楽器のつくり方 (48) 2006/4/9オーボエ・ダモーレのま〜るく膨らんだ形のベルをつくります。 下管と合わされるソケットや、それと同心を保つ空洞穴を、外形と同心に保ちつつ、さらに底側の穴とか飾りと同心を保つための手順を紹介しましょう。 楽器の方向を、東西南北で定義します。 ベルの底が、南。 下管テノンと勘合するソケット側が、北。 どちら側の加工時にも、それぞれ反対側でのチャック結わえが必要です。 北にソケットをつくるために、ベル材の南側をチャックで取り付けるドビテール(あり継ぎ)をつくりました。 その様子は、前回のフォトを参照ください→ここ。 南側で、ベル材をチャックに取付ける時、できるだけ双方向の同心を保つため、テールストックの心押しにセンターを取付けます。 そして丸材となったベル材の北の中心跡をセンターで押しながら南側のドビテールを勘合させ、チャックを閉めます。 フォトは、このように南側のドビテールを、木工旋盤のチャックのドビテール機構で取付け、北側を加工し終えたもの。 ●ソケット: 7/8インチ(22.2o) 第一のフォースナー・ビット ●北側空洞穴: 18o 第二のフォースナー・ビット ●ガイド穴: 1/2インチ(12.7o) 第三のフォースナー・ビット (フォースナー・ビットについては、→ここを参照ください) これらの、フォースナー・ビット加工時に同心を保つには、センターの中心の跡を最後まで残すように加工を進めます。 まず、ソケット用の第一のビットで数ミリ削ります。 次に、ビット先端の中心跡をガイドに、径の小さな第二のビットでさらに数ミリ削ります。 (加工のイメージは、→ここ) この結果、深さ数ミリのソケット溝と、さらに数ミリ進んだ深さの空洞溝とが同心となります。 第一と第二のビットを、とっかえひっかえ、これを繰り返し穴を開けます。 ある程度の深さとなれば、中心跡に頼らずともズレることなく、穴あけを進めることができます。 実際には、より小径の第三のビットを用いた3段階加工により、フォトには見えませんが、12.7oのガイド穴が、ベル材を貫通し、南側に達しています。 北側の18oの空洞と、22.2o径のソケットも、必要な深さまであけました。 ベル材は、最終の長さより幾分長く、マージン(のりしろ部分)があり、それを計算して所要の深さまであけます。 さて、このようにして、北側には同心状のソケットが完成しました。 しかし、ソケットと丸材の外側とは同心が保てず、わずかですが偏心しています。 ソケットと外形の同心を保つ手順を説明しましょう。 テール・ストックにセンターを取付け、出来上がったソケットを中心の「基準」に、外形を削ってゆきます。 改めて直角出しを行った後、この「基準」に合った、2インチ(50.8o)のドビテールを作ります。 フォトは、ここまでの作業を終えたところです。 丸材の外形のわずかな偏心も問題とはなりません。 なぜなら、北側での中心の「基準」は、つくり終えたばかりのソケットにあり、これと同心のドビテールが手に入ったからです。 次回は、ベル材をひっくり返し、手に入れた北側のドビテールをチャックに取り付け、ベルの外側削りと、南側の穴あけや空洞つくりを見てゆきましょう。 オーボエ・ベルつくりに必要な双方向の同心を確保する手順の全容が見えてきましたでしょうか・・ 【関連記事】 青字クリックでその記事にジャンプします。 ●オーボエ・ベルつくりでは双方向の同心確保が要るのです ●木工旋盤のチャック類は、どのようなものですか ●かろうじての確保:黄楊のオーボエのベル材 ●フォーストナー・ビット:きれいな穴あけができます ●同心円の確保は、仮想の中心点の生かし方が決め手 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
オーボエの各パーツはトラベルソと比較してひっくり返して作業することが多いですね。 |
オーボエ好き 2006/04/09 16:55 |
●そのとおりですね。実は、ベルの後、連載では、上管と下管も載せる予定ですが、そこでの要点は、結局は、このベルの要点。トラベルソとは違う内径の形状のためです。 |
woodwind 図書館長 2006/04/11 21:27 |
ご存じかとも思いますが、一応お知らせです。 |
チッチの父 2006/04/13 14:35 |
●チッチの父さん、情報どうもありがとうございます。「古楽コンクール」自体は、ずっと以前から知っておりました。しかし、楽器展示などの実体は調べたことがなく、今回Webで確認いたしました。S.Daltonも展示参加されるそうで、10年ぶりに会いに行こうかしらん。 |
woodwind 図書館長 2006/04/13 20:03 |
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