バロック木管図書館 woodwind

アクセスカウンタ

zoom RSS トラベルソの音出しには、Ebキーが必要です

<<   作成日時 : 2006/04/15 19:42   >>

トラックバック 0 / コメント 8

画像楽器のつくり方 (49) 2006/4/15

ローズウッド材を用いて、T.Lotモデルのトラベルソをつくってきました。

音出しのためには、歌口と指穴のほかに、右手小指で開閉するEbキーも必要です。

頭部管(ヘッドジョイント)の歌口をつくると、穴あけが済んだ各管をつないで音が出せます。 ただし一部、出ない音もあります。 そのような音出しのため、Ebキーの開閉が必要ですす。

今回は、そのEbキーつくりを見てゆきましょう。

青文字クリックで、以前の連載記事にジャンプします。

【木管の音つくり】
 
 ●ステップ9: 内径のリーミング仕上げ
 ●ステップ10: 歌口と指穴の穴あけ
 ●ステップ11: 歌口つくり
 ステップ12: Ebキーつくり

【木管のかたちつくり】 

 ●ステップ1: 木取り・木組み
 ●ステップ2: 角材を丸材へ
 ●ステップ3: ガイド穴あけ
 ●ステップ4: 内径とソケットつくり
 ●ステップ5: テーパー削り
 ●ステップ6: マウント取り付け
 ●ステップ7: 外形削り
 ●ステップ8: オイリング

フォトは、Ebキーを取付ける足管と、キー材料としての洋白銀板を、それぞれ加工している途中を示しています。

順に、すこし詳しく見てゆきましょう。

●足管の加工

Eb穴を木工ドリルで足管にあけ、リーマーで広げました。 歌口から音出しを行い、正しいEb音のピッチ近くまで穴を広げます。 木工用の丸ヤスリが適しています。

その後、Ebキーを取付けるために、キー溝を掘り、キーパッド床をつくります。

Eb音穴の中心にあわせて、足管のベッド(丸く高くなっている部分)に印を付けます。 次に、中心線を頼りにして、5.1o幅のキー取付け溝を掘ります。

溝堀りには、ルーターがあると便利。 でも手作業でも十分行うことができます。 

フォトは、そのための工具で、4.5o幅の平彫刻刀および、3o幅のノミです。

溝が掘れたら、次に、キーパッド床をつくります。

パッドと接する床から、息が漏れないよう平らに仕上げます。 平彫刻刀で大まかに削り、その後、金工用の平ヤスリ(フォトの一番奥)で平らに仕上げます。

以下に示す手順でEbキーが完成したら、溝にはめ込みます。 そして、ピボット穴をキー板の小台に空けた穴にあわせるようにして、1.2o径の軸穴をベッドのこちら側から、向こう側まで、貫通するようにしてドリルであけて完成。

1.2o径ともなると、細いので折れやすく、超小型のハンドドリルを用いてゆっくりまわし、作業を進めるのが良いでしょう。

●キーの加工

厚さ1.5oの洋白銀の板からつくります。 フォトは、大まかに板を鉄鋸で切り出したものです。 正確に、また、同じものをいくつもつくるには、方眼紙にキーを描き、これを両面テープで板に貼り付けると良いでしょう。

この後、万力に挟み、方眼紙にしたがって、金工ヤスリで仕上げます。 仕上げた様子は、→ここを参照。

仕上げたEbキーの板に、ピボット軸穴を空けるための小さな台をロウ付けします。 1.2o径のドリルでピボット軸穴を小台にあけます。

また、バネも取り付けましょう。 真鍮または燐青銅の板でつくり、Ebキー板にリベット、またはろう付けにて取り付けて完成。


足管にEbキーが取り付くと、閉じればD音が、また開けるとBbはもちろん、F#や、第三オクターブの各種音(Eb、E、F)が出せるようになります。

次回からは、トラベルソの音つくりとして、各音の高さ(ピッチ)をあわせてゆきます・・・。


【関連記事】  青字クリックで記事にジャンプします。

木管もキーは金属でできています


テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
Ebキーのスプリングには、どんな金属を使うのでしょうか?
チッチの父
2006/04/16 08:26
●わたしは、真鍮です。記事にあるように燐青銅でも良いと思います。現代の製作家においては、鋼の薄板を使用しているものもあり、結構硬く、ペコンペコンと癖のあるものもあります。
●スプリングの硬さ調整は、真鍮で作った場合は、厚さを変えるのが一番ですが、ちょっと厚いと硬すぎ。あと、スプリングの曲げ方に工夫が必要と思います。
woodwind 図書館長
2006/04/16 11:01
★チッチの父様
私はバネ用(と称して売られている)燐青銅を使っています。堅さ調整はwoodwind様と同じで厚さで調整です。バネの曲げを強くしてもkeyを動かすとある程度戻ってしまいます。真鍮バネを記録している図面にある厚みよりも薄いものを使用しています。同じ厚さでは使用に耐えないくらい堅かったです。
★woodwind様
私もkeyの型紙を板に貼付けて作業しています。ピボット穴を開ける工程は機械でドリルを回したのですが、鉄鋼用ドリルでも曲がってしまい、うまくいきませんでした。今は同形のエンドミルで下穴を開けておいてからドリルを使って、うまくやっています。
keyに貼付ける革はどんなものを使用されていますか?私はセーヌ革です。
オーボエ好き
2006/04/16 17:00
●わたしも、燐青銅板でした。連載のこの記事のキーを0.3o厚の燐青銅板で作りました。製作当初8〜9年前の作品は、真鍮で開始しましたが、燐青銅の方が良いみたい。
●皮の件ですが、ものは何か分かりません。セーム革かもしれません。DIY点で入手したもの。
●このあたりの穴あけは、ちょっとコツが必要ですね。
woodwind 図書館長
2006/04/17 22:08
★燐青銅板の0.3mmなら軽い抵抗で快適に動いてくれるのではと思います。私は0.4mmを使っていますが、0.6mmを試したところ、堅くて重かったです。
keyからの息漏れを少しでも防ごうとバネを強くしてみたのですが、keyの動作が重くなり、それを押さえるためにフォームが崩れるようになってしまいました。
息漏れを防ぐ良い方法ってないでしょうか?
オリジナルではパッドにsealingを施してあるものが存在するそうですが、私は材料は何かも分かっていません。。
オーボエ好き
2006/04/19 15:46
●おっしゃるとおり、燐青銅板の0.3oでは柔らかいですね。そのため、機密性が気になるくらいです。プロ製作家の楽器を持っているのですが、それはキーが硬く、操作性が悪いです。
●機密性は、キーパッド台とパッドの微妙な当たり具合で決まる気がします。結構、パッドと台とが3次元の各方向であわせるのが結構大変なので調整が必要。
●パッド材は種々あるみたいですが、パッドにEb穴に当たる部分の丸いふくらみがはっきりついていれば、結構密封度が高い気がします・・
woodwind 図書館長
2006/04/20 10:24
プレス処理をしていない鹿革をシェラックでキーに接着してから、楽器に取り付け、バネでトーンホールに押し付けられている状態で、半田ゴテで暖めてやるとトーンホールの形にきれいに膨らみます。
オーボエ好き
2006/04/21 14:47
●シェラックの熱特性を活かした、うまい方法ですね。これは、いいノウハウです。
●製作家によると、結構、厚い皮を使うのを見かけます。わたしは、薄いと思う楽器の場合には、2重に重ねています・・・
woodwind 図書館長
2006/04/24 20:07

コメントする help

ニックネーム
本 文
トラベルソの音出しには、Ebキーが必要です バロック木管図書館 woodwind/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる