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zoom RSS わずか1ミリ厚のソケットに、象牙マウントを取付けます

<<   作成日時 : 2005/10/08 03:27   >>

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楽器のつくり方 (34) 2005/10/8

バロック木管、たとえばフルート・トラベルソに、象牙マウント(リング)があるものを見かけます。

象牙マウントの取り付け位置。 それは、分割型となった木管の各部の端っこ。

各部は、ソケット(凹)と、テノン(凸)による勘合。 分割型となる以前、元はと言えば、一本の管。 管の厚さは、わずか4.5mmほど。 この管を切って、凹と凸とで勘合するには、50%、50%としても、片方の厚さは、わずかに2.25mm。

とても薄く、勘合するとき、ちょっと油断するとバキっといきそうです。 そこで、象牙や金属で補強されたようです。

さらに勘合部分を膨らませ、凹部を厚くしています。 同一製作家のモデルでも、象牙マウント付きもあれば、ないものもあります。

バロック時代、フランスの製作家のビゼーBizeyの木管。 トラべルソであれ、オーボエであれ、ほとんど膨らみのない真っ直ぐイメージのものもあります。 とても薄いのですね、これが。

厚くするといっても、勘合部での急激な段差を設けるデザインにはなっておらず、一般には、流れるような姿。

この2.25mmほどの厚さのソケットに、象牙マウントを取り付けることを考えましょう。 象牙と、木部。 50%、50%の配分とすると、木の厚さ、わずか1mmほど。

フォトは、トラベルソの足管ソケットに、象牙マウントを取り付けるための工程。

厚さ1mmのソケットの内側(内径)と、マウントが付く外側とを同心にすることが要点。 同心でなければ、部分部分で厚さがまばらとなり、1mmよりさらに薄くなりますよね。

同心の確保が重要なのです。

すでにあいた(あけてしまった)ソケット、すなわち内側を【基準】として、センターで挟み、外側を削ることで同心が保てます。

それにしても・・フォトをよく見てください。 センターで右から、ちょっと閉めすぎると、パキっとゆきそう・・。

木管楽器つくりでは、要所、要所で押さえるべきことがたくさん。

初めから終わりまで失敗なければ、めでたし、めでたし。 たいしたもの。 たいてい、何かしらのちょっとしたところでミスること多し。

ちょっとばかしのミスがあっても、楽器つくりは、やっぱり楽しいものです・・・・。 

関連記事:

 ・イミテーション象牙   → 楽器のつくり方(33)
 ・象牙マウント取付け前 → 楽器のつくり方(15)
 ・象牙マウント削り    → 楽器のつくり方(27)
 ・同心の確保       → 楽器のつくり方(12)
 ・象牙付きトラベルソ例 → 楽器の書棚(12)

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
ソケット部分は本当に微妙ですね。
私はバレルの部分を割ってしまい、作り直しをしました。
テールストックをちょっと締めただけだったのですが、ちょっとでアウトでした!
Bizeyのトラベルソはソケット部分を除けばほとんどふくらみがないですね。
私は装飾部分や膨らみを作るのが苦手なので、こういうデザイン好きです。
オーボエ好き
2005/10/08 09:10
ほんとうにそうですね。ちょっと締めただけでアウトだったとのこと。そのときのお気持ち、よーく、お察しいたします。とくに、旋盤のテール・ストックはネジ構造で、軽く回すだけで進んでしますから、「やってしまった」と思ったときは、ときすでに遅しですよね、
わたしは、Bizeyの真っ直ぐなデザインより、なんともいえない膨らみのあるカーブがとても好きです。
いま、つくりたいものとして、丸いイメージのベルを持つオーボエ・ダモーレです。なんとも言えぬ丸みが、とてもかわいらしいのです。
丸みですが、イミテーション・アイボリーの加工は、相手が柔らかいだけに、バイトの当て方が微妙なことと、サンドペーパーなどで形成しようものなら、いっぱいキズが付きそのキズに黒い筋が中まで入ることです。
バイトの刃を良く研ぎ、とても微妙に、しっかり力を入れるのがコツ。力を抜いたとたんに、キズがつくほど削って台無し・・。
woodwind 図書館長
2005/10/08 22:25
イミテーション・アイボリーの加工は神経を使うのですね。
私の場合はその部分は板金作業なので、ずっとラフな気分で作業できていると思います。整形と言えば木槌でトンカンですから。
そのかわり、現在のところは美しいカーブが描けないのです;
オーボエ好き
2005/10/09 00:12
カーブ自体は、金工旋盤ではできないのでしょうか?通常の機構を使った、金工でのテーパー削りでなく、手で移動させて削ることができたら、それで心金をつくればよさそうですが・・。
板金では、厚さはいかほどのものを用いているのでしょうか。あまり厚いと、重量バランス等に影響する気がしますが、よろしければ教えてください。
woodwind 図書館長
2005/10/09 11:37
DIY店で入手容易な0.5mm厚です。
これを叩くと若干薄くなりますから、総銀製フルートの管厚ヘビー位に近づくのではないかと思います。
真鍮製のフルートというのも日本のメーカーで試みられたことがあって、管厚は0.5mmで良い結果を得たらしいです。
加工しやすさではこの辺りかこれより薄い0.3mmがいいかもしれません。厚さが微妙に変わるだけでも、整形工程では体力を要しています。なお近所のDIY店では0.4mmは在庫がなく、取り寄せてもかなり高価になってしまうそうです。
オーボエ好き
2005/10/09 14:45
0.5mmは結構、ぶ厚い気もしますね。わたしの所有するオリジナル楽器のうち2本は、インナーパイプが入っており、その接合のために、接する側も金属(真鍮には見えない)板で張られています。結構薄いようです。
とくに1本は、19世紀のドイツフルートで、インナー管が厚く、全体にとても重いフルートとなっています。比重の大きい金属ですから、ちょっとした厚さの違いで、木より影響度が大きいのでしょうね。
woodwind 図書館長
2005/10/10 12:31

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