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zoom RSS 木工旋盤のチャック類は、どのようなものですか

<<   作成日時 : 2006/04/02 19:57   >>

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画像楽器のつくり方 (46) 2006/4/2

バロックあるいはクラシカルの木管楽器つくりには、木工旋盤が欠かせません。 (その全体イメージは→ここ)

旋盤の構造や使い方を説明するとなると、とても膨大。 他の書物に任せ、今回は、木工旋盤に取り付けて使用する、チャックやその他専用アクセサリーを取り上げてみましょう。

通常、木工旋盤による工作物には、お皿、ボール、塩・コショウ入れ、机・椅子の脚、階段の柱、電気スタンドなど。 さまざまの大きさの木材を旋盤に取り付けるため、チャックが必要です。

一旦チャックを取り付けると、チャックに他の必要なアクセサリを取り付け、そのアクセサリを通じて工作物を取り付けたり、削ったりできるシステムになっています。

フォトを、ご覧ください。

これらは、リコーダー、フルート、クラリネット、オーボエなど木管楽器つくりに必要なチャックとアクセサリー類を示します。

フォトの、左半分は、ヘッドストック head stock (主軸台)に、また右半分は、テールストック tail stock (心押台)に取り付けるものです。

順に、少し詳しく見てゆきましょう:

●圧縮型チャック (3分割爪を持つ、大と小のもの)

チャックとは結わえるもの。 丸材の結わえ方は2通り。 ひとつは、丸材の外形を押さえ込むもので、圧縮型と呼ばれるもの。 もうひとつは、拡張型で、管となった丸材の内径から外に広げるように固定するもの。

何れも、3爪タイプと4爪タイプがあります。 フォトは3爪タイプの圧縮型で、木管楽器つくりで多く用います。

旋盤のモーターから、回転動力がヘッドストックの主軸に伝えられます。 チャック本体は主軸にネジ構造で取り付けますが、回転とともに、「しまる」ネジがきってあります。 取り外すときは、とてもきつくしまっており、中型スパナとフォト左端下の丸棒を用いて、てこの原理で外します。

次に、チャック本体に3分割に分かれた爪を取り付け、本体のネジを回転させ、開けたり閉めます。 締め付けるときは、フォト左端下の丸棒と「?」型冶具の組合せを用います。 きつく閉まった状態から外すときも、同じ組合せで、てこの原理で外します。

フォトの大の方の3爪では、@内側で1インチ(25.4mm)の、A外側の「あり継ぎ」(ドビテール dovetail)で3インチ(76.2mm) の材を圧縮します。 これ以外の任意の径の丸材には適用できません。

また、フォトの小の方の3爪をチャック本体に付け替えると、@内側で3/4インチ(19mm)の、A外側で2インチ(50.8mm)の材を圧縮し、結わえます。

わたしは、通常、以下のように使い分けています:

A. 爪大 内側1インチ(25.4mm): フルート・オーボエの上管や下管など

B. 爪小 外側2インチ(50.8mm): オーボエ・クラリネットなどのベル用

●ヘッドストック側のアクセサリー類

ヘッドストック側は、回転動力を木材に伝えるのが目的ですから、「固定」して用いるものばかりです。 主軸は、ネジばかりか、モーステーパーにもなっています。 フォトは、対応するMT1仕様。

フォト左上の、円錐(テーパー状)木部のついたもの: このアクセサリーは、1インチ(25.4o)の軸を持つ、木材結わえ金具で、チャック3爪大の@内側1インチ、モードを用いて取り付けます。 アクセサリー自体が、大きなマイナスネジ式で木材を締め付けるもので、わたしは、これをセンター間削りにおける「木製センター」として利用しています。 (使用例は、→こことかここ

その左の3本はセンターで、すべて「固定」型。 下から順に:
・2叉ドライブセンター(一般作業で最も多用)
・汎用2段(12o/18o)ドライブセンター
・ガイド穴あけ用受け側4叉ドライブセンター

●ドリルチャック

テールストックの心押しにも、モーステーパーがあります。 これに合わせたドリルチャックを取り付けます。 ハンドドリルなど、通常のドリルはジャコブ・テーパー仕様ですが、旋盤にはモーステーパーのものを取り付けます。 フォトは、MT1仕様。 (使用例は、→ここ

旋盤での穴あけは、一般には、テールストック側に、固定のドリルチャックでドリル刃を取り付け、ヘッドストック側にチャックで固定した木材の方を回転させます。

フォトは、ドリル刃のシャンクが1/2インチ(13o)まで扱えます。 2/5インチ(10o)のものより使い道が多いでしょう。 右端下の、専用締め付け器で回転させて開閉します。

●テールストック側のアクセサリー類

テールストックは、固定のドリルの場合を除き、回転する材の心を抑える場合が多く、この目的では回転(レボルビング)センターが便利です。 フォトは、回転センター2本。 固定センターでは摩擦熱で材がこげます。

右上は、ガイド穴あけ専用の、固定型ホロー(空洞)センター。 ネジでセンターの先端部分を外すと、空洞となり、ガイド穴あけ専用の、オーガーを、テールストックの外側から、ヘッドストックにいたるまでの穴あけに使用します。 (応用イメージは、→ここを参照)

【関連記事】  青字クリックで記事にジャンプします。

「金工とは無礼千万(せんばん)、われは木工旋盤なり」
快適な切削は、適切な回転数から
木管とは木をくりぬいた管(くだ)です
ガイド穴あけは管(くだ)のはじまり
木管の命、内径を「掘る」にはロングドリルが必要です
木管の外形仕上げはセンター間削りで
木管みがきも、旋盤上でできます
外形削りで所定の長さに切り落とします




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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私は10mmまでのドリルチャックを使っていましたが、ノスドリルで下穴を広げる時に13mmのものが欲しくなりました。
私の木製センターはMT3の固定センターの先に木材を接着して削りだしたものです。woodwind様のセンターの方が木部の交換がスムーズにできそうでうらやましい。

オーボエ好き
2006/04/04 22:55
●オーボエ好きさん、ドリルチャックは13oのしかも、heavy duty 用がやはり良いと思います。長く使うと、ガタガがきます。0.1oのガタもロングドリルの端側では、何ミリものガタの元でしょうから。
●木部の交換は便利そうですが、まだ1回も変えていません。結構長く使えるものですね。
woodwind 図書館長
2006/04/04 23:02

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