![]() 楽器のつくり方 (29) 2005/9/3 「木取り」した角材を旋盤で丸材にしたら、その中心にガイド穴をあけましょう。 ガイド穴とは、木管の内径作りにおいて、「センタリングを確保した」下穴のこと。 一旦、ガイド穴を手に入れると、そのガイドにしたがって、ドリルとか各種ビットを用いて徐々に内径を拡げることができます。 これに対し、ガイド穴なしに、いきなり長い穴をあけるとどうなるでしょう。 径や長さにもよりますが、 @大きな径では、極めて大きなトルクが必要 Aドリルが思わぬ方向に進み、中心からズレることがあります。 →楽器のつくり方(18) 内径拡げのとき、ドリルはガイド穴に沿って進みます。 なぜなら、外れようとしても、ガイド穴の内側の壁面がドリルを中心に押し戻す力が働くからです。 逆に言えば、一旦中心から外れ、ズレてしまった下穴を、少し径の大きなドリルで、一気に修正しようとしても無理。 フォトは、トラベルソの5つの部分の丸材に、ガイド穴をあけた状態です。 元の丸材は、こちら→楽器のつくり方(26)。 1本のトラベルソ用に木取りしたものを並べています。 また、「木取り」については、こちら→楽器のつくり方(25)。 左から順に、頭部管、上管、替え上管、下管、足管。 その右は、ガイド穴あけの必需品である、ホロー・センター hollow centre と2種類のオーガーです。 ●ホロー・センターは、モース・テーパー仕様#1(MT1)で、テール・ストックに装着します。 先端は、センターとして働きますが、ややトリッキー。 と言うのは、ネジで、この先端を取り外すことができ、外した状態では中が空洞 hollow になるのです。 外した状態の先端は、環状の鋭利な刃を持ちます。 ●丸材の片方のチャック結わえ部分(フォトでは1インチ 25mm)でチャックに結わえます。 丸材のもう一方の木口は、センターのへこみを敢えて残しましたね。 【基準】を再現するため、このへこみに、ホロー・チャックのセンターを合わせ、丸材を押し当てるようにしてチャックを閉めます。 すると、どうでしょう。 中心軸が合うのです。 穴あけ作業の途中で、丸材がブレないようにブレ止めで固定します。 ●トリッキーなのはその後です。 ホロー・センターのネジを緩めます。 テールストックをヘッドストック方向、すなわち前方に進めます。 すると、中心軸を維持したまま、ホロー・センターの先端のセンターは中に引っ込んで行き、代って環状の刃の部分が、丸材の木口に押し付けられて円を描くように削り、丸材をしっかり固定できるのです。 ●このあと、一旦、テールストックを引き、ホロー・センターからネジで緩めたセンターおよびネジを外します。 そして、再び丸材の木口に環状刃のホロー・センターを押し付けると、見事に丸材の両端が同心(中心)軸を保ち、回転できる状態となるのです。 フォトの、木口をよく見てください。 ガイド穴より、円周が広くて環状の溝が見えますが、この部分で丸材を固定した後がうかがえます。 ●フォトは、古典的なシェル・オーガー(左)、あるいは改良型のオーガー(右)です。 刃は先についているだけで、あとは長さが60cm以上もある単なる長い棒。 これを、空洞のテールストックの右端の穴から挿入します。 オーガーは、MT1のホロー・センターの空洞を抜けて丸材の木口に当たります。 ●ガイド穴あけは手作業です。 少し進めては、木屑を取り除くためオーガーを引き抜きます。 1回に2〜3mmで、これを何度も繰返し、丸材にガイド穴を貫通させます。全体のイメージは、ここ→楽器のつくり方(6)。 ところで、長さが60cmもあるシェルオーガーの用途が何かと言いますと、それは電気スタンドづくりです。 日本と違って、欧米では居間の天井に照明が見当たりません。 夕刻からは心を落ち着けるのでしょう。 部屋は暗くていいのです。 わずかにソファの横に立てた背丈もあるスタンド stand で、手元をやさしく照らし、語らったり読書をするのです。 この文化は、そのままスタンドづくりとして木工旋盤 wood turning 文化となっています。 長い支柱の「中に」電気コードを「通す」穴を貫通させるのに、木工旋盤にてオーガーによる穴あけが必要なのです。 あまりに長いので、通常は半分ぐらいあけたら、左右を入れ替え穴をあけます。 当然、左右からの穴あけですから、出会うところはたいてい中心がズレます。 でも電気コードさえ通ればよいので気になりません。 支柱の外側は、通常のセンター間削りで仕上げるのです。 木管の内径つくりでは、左右の出会う中心のズレはないほうがよいので、できる限り一方向にて貫通させるようにします・・。 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
おぉ! |
オーボエ好き 2005/09/03 23:31 |
わたしの各工程も、ある程度は雑かもしれません。要は、雑な部分があっても肝心なところを抑えると、最後にはうまく仕上がると信じています。工程の要点というかツボは、「段取り」と、「順序」と心得ています。 |
woodwind 図書館長 2005/09/03 23:52 |
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