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zoom RSS フラットビット:木管の内径削りにどう使うか

<<   作成日時 : 2005/12/18 20:02   >>

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画像楽器のつくり方 (41) 2005/12/18

バロック木管つくりには、内径削りが欠かせません。

ガイド穴あけにはオーガーを、長い穴を掘るにはロング・ドリルを、またソケットつくりなどきれいな穴明けには、フォーストナー・ビットを使います。

でも、結果としての木管の穴は、径が一定ではなく、テーパー状をなし、リーマーも必要。 

テーパー状の内径つくりには、使う道具と使う手順の組み合わせが種々あります。

フォトは、木の板に電気(電動)ドリルで穴をあけるためのビットです。 フラットビット flat biと呼ばれています。 回転軸に対し、切削部が平坦(フラット)となっているからです。 

1/4インチ(6mm)〜1-1/2(38mm)までのものが市販されています。

よく見ると、トランプのスペードにも似ており、スペード・ビット spade bitとも呼ばれます。 スペードの上のとがっている部分が軸の方で、スペードの足のほうは、ビットのとがった先端。

メーカーにより、形が微妙に異なり、切削する平坦部分が水平に伸びず、軸側にしぼんでいるのもあるものの、水平のものは英字のDにも似ており、Dビットとも呼ばれます。

一般には、電気ドリル用ですが、木工旋盤のテールストックのチャックに装着してもよいでしょう。 重要なのは、軸に対しビット先端や、切削刃の水平部分が同心を保つこと。

同心の確保は、精密工具であるドリルやビットの基本要素。

しからば、木管楽器の内径つくりにおける各種、刃物つくりに適用できないかと思いつきます。

フォトの、中央あたりの18mmや20mmのものは、少しテーパーをつけており、トラベルソの内径削りあるいは仕上げに適用できます。

卓上の小型金工旋盤は、一般にアルミや真鍮などの非鉄金属用。 鋼鉄を加工できる金工旋盤ともなると、一般に大型で頑丈なものですね。

大型金工旋盤の代わりに、もう少し手軽にリーマーとか必要な切削用の刃物をつくることができないか。

手作りにで行う方法のひとつとして、フラットビットを加工するのもいいでしょう。 軟鉄でなく、鋼鉄製ですから刃物類に打ってつけ。

しかも、軸を中心に各部の同心が確保できており、鉄材から切り出すより簡単。

同心が崩れないように、鑢やグラインダーで削るときは、両方を同じように扱うことが肝要。 鑢がけを片方2回行えば、反対側も2回行うなど、留意すればよいのです。

微調整ができ、リーミングおよび一定径削りの刃物の自作には、結構応用が利くかも。

さらに、ファゴットとかバスリコーダーなどの穴あけや、内径削りを想像ください。 径が太く長い穴あけを通常のロングドリルで行うには大きなトルクが必要。 接する部分も多く、穴あけもリーミングもスタックしやすいと想定されます。

フラットビットは接する部分が少なく、また延長金具もあり、これらへの適用にも有用かも。

バロック木管つくりでは、必要な道具がすべて市販されているわけではありません。

製作モデルに合わせ、また自分に適するように、自分なりの道具をつくることが必要なのです。 道具をつくるのに、何か使えそうなものがないか探し、いろいろ工夫するのも、大きな楽しみなのです・・


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
woodwind様は道具もいろいろとお持ちですね。
たくさん研究されたことと思います。そのおかげで私はwoodwind様ほど道具を持たないでもトラベルソを作ることができるわけです。
このflat bitと言うものを初めて見ますが、woodwind様は日本で購入されたのですか?
オーボエ好き
2005/12/19 22:07
●そうですね。確かに、色々な工具類を購入しては、試しました。ほとんどと言っていいくらい英国で購入しています。ただ、すべてが英国製ではなく、色々です。イタリア製も含まれています。
●面白いことに、一級品を扱う工具屋ばかりか、2流をあつかう店、あるいはガラクタのような3流品を扱う店などあり、探し回るのが楽しみでした。工具類は、たくさん揃えても実際に使用するのは、とても限られています。
●このフラットビットですが、日本でもDIY店で米国産のものを見かけています。セットしかありませんが、まあ何かに応用するのもよい気がします。オーボエ用上管リーマーとか、とラベルソ頭部管リーマーです。テーパーにしておき、最も幅が広い部分が、頭部管の内径にあわせると一定の穴が開きます。
●フォトのように、どれも小さな穴が開いていますが、壁などの釘などに掛けておく物か知らん。
woodwind 図書館長
2005/12/21 23:59

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