、水分含有量とか。問題は、木管楽器に適するかどうかは、取り寄せてみないと分からないこと・・。
青黒檀ですが、やはり小さなヒビがあります。黒檀は、すべて同様にヒビが入りやすいですね。わたしが通常使用するアフリカン・エボニーですが、製作途中でヒビが入るのも多いのも確か。乾燥から加工に至るまで、注意が必要。材木店の各社もそのことを言及していますね。
woodwind 図書館長
2005/06/12 20:23
弦楽器は人工乾燥と自然乾燥によっておおきくちがいが出てくるようですね。
やはり黒檀はヒビが入りやすいのですね。
私はヒビへの対処の仕方もわからないので、材料の選択にはヒビの入りにくいものというのが重要な選択肢でした。
そうして選んだココボロですが、導管が大きいようでサンディングしても仕上がりが良いとは言えないです。リンシードオイルを塗ってはサンディングして目止めをしようとしているのですが、それでもなかなか埋まってくれません。木管楽器は弦楽器に比べて表面処理に手がかからないと思っていましたが、材によっては手がかかってしまうようです。
オーボエ好き
2005/06/14 23:11
弦楽器に詳しそうですね。実は、いつか弦楽器もつくりたく、バイオリンやガンバ、とくにキットと呼ばれるものに興味があります。人工で乾燥を速めても、それは水分除去の観点だけ。水分含有率のほかヤニ抜きとか化学変化が必要なのでしょうか。楽器には、辺材でなく心材が使われますよね。心材はすでに水分を通す機能が終わった部分で、あとはいかに固まるか。
割れや曲がりは、湿度や温度の環境変化に弱いことで、木の種類で大きく異なり、割れやすいものは、木口や全体を蝋で固めています。英国のある材木店のカタログに、割れを避ける有効な方法は、「一旦、加工したら、一日で仕上げること」。一般にボール(お皿)加工では、削ったらすぐオイリングやワックスがけで仕上げ、急激な乾燥をさせないことだそうです。
ココボロの木地がやや粗いとのこと。同じココボロでも生育条件で異なると思います。フォトの下段右端のような表面の粗さなのでしょうか?木口は緻密に見えて、木地はそうでない。でも、それと、ポリッシュ仕上げに向いているかは別。粗いが光るものと、粗くて光らない木や木の種類があるようです。
woodwind 図書館長
2005/06/15 23:50
フォトで言うと本紫檀よりローズウッドに近い程度と言うところです。
なるべく黒檀に近づけようとしている訳なのです。

私は管楽器には辺材を使用するのだと思っていました。実は心材なのですね。辺材を選んで買ってしまいました!

弦楽器に関しては材木を探しているときに弦楽器用の材木について紹介しているページが多々あってそれを記憶している程度なのです。
URLは忘れましたがバイオリン製作家で、人工乾燥材と自然乾燥材で楽器を製作した結果から、自分で材料を確保して自然乾燥させて製作している人のサイト(奥様が日本人だそうで日本語版もある)がありました。残念ながら管楽器に使える材は無かったのです。

弦楽器もつくりたいですって!?製作を始めたばかりの私には考えられません!すごい制作意欲ですね。

割れ対策ありがとうございます。オイルやワックスで急激な乾燥を避けたらいいわけですね!
オーボエ好き
2005/06/17 18:50
ココボロですが、両端が蝋で固めてあり、9年前にその端をフォトのように試しに削って、それ以来寝かせています。それを見ましたら、上段右の紫檀と同程度の導管が見えます。しかし表面は緻密でポリッシュに耐えそうです。別の店のココボロは色も違い、蝋で固めておらず、木目も粗いです。
辺材を購入されたとのこと。わたしが購入したモパーンや、レッドランスウッドの角材の中には、心材と辺材交じりのツートン・カラーのものが多くあります。ウッド・ターニング愛好家には面白い素材でしょうが、わたしが実際に木管用に丸材にした限りでは、やはり辺材部分は粗く、そこを避けて寸法取りをしています。
導管の細かいスジは埋めずに、それ以外の部分を徹底的に磨き上げるのではダメなのでしょうか。ちなみに、わたしのメック社製のアルトリコーダはパリサンダーです(2005/2/11参照)。表面は導管のスジだらけですが、全体的に磨きが掛けられ光沢あるイメージです。
woodwind 図書館長
2005/06/18 18:42
数回試してみましたが、導管のスジ埋めは十分にできないようです。
ので!それ以外の部分を磨き上げる方針に変更です。
オーボエ好き
2005/06/19 07:48
オイリングは薄目がよさそうです。リンシードオイルは確かに固まるオイルですが、乾燥までに長い時間が掛かり、重ね塗りは大変だし、それでスジ埋めができるほど塗り重ねるのが適切かどうか。
木工でのニス仕上げは、砥のこを使用し埋めて表面を平らにしますが、さて木管ではどうでしょう?バイオリンのニス仕上げとも違い、木管では塗ってもうすいオイリングをしていると思います。ちなみにわたしはTung Oilベースです。
woodwind 図書館長
2005/06/22 21:18
歌口を開けて吹いてみましたが、歌口あたりに息の水分が滲みています。
リンシードオイルだけでは、良くないようです。
やはり桐油ベースでのオイリングが必要なようです。
オーボエ好き
2005/06/28 20:37
わたしの黄楊やパリサンダーのリコーダーも、オイル処理は見えません。米国フォーカス・パウウェルのHPでは、トロピカル材ではリンシードのバス付けをしないとあります。
わたしは、黄楊でもタングベースのオイリングで防水と防酸を施しますが、唇の当たるところは永年でオイリングがはがれ染み込んできます。
「歌口のあたり」はどの部分を指しますか。リコーダーではチャネルにオイルを付けないとの指示がありますね。レッド・シダーでむしろ水分を吸収させるのが目的で、オイリングすると水滴がすぐたまり、音質に悪影響するからでしょう。
トラベルソでは、歌口のアンダーカット部とボアとで反射がおき発音する訳ですから、水分をはじくべきか吸うべきか・・。
リンシードオイルは、長い時間で固形化し水分を中に入れないようにし、ひずみや割れを防止し、ボアでの音つくりに作用すると思いますが、歌口はどうでしょうか。また、短期間の乾燥材では、リンシードオイルで水分を中に閉じ込めてしまいます。
オイリングは、議論百出。材の種類・適用部分・用途抜きにした議論には注意が必要。一般に言われていることが正しくないと指摘する製作家もいます。
woodwind 図書館長
2005/07/02 19:08
「歌口の辺り」とはアンブシュールの向こう側のエッジのあたりです。
オイルを適用する部分と適用しない部分があることは、はじめて知りました。
歌口はどうなのでしょうか?うーん;リコーターを参考にすれば吸わせるのが正解なのかなぁ?でも金属管のフルートが成り立っているぐらいなので、水分を吸い込ませる必要はないのかもしれない;うーん;
オーボエ好き
2005/07/02 21:29
オイリングの目的ごとの議論が必要。銀製フルートでは割れ防止は無用。
水滴対策は木管楽器共通問題。クラリネットでは、演奏途中でオモリ付き糸のついたガーゼでボアの水分をとるのも見ました。オーボエは、「水の道が」一旦できるとそこばかり流れ注意が必要。トラベルソは冬場、水滴がたまり音質劣化。ヘッドジョイントの水分を、掃除棒で吸取ると音が出始めます。
金属フルートは、表面がツルツルなら水滴は水玉のようになり、荒っぽいですが「一振り」で水分が除去できるかも。木製トラベルソは、ボアを滑らかにしても、またオイリングしてもはじいて水玉になるほどでもない。
わたしがトラベルソを貸し出したり、譲ったりするとき、最終仕上げの意味でオイリングをしますが、相手の方が、「翌日に吹く」と、オイルが乾燥していなくて、「音が出ないではないか」という結果ともなります。
歌口部分も、色々試みる価値はありそうですが、オイルを塗ったばかりで評価してもどうか・・。気長に、また木の種類により変えながら(明らかにエボニーとレッドランスウッドでは歌口アンダーカット面の感じが違う)、試すのがいいかも。
議論の分かれるところ・・。
woodwind 図書館長
2005/07/02 23:46

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