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zoom RSS フォーストナー・ビット:きれいな穴あけができます

<<   作成日時 : 2005/08/27 12:19   >>

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楽器のつくり方 (28) 2005/8/27

穴あけには、一般にドリルの刃が用いられます。

そのほかに、各種ビットがあるのをご存知でしょうか。

例えば、スペード・ビットあるいはDビットと呼ばれるものがそうです。 ビットの部分が、トランプのスペードのイメージで、またアルファベットのDの形に似ていることから、そう呼ばれています。

刃先の中心先端は三角にとがっています。 そのあとは平たい部分の刃を持ち、また内径を正確に出すために円周部にも刃が付いたもの。 一般に、軟材の穴あけに使用されます。

このDビットより、精度良く穴あけを行うために、フォーストナー・ビット forstner bit がつくられています。 精密加工の刃物で、通常は板の穴あけや、穴掘りに使用します。

穴掘りでは、掘った底部が平らになることが特徴。

木目に直角な穴あけにおいて、きれいに作業ができます。 木口などの穴あけ(穴掘り)のためには、さらに刃を鋸状にした、ソートゥース・ビット (サメの歯 saw tooth bit) もあります。

フォトは、フォーストナー・ビットあるいはソートゥース・ビットを並べました。

【後列左から順に】

 木箱入りの16本セット。 保管は注油して刃先にキャップをかぶせています。 歯の形状がわかるように、1本だけ手前に向けました。 インチ系列 Imperial です。

 1/4in(6.3mm)  3/8in(9.8mm)  1/2in(12.8mm)
 5/8in(16mm)  3/4in(19mm)  7/8in(22mm)
 1in(25.4mm)  1-1/8in(28.5mm)  1-1/4in(31.8mm)
 1-3/8in(34.9mm)  1-1/2in(38.1mm)
 1-5/8in(41.3mm)  1-3/4in(44.5mm)
 1-7/8in(47.6mm)  2in(50.8mm)  2-1/8in(54mm)

【前列左から順に】

 フォーストナーあるいはソートゥース・ビットの数々。 インチ系列と、メートル系列 metric 混在です。

 ・18mm  20mm  24mm  :  ソケット削り
 ・16mm  1-1/16in(27mm)  :  内径削り、ソケット削り
 ・1/2in(12.8mm)  11/16in(17.5mm)  :  内径削り、ソケット削り
 ・18mm  19mm :  頭部管/上管削り、ソケット削り

これらのビットは、木工旋盤に取り付け、木管つくりの場面で適用できます:

 @内径削り
 Aソケット削り
 Bオーボエ/クラルネットのベル内径削り

●内径削りでは、ロングドリル(→楽器につくり方(18))に代わり、正確に穴あけができます。 ロングドリルによる内径削りは、ここ→楽器のつくり方(11)

長さは、それほど長いものはなく、そのために延長金具も用意されています。 ただ、この場合でも、内径が20mm以上あるような木管にしか適用できません。

●ソケット削りでは、穴の底部の仕上がりが平らになることを利用します。 木管つくりでは、ソケット内径寸法に合わせ、いくつかあると便利。

●ベル内径削りでは、径の異なるビットを用いて大まかな形状を作るのに便利。 (→楽器のつくり方(1)、および、楽器のつくり方(12))

ビットは精密工具で、精度良く、良く切れ、高品質なものはとても高価です。 多く揃えるのは大変。 つくる木管に必要な径のものから、順に揃えてゆくのが良いかも知れませんね・・・。


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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
フォスナービットは日本製の物が少ないですね。
私は近所のDIY店に注文して、日本製のセンチ系列を取り寄せました。
今回私が作っているトラベルソは、ソケット用にもDビットを自作したのですが、フォスナービットの方が明らかに効率よく穴をあけられました。
オーボエ好き
2005/08/27 17:45
オーボエ好きさん、こんにちは。
そうですね、ビットに限らず、ドリルの刃にしても、旋盤やセンター類にしても、DIYで扱うものは一般に少ないですね。
工業用のカタログでは、それらは掲載されているものの、入手となると直接メーカー、あるいはその代理店からなど、やはり、日本ではまだまだ普及していないみたい。
ところで、Dビットの自作は、素材からですか、それとも市販Dビットを切削してソケット用にされたのですか? 質問の意図は、工業レベルでの同心の確保をどうされたかです。もちろん、金工旋盤をお持ちですから、素材からの切り出しは可能ですが・・。
woodwind 図書館長
2005/08/28 08:23
丸棒から加工しました。
問題なく製作できてます。センター用の穴をあけてから、刃になる部分全体を一皮向いています。
オーボエ好き
2005/08/28 16:29
Dビットですが、D型のリーマーのことを言っておられるのでしょうか。Dビット=スペード・ビットは「平らな刃物」で横から見るとスペードあるいはアルファベットのDに見えます。一方、D型リーマーは断面がDの字をしています。いずれも、同じ用途に使用できますが・・。
金工旋盤をお持ちなら、D型リーマーあるいはその変形を作るのができると思いますがいかがでしょうか?
「刃になる部分を一皮向いている」の表現があり、後者かなあと思いました。
woodwind 図書館長
2005/09/03 16:47
D型リーマーのことです。
といっても変形バージョンで、8mm程度の溝を切って刃にしています。
これの問題は木工旋盤でリーミングするとスタックしやすいということです。

次回作の時にはスプーン型に直すつもりです。
オーボエ好き
2005/09/03 21:58
D型リーマとのこと。スタックしやすいのは刃長が長ければ起こりやすいですね。次回のスプーン型でうまく言ったら、また教えてください。
woodwind 図書館長
2005/09/04 21:37
スプーン型で替え管を穿孔しました。
出だしは良かったのですが、深く穿孔する程にスタックが起こりやすくなりました。
最後の方は数ミリ動かすだけでスタック!
ただスタックからの復帰は楽でした。

スタックを避けるにはリーマー自体を分割するしかないでしょうか?
オーボエ好き
2005/09/09 17:52
スプーン型リーマーを試みられたとのこと。刃渡りは、いくらあるのでしょうか。まっすぐな穴あけのドリルと違って、それ以上に、テーパーのあるリーまーでは、奥に行くほど刃の接触長が長くなるからでしょうね。
米国のトラベルソ製作家のHPを見ますと、リーマーを旋盤のヘッドストック側のチャックに結わえ、木管を手で持ち、前後に出し入れしています。
人間の手の動きは、結構、コントロールが効くものなのかもしれません。
woodwind 図書館長
2005/09/09 23:37
刃渡りは255mmで、テーパー付き、左手管用のリーマーです。
リーマーをヘッドストックの方へ受けるやり方も結構うまく行きます。その時はテールストックからセンターで押し込んでやり、材を手で固定するとうまく行きます。
これでもスタックは生じます。
オーボエ好き
2005/09/10 10:40
255mmもあるのは、上管の全長にわたりリーミングするのですね。スタックしても、結構うまく復帰させることができているようで、良いですね。
woodwind 図書館長
2005/09/10 17:20
左手管の全長をまるごとリーミングしています。
スタックからの復帰は比較的簡単なのですが、やはり最後の数センチはスムーズな穿孔と言う訳には行きません。
分割するのとどちらが楽か?どちらが良い楽器になるか?
考えています。
オーボエ好き
2005/09/11 08:48
上部管の全長にわたり、リーミングされているとのこと。大変ですね。径の大小で、必要なトルクが変わってきますよね。例えば、クラシカル・オーボエの上管の最小内径は5mm以下。最大で10mmとちょっと。この場合、トラベルソの上部管のように15〜19mmほどに比べて2〜3倍あるわけです。オーボエメーカーのHPを見ても、またバロックオーボエ製作家に見せてもらったリーマも、全長にわたるもので、なんとなく理解できます。こんなところにも関係するのでしょうね。理論(理屈)と実践(ノウハウ)の世界では、メーカーや製作家によって様々な気がします。
woodwind 図書館長
2005/09/11 10:02

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