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zoom RSS 木管の外径仕上げはセンター間削りで

<<   作成日時 : 2005/08/08 02:06   >>

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楽器のつくり方 (23) 2005/8/8

木工旋盤を用いる、木管楽器の外径つくりを見てゆきましょう。

最初に、材料であるハードウッド(硬材)の角材を、旋盤で丸材にします(→楽器のつくり方(5))。

このとき、木工旋盤の動力が与えられ回転する主軸ヘッド・ストック head stock 側には、角材を結わえるため、ドライブ・センター drive centre を用います。 ドライブ・センターは木をつかむ「つめ」を持ち、大きな摩擦を得て、木が滑らないようになっています。

次に、丸材の中心に、ガイドとなる穴をあけます(→楽器のつくり方(6))。

このときは、丸くなった材をヘッド・ストック側でチャックで結わえます。 一方、テール・ストック tail stock 側には、空洞のホロー・センター hollow centre を用い、シェル・オーガー等を使ってガイド穴をあけます。

さらに、ガイド穴を広げるべく、ロングドリルや各種ビットなどを用います(→楽器のつくり方(11))。

次に、内径がある程度あけられた木管部分に外径をつくってゆきます。

フォトは、トラベルソの上部管(アッパー・ミドルジョイント)の外径の仕上げ削りをしているところ。

このときの要点は、内径と外形とが互いに同心円を保つこと。 その決め手は、仮想中心点を活かすことです(→楽器のつくり方(12))。

では、具体的に見てみましょう。

内径が(ある程度)出来上がっており、この穴に対し同心となる外形削りをすればよいのです。 それには、両端をセンターで挟む、いわゆるセンター間削り between centre turning をします。

センターには種々のものがありますが、先が円錐となったものを用いると、内径の寸法と無関係に仮想中心を自動的に「見出してくれ」同心削りが可能となるのです。

@ヘッド・ストック側:

回転動力を伝えるため、センターには、いわゆるデッド・センター dead centre を用います。 デッド・センターは回転軸に対し大きな摩擦でもって、材が滑らない状態で回転させます。

このほか、何段階かの径をもつ摩擦センター(フリクション・センター friction centre) も使えます。

また自作も可能です。 わたしはチャックに取り付けたハード・ウッドを、旋盤で円錐状に削ったものを用いています。 ある程度の大きさのものをひとつつくっておくと、大から小までいろいろな木管の外径仕上げ削りに適用できます。

チャックに取り付けるたびに、わずかにズレが生じ、同心を保てなくなりますが、全く平気。 なぜなら、取り付けた状態で、旋盤でわずかに削り直すのです。 こうすることで、同心を保つセンターが準備できます。

Aテール・ストック側:

テール・ストック側にデッド・センターを用いると、それ自体が、固定されたテール・ストックのモース・テーパー同士がきつくくっつくのでセンターは回転しません。 ところが材の上部管は回転しており、摩擦熱で焦げます。

これをさけるために、ライブ・センター live centre、 あるいはレボルビング・センター revolving centre と呼ばれるものを使用します。

フォトは、ライブ・センター。

モース・テーパーの軸に対して、円錐部分が回転できる構造となっています。 中にボール・ベアリングがあり、摩擦がすくなく、きわめて滑らかに回転します。

@とAの円錐状の両センターに挟まれた木管部分が回転するとき、その内径と「同心を保つ」外形削りができることとなります。


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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
私はチャック側は、0.1mmの真鍮板を材料に巻いて軽くチャックで噛ませていました。
しかし、この方法は刃物の抵抗が大きくなると材料が滑って後がついてしまうので、困っていたのでした。市販されているデッドセンターは円錐状の幅が狭いので内径を広げた材料には合わなかったのです。
こういうときは自作ですね。あまりの材料で作ってみます。
オーボエ好き
2005/08/09 09:49
分かります。市販のデッド・センターは、単にセンター部分だけあれば機能するので小さいものであるのに対して、木管削りは、円錐テーパー部分を使うのですから、なるべく大きいほうが良いですよね。
余った木でつくるとき、それを支えるものも種々考えられます。木工用では、一般にお皿加工などで、1本の中心木ネジ止めのものとか、取り付けネジを数本使うものなどなど。なんでも良いと思います。
わたしは、半永久的に使うべく固定使用としています。今計ると、径が0〜47mmの(いびつな)テーパーでした。材はサテン・ウッド。
woodwind 図書館長
2005/08/09 23:17
私は手持ちのデッドセンターに接着材で木材をくっつけ、削って仕上げようと考えています。デッドセンター自体使用するチャンスがないので、有効利用です。
ただMT2なので、主軸用にMT3に変換できるアダブターを探しています。
オーボエ好き
2005/08/09 23:52
ふ〜む。接着剤でしっかりくっつくと良いですね。
MTの変換アダプターを探しましたら、おそらくこれがそうだと思います。MT2をMT3に。英語で記します: Morse Taper Ground Sleeves SLEEVE3 2-3 MT。£6.31(約1300円)。 わたしが良く利用するところ:Axminster Power Tool Centre, Devon, EX13 5DZ, United Kingdom。Webもありますよ。宣伝をしているわけではありませんので、念のため。
woodwind 図書館長
2005/08/10 00:40
ありがとうございました。
そんなに高くないものですね。宣伝でない件了解です。助かります。
woodwwind様は、使われる工具は海外のものが多そうですね。私の木工旋盤のチャックが確かAxminsterだったと思います。
オーボエ好き
2005/08/10 13:47
そうですね。確かに、わたしの工具類は英国で入手したものがほとんどです。
英国・米国などで、木工旋盤なるものが趣味の世界で多くの人が手がけ、大衆化されるにつれ需要が多くなると、量産されて価格は一挙に下がりますね。この経済原理、趣味で広がるほどの「文化」として位置づけられているからです。
日本では、まだ少なく、機械類や工具は、プロの工業製品の範疇ですから、1桁異なるぐらい高いですね。
海外からでも、クレジットカード決済で、1週間〜10日もすれば手に入る時代。日本のお店を探し回るより早いかも・・。
woodwind 図書館長
2005/08/10 20:24
デッドセンターの先に木材をエポキシ系接着剤でつけ、テーパー加工しました!
いい感じです。
オーボエ好き
2005/09/10 10:44
自作のテーパー・センター、うまく行ったそうで良かったですね。
楽器に限らず、道具をつくるためには、色々と冶具や工具が必要で、その分野でも、結構、手づくりとかに依っていると思います。
woodwind 図書館長
2005/09/10 13:54

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