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zoom RSS かろうじての確保:黄楊のオーボエのベル材

<<   作成日時 : 2006/02/05 13:12   >>

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画像楽器のつくり方 (43) 2006/2/5

欧州黄楊の半丸太から、オーボエ用のベル材の確保を試みました。

丸太や半丸太は、芯(年輪の中心)を含みます。 芯を含むものは、一般にひびが入りやすいのです。

ひび問題を避けるには、芯を含まず製材し、それを角材にしたものを入手すること。 注意しながら乾燥すると、断面はひし形になります(→ここを参照)が扱いやすいのです。

半丸太も、十分に直径が大きければ、芯を外して木取りし、ベル材を2つ確保することができます。  しかし、欧州黄楊の小さな径の半丸太からは、ひとつ、しかも部分的に芯を含むものしか取るができません。

フォトをご覧ください。 もとの半丸太は、→こちらの記事 のフォトの奥にあるもので、それを切った こちらの記事 の奥のもの。

目標は、58mm以上の径を確保すること。

芯を含み、半丸太の木口の中央を取れば64mm。 ところが実際には、芯に向うひびが見られました。 そこで、ひびの影響が出ないように芯を外し、径が小さくなることを犠牲にし、リスク回避を行いセンタを決定。

木工旋盤のヘッドストックとテールストックの両センタ間削りにより、丸材にした結果は、ご覧のとおり。

かろうじて、58mm−51mmのベル材の確保が出来ました。

とは言え、表皮が見えますね。 皮一枚残っています。 欧州黄楊は、辺材 sap wood と心材 heart wood の区分が不明確のため、表皮ぎりぎりまで使います。

ベルの最大ふくらみ56.8mmのダモーレ用に確保しました。 余裕は1mmほどしかありません。

ところで、オーボエつくりの要点は、トラベルソと異なるとことが多くあります。

ベル部分は、下管のテノンと勘合するソケット部分が上にあり、チャックは下から結わえます。 一方、下側からベル内径のふくらみ削りが必要で、上からのチャック結わえが必要。

上下のチャック結わえの工程の各々で同心の確保が必要。 それに加え、上下で互いの同心合わせも必要。

同心の確保が出来なければ、ぎりぎり確保した1mmの余裕が吹っ飛んでしまいます。

この材によるベルは、おそらく最大ふくらみ部分に、まあるく表皮の模様が少しは残ると予想されます。 まあ、残っても、それはそれでおつな模様となるものです。

さて、実際、どうなることでしょう・・・楽しみです。

【関連記事】   青字クリックで、その記事にジャンプします。

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
表皮の残ったベルもいいかもしれませんね。
ツゲからベルを確保するのが難しいことがよくわかりました。
貴重なベルなんですね。

私のベル製作は工具を工夫しましたが、十分削れませんでした。やっぱりボーリング用のバイトで手作業かと考えています。
オーボエ好き
2006/02/06 12:45
●オーボエ好きさんの、ベルの工具というのは、どんなものでしょう? リーマーのように、一挙に木を削るものですか? もしそうなら、相当のトルクが必要になります。
●木工旋盤に関する本などには、いわゆる「Box」づくりがあり、日本で言う「茶筒」のようなもの。この箱を作るのに、少しずつ削ってゆくのです。最後は、底が直角となるようにするのですが。
●ベルも、少しずつ削るしかなく、専用のバイト類で試されるのはいかがでしょう。
woodwind 図書館長
2006/02/06 23:34
まず、リーマーでボアを作って、その後フレアを削って作ると言う方法を取りました。
そのフレアのための工具を、スプーンリーマーに似た形状のものを作って、先に作ったボアのラインにつながるように削ろうとしました。その削り幅は25mm。
トルクも必要ですが、なんと早く刃の摩耗することか!1回毎に研いでいました。

結局この方法ではフレアのラインを先に作ったボアのラインにぴったり合わせることができず、また多々不具合があるので、刃を短くし15mmにしてL字型の底部を先に仕上げ、残りをボーリング用金工バイトで削りました。しかしとても粗い仕上がりなので、サンディングしてなんとか滑らかにした具合です。
木工用スクレーパーが良さそうですね。
オーボエ好き
2006/02/08 22:49
●一回ごとに研ぐとのこと。そのリーマーの材質は何なのでしょうか。金工旋盤による自作なのですか?もしよろしければ、金工旋盤の定格と、刃の材質を教えてください。わたしの手作りの金属リーマーは、ステンレスで、一般には切れが悪いですが、径が細ければなんとかなります。ベルは、無理か??
●内部削りは、難しいですね。スクレーパーは結構、歯が鋭くていいと思いますが、この作業、大変な騒音で近所迷惑となります。
●いかに木管は、外形削りが楽で、内径削りが楽でないかの問題ですね。刃を支えるのが遠くなるためです。このため、ボウルやつぼの製作のために、中まで入るバイト支えがあります。出来る限り、バイトと木の距離を縮めるのがよさそうですね。
woodwind 図書館長
2006/02/08 23:01
手作り工具の材質はS45Cです。金工旋盤による自作です。説明書等に定格が見当たらないのですが、最高速、低加重の切削で10 minとありました。
オーボエ好き
2006/02/09 08:07
●材質の件、勉強になります。金工旋盤もミニ旋盤から大型まであり、身に旋盤の中には、非鉄金属加工のみとあるものも見受けます。
将来金工旋盤を入手したときは、十分余裕あるもので、リーマーつくりなどを試みようかと思います。
●オーボエの飾り部分のベッドなどは、人によっては、ドライバの先端を削ったりして作りますが、このような金属加工では、金工旋盤を必要とするわけでなく、人それぞれ工夫しているようですね。
woodwind 図書館長
2006/02/09 22:56
私が使っている金工旋盤は芯間距離が360mmですが、チャックやロータリーセンター等がつくとせいぜい240mmがいいところ。ところがオーボエの場合はトップ、ボトムとも240mmを超えているわけですから、これ以上の芯間距離があるものでないと1本もののリーマーを作るのは難しいと思います。

ヘッドの飾り部分は金工用の突っ切りで1mm程度の刃幅のものを使用しました。刃を付け替えると2mmぐらいになるので、使い分けています。
カーブは階段状に削ってから60番から400番までのサンドペーパを使用しました。
オーボエ好き
2006/02/10 19:43
●お手持ちの旋盤の情報ありがとうございます。心間が360mm以上を求めると、とても大きな旋盤となりますね。鉄材の切削用はやはり大型となってしまうようです。
●それならば、なおさら、分割型リーマーでよいのではないでしょうか。
●オーボエの内径も、上管、下管とも途中でテーパー度合いが変わるものを多く見受けます。この変わり目あたりで分割するのはどうでしょう。
●もうひとつ、金属旋盤の構造に詳しくありませんが、ヘッドストックのスルーの径を利用し、長さの長いものの加工もありえませんか?
woodwind 図書館長
2006/02/11 13:53
今回のオーボエ製作において使用するチューブ用の心金はヘッドストックの通し穴を利用して作りました。しかし材料全体を削るのであれば、最終的には材長が隠れている状態では難しいのではないかと思います。既に削って仕上げた部分をチャックでつかむ訳にもいきませんし。

やっぱ分割型がよさそうですね。オーボエダモーレを作りたいと思っており、リーマーをどうしようかと考えていましたが、今度は完全に分割型で製作してみようと思います。
オーボエ好き
2006/02/11 19:39
●すでに仕上げた部分の、つかみは無理ですね。わたしは、柄の部分(細い部分)ぐらいはスルーで切るかと思ったわけです。柄の部分くらいなら、そもそも、柄と刃物側を分割して、つくり、あわせれば済みますよね。問題は、刃自体が長いときに、分割するしかないでしょうし、分割が決して悪いとも思いません。
●ダモーレは、いいですよね。わたしの、この連載はそのために進めています。フォトのベル部分は、したがって、通常のバロックオーボエのように160mmもの長さが必要でなく、120〜130mmのものです。
woodwind 図書館長
2006/02/12 10:07

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