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help リーダーに追加 RSS キーがひとつのクラシカルフルート

<<   作成日時 : 2006/03/26 12:05   >>

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画像楽器の書棚 (15) 2006/3/26

バロックから、クラシカル時代への移行期、とくに後期バロックから初期クラシカルへの変遷において、音楽のスタイルばかりか、楽器のスタイルも変わってきました。

フルートを見てみましょう。それまでのトラベルソ(バロック・フルート)は、クヴァンツやその流れを汲むキルストによる2鍵のものを除き、キーの数は1つ。

その後、クラシカル時代に入り、多鍵のものが多く開発されました。

それでは、その移行期はどうだったのでしょう。 時代の流れの影響を受け、好まれる音色が出るよう改良がなされました。 ただし、キーの数が、いきなり多鍵となったわけではなかったようです。 時代にして、1770〜1810年あたり。

それまでのバロック楽器の製作家は、1キーのままで、クラシカルの特色を出そうとしたようです。 下の年代は、活躍時期。

・Thomas Lot: 〜1787
・G.A.Rottenburgh: 〜1790
・C.A.Grenser: 〜1807
・Thomas Cauhsac: 〜1798
・Richard Potter: 〜1806
・Proser: 〜1795

まだまだ、多くの製作家がいますが、何れも共通して言えることは、製作家の名前だけで、どの時代の楽器かを決め付けることは危険だということ。

フォトは、その例のひとつ。 バロック・フルートに見えますが、どちらかというとクラシカルの特色を持っています。

製作家は、Richard Potter。 制作年代は、1785〜1800ころ。 この復元をわたしが試みたもの。

頭部管の、刻印は、 POTTER/JOHNSON'S COURT/FLEET STREET/LONDON。

特色は、内径(ボア)が細めで、広域(第二オクターブ以上)を出しやすくしていること。 クラシカル初期では、オーボエと同様、一旦、内径を細くし、明るく響く広域を確保したようです。

その後の、クラシカルからモダンにいたる変遷では、内径ばかりか、歌口や、指穴の大きさを大きくして、交響曲の時代の要請に応えたようです。

フォトを良くご覧ください。 ソケットとテノンの継ぎ手部分のデザインですが。 Potterは、なだらかに流れるような柔らかな曲線でなく、急激に大きく膨らませる独特の形をしています。

わたしは、オックスフォード大学のベイト・コレクションにて実物と、フォトの復元楽器を比較検討させていただきました。 撮影したフォトを見ても、とくに下管では、実物は、わたしの復元作品ほど膨らんではいません。

下管のソケット部分のふくらみが大きいと、とくにG音を決める4の指穴の深さが深くなり、ピッチが下がり、曇った音となります。

そのためでしょうか、オリジナル楽器の測定図面を見ますと、下管のソケットから4の指穴にいたるまでの部分を異常なほど大きく広げています。

いずれにしても、広域寄りの楽器で、現存する替え管も、4番から始まり、5番、6番です。 418Hz、425Hz,435Hzとクラシカルピッチを意識したものとなっています。

通常、バロックフルート(トラベルソ)では、第3オクターブの音域の発音が苦しく、とくにFが出しにくく、F以上は実用にならないものも見受けます。 製作家/モデルにより異なりますが。

内径の細い、フォトのクラシカル・フルートでは、どうしたことでしょう。 いとも軽く、簡単に、F/F#/G/G#/Aが出てしまいます。


【コピー】 

材質: レッドランス・ウッド Red Lancewood No.9805 A=415Hz
     イミテーション象牙リング 洋白銀製のキー
     
【オリジナル】  

所蔵: オックスフォード大学 音楽学部 ベイトコレクション # 18 
製作: リチャード・ポッター Richard Potter ロンドン 1785-1800頃
楽器: フルート・トラベルソ 黄楊 boxwood  象牙リング
     銀製のキー 全長630mm
替え上管 No.4 .A=417.5Hz、 No.5 A=425Hz、 No.6 A=435Hz


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
クラシカルは歌うように、バロックは語るように演奏しやすいというのが僕の印象です。細い管は音を安定して伸ばしやすく、息持ちもよく歌いやすいです。そうなると指も回りやすい。
細い管では簡単なのに、太い管では余計な努力を強いられることもありますが、両方吹いてみるとそれぞれの個性を強く感じることができて、学ぶことが多いですね。
オーボエ好き
2006/03/26 22:43
●歌いやすいと言う表現は、当てはまるかどうかはわかりませんが、第3オクターブがいとも簡単に出せます。
●そのため、記事にそのことを追加しました。
woodwind 図書館長
2006/03/28 21:17

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