楽器のつくり方 (52) 2006/5/2ローズウッド角材の木取りから始めたトラベルソつくりも、ピッチの調整を経て完成します。 音つくりのために、歌口と指穴あけとEbキーつくりを見てきました。 今回は、ピッチ調整のために、穴径広げとアンダーカットにより指穴の大きさを変える手順を見てみましょう。 青文字クリックで、以前の連載記事にジャンプします。 【木管の音つくり】 ●ステップ9: 内径のリーミング仕上げ ●ステップ10: 歌口と指穴の穴あけ ●ステップ11: 歌口つくり ●ステップ12: Ebキーつくり ●ステップ13: 音程合わせ 木管楽器の音程(ピッチ)は、総合アドミタンスで決まります。詳細は→こちら。 歌口(M)と、指穴(1)〜指穴(6)、Ebキー穴(7)および足管の出口の穴(F)の個々に対するアドミタンスをaを付して表すとき、ある音Xに対する、総合アドミタンスは以下となります: 煤iX)=Ma+1a+2a+3a+4a+5a+6a+7a+Fa トラベルソも、歌口や各指穴の位置や大きさが、各音程に(相互に)影響します。 歌口の大きさとコルク位置を所定のものとしたら、あとは指穴の大きさを変えて、ピッチを調整します。 指穴の大きさは、外形での穴径と、アンダーカット量で決まります。 ●指穴の穴径 指穴およびEbキー穴は、所定の大きさよりやや小さめのドリルであけました。 この穴径を広げると音程(ピッチ)をあげることができます。 その穴の息の通りやすさアドミタンスが大きくなるからです。 また、正しい位置からドリルあけがズレてしまった場合に、正しい位置へと広げるためにも、小さめの穴から始めるのです。 穴の径が、音程に与える影響度合いですが、かなり敏感なため、次に示すアンダーカットと併用します。 ●アンダーカット アンダーカットとは、指穴のボア(内径)側を削ること。 音程のほか、反応にも影響すると考えられます。 アンダーカットの有り無しで、どのように変わるでしょう。 例として、ボア径17o、管厚5o、ドリル穴6oの場合のイメージを調べましょう。 − アンダーカットなし: 歌口からの息は17oの管内を伝わります。 指穴のところで17oの内径が、急に6oとなり長さ5oもの細管を経て、息が外へ出ます。 − アンダーカットあり(ボアで12oの例): 内径17oを伝わった息が、12oから徐々に6oへ絞られる漏斗部分を通り外へ出ます。 幾分スムーズに通り、アドミタンスが大きくなってピッチが上がります。 ●音程調整の手順と原則 [原則1] 音程合わせは、低音側から 第一オクターブは、最低音のD’からはじめ、順にEb’、E’、F#’、G’、A’、C#”と進めます。 高い側から始め低い側に進めると、低い指穴のアドミタンス変化が、せっかく合わせた高い音の総合アドミタンスを変えてしまうからです。 [原則2] アンダーカットによる調整 − いかなるアンダーカットも、必ずその音のピッチを高めます。 − 第一オクターブが、第二オクターブより低いときは、歌口側(北側)に向って削ります − 第一オクターブに対して、第二オクターブが低いときは、足管側(南側)に向って削ります 高域側は指穴の大きさ(アンダーカット)に敏感で、少し削ると効果が見られます。 これに対し低域側は高域側と比較すると敏感ではありません。 穴全体を大きくすると敏感な高域側も同時に、もっとあがってしまいます。 原則のように、まず北側のアンダーカットから始め、低域側を合わせ(高域も上がる)、高域がどうしても高いときに、南側を削ると良いでしょう。 [原則3] 穴広げによる調整 ドリル穴あけで、穴径が小さすぎる場合は、アンダーカットで合わせ切ることができません。 音程を確かめながら、少しずつ穴径を広げます。 以上の手順と法則により、半音階を含めすべての音の音程合わせを行います。 1回では、合わせきれないでしょう。 安定を見て、別の日に繰り返し行います。 この音程合わせには、正確な内径(ボア)のリーミングがなされていることが前提。 そうでない場合、ボア削りによる合わせが必要なことも起きるでしょう。 ただ、内径と指穴の大きさをともに変え始めると、収拾がつかなくなることも多く、注意が必要です・・・ 【関連記事】 青字クリックで記事へジャンプします。 ●指穴の大きさが、いろいろあるのは何故? ●トラベルソの内径は、複雑なテーパーです |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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★アンダーカットの方針が簡明にまとめられており、すぐ使えるツールとして申し分ないですね。 |
オーボエ好き 2006/05/02 16:06 |
●早速のコメント、ありがとうございます。 |
woodwind 図書館長 2006/05/02 18:17 |
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