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zoom RSS 外形削りで所定の長さに切り落とします

<<   作成日時 : 2005/11/12 00:33   >>

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楽器のつくり方 (36) 2005/11/12

トラベルソつくりも外形削りまできました。

 ステップ1: 木取り・木組み
    →楽器のつくり方(25)
 ステップ2: 角材を丸材へ
    →楽器のつくり方(26)
 ステップ3: ガイド穴あけ
    →楽器のつくり方(29)
 ステップ4: 内径とソケットつくり
    →楽器のつくり方(30)
 ステップ5: テーパー削り
    →楽器のつくり方(32)
 ステップ6: マウント取り付け
    →楽器のつくり方(35)
 ステップ7: 外形削り

外形削りでは、それまでの作業とは異なり、木工旋盤のヘッドストックとテールストックの両側からセンターで挟んで作業を行います。

これまでのステップ3〜6では、ヘッドストック側に取り付けたチャックにトラベルソの各部を結わえ、その基準に従い内径をつくりました。

でも、そうしてできた内径は、チャックに結わえて出来上がった荒削りの外形に対して同心が崩れ、偏心しています。

フォトは、これまでつくってきましたトラベルソのうちの頭部管。 

もっとも偏心した例で、その詳細は、楽器のつくり方(35) のフォトの一番左の頭部管。 手前の内径とチャック取り付け部の同心のズレをご覧ください。

チャックに取り付け、ズレたまま外形づくりを進めると、偏心のため外形とボアとの厚みの差が一定となりません。 頭部管には歌口をあけますが、場所により歌口深さが深くなったり、浅くなったりで困りますね。

外形削りでは、あくまで内径を【基準】に作業を行いますが、そのときの留意点を、すこし詳しく見てみましょう。

●両ストックでのセンターの使用

木工旋盤用のセンターは種類も多く、部材の中心を抑えるためテーパー状にとがったものが一般です。 これは、内径がすでにあいたものを挟むにも使えます。 理由はテーパーに広がるセンターのどこかで内径に接するから。

このほか、外形に接するカップ型のセンターもありますが、これは内径を基準とする外形削りでは使えません。

●自作の木製センター

フォトのヘッドストック側は、自作のセンター。 チャック取り付け型で、装着のたびにわずかに同心がズレます。 使用にあたり、まずこの木製センター自体にノミをあてて同心出しをします。

●偏心した外側へのノミの当て方

内径を基準として、両側からセンターで挟み旋盤を回すと、偏心した部材はどうなるでしょう。 部材が1回転する間に、その表面が前に出てきたり、後ろに引っ込んだりします。

ノミを当てようとして前に押しても、ダダダ・・と部材に押し返されます。 削れたつもりでも、偏心したままの削りで、いつまでたってもうまく同心削りができません。

コツが必要。 ノミを部材に押し当てる意識より、ツールレスト(刃物台)にノミをしっかり押さえ込み、ノミ自身を固定する意識を強くします。 そうすると、中心から一定の距離の外にある部材が削れ、同心が出てきます。

このためには、部材は2〜4mm太めにした「のりしろ」部分が必要です。 前回のステップ6の荒削りでは、「のりしろ」部分を見越して、あまり細くならないようにしています。

●所要の長さへの切り落とし

フォトの頭部管の例では、奥のソケット側にアイボリー・マウントが付いています。 少し長めのマウントを取りつけ、所定の長さに削り落とします。

同様に、フォトの手前は、頭部管のコルク側ですが、長さ方向にも余裕をもたせた「のりしろ」に対して、全長を所定寸法に切り落とします。 切り落とす直前のもので、幅1.5mmほどの溝が見えます。

これら切り落としの際に、木製のセンターが有効です。 金属製のセンターでは、切り落としに使う幅1mmの突っ切り用のノミトが、センターにあたりセンターを痛めてしまいます。

木製センターでは、ほんの少し一緒に切ることができます。 キズがつき、へこんでしまっても木製センターを削り直してまた使えるのです。

こうして、所定の長さに切り落とした後の、「のりしろ」部分は、輪状の木片として残ります。 それを集めてみたのが、こちら→楽器のつくり方(10)

外形削りでは、楽器の姿が見えてきます。 アイボリーマウントの細部や、飾り部分のベッドの削りを含め、楽器つくりのなかで、とても楽しいステップです・・・


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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
私は外形削りは金工旋盤を使用しているので、手で直接ノミを支えることはないです。
この結果直線主体のデザインになってしまうのが、オリジナルから遠い印象を与えてしまいます。木製センターはいいアイデアですね。私も真似して作りました。
オーボエ好き
2005/11/12 23:28
●木製センターですが、管の各部の長さを突っ切りで切り落とすときに特に便利です。なぜなら、一緒に削れるからです。この手法は、木工での基本事項のひとつで、のこぎりで板を切るとき、バリを出さずに行う方法として、不要な板を下にひいて一緒に切ってしまう、あれ。当然、木製センタは溝だらけになりますが、また削って平らにします。だんだんと細くなってくるので、フォトのように先端に近くなるにしたがって、削られています。
●金工旋盤では、横送りと縦送りとを両方同時に行うと曲線がでるのでしょうか?また送り量も、目盛りがあるのでやりやすいとは思うのですが、いかがなものでしょう?
woodwind 図書館長
2005/11/13 11:16
横送りと縦送りを同時に行うと曲線は出ます。その時は目盛りをたよりにするよりも手を回す間隔をたよりにしています。ただきれいにカーブを出すのは至難の業です。
オーボエ好き
2005/11/13 14:46
●たしかに、縦と横の送りとの2つのパラメータを同時に動かすのは大変そうですね。これが一定のテーパー削りであれば、台座を傾けておいて、送るだけですけどね。
●しからば金工旋盤で、木工はできないのですか?木工用の刃物台さえ付けば、木工旋盤と変らないと思いますがいかがでしょう?
woodwind 図書館長
2005/11/15 00:08
金工旋盤に取付けられる刃物台は市販されています。
おっしゃるとおり木工旋盤とかわらないと思います。昨日細工削りを練習してみようと掃除棒を作っていましたが、難しいものですね。表面がボロボロになってしまいました。
使った材は建築用構造材のサイプレスというものです。
木目は美しいのですが、割れが入りやすいので苦労しています。オーボエのリードケースやグリスを入れておくケースは問題なく作れましたが、掃除棒は布を通す穴を開けるのが難しく、満足いく結果を得られていません。
オーボエ好き
2005/11/19 23:57
そうですか。木工用刃物台があれば木工ができますね。ところで、気になるのは、木工用刃物台は、上下(垂直)方向に変えられますか?木工では、金工にくらべ材と刃物(バイト)の当たる角度と高さ(当て方)の自由度が多くていろんなことが可能だと思うからです。また、オーボエや、ベル加工のときに必要な、回転軸に直角な方向への刃物台を向けられるのですか?これらができると、木工旋盤と変らないですね。
woodwind 図書館長
2005/11/20 11:42

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