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zoom RSS オーボエダモーレ:飾りの多い外形削り

<<   作成日時 : 2006/05/13 00:11   >>

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画像楽器のつくり方 (55) 2006/5/13

オーボエダモーレの上下管の外形削りに挑戦しましょう。

前回、上下管に必要な穴あけ(掘り)を行いました。 (→こちら

トラベルソでは、次にリーミングを施し外形を削りますが、オーボエの場合は、先に外形削りを行うことができます。

トラベルソと比較して内径が細く、その分リーミングにも大きなトルクは不要。 微妙な内径寸法を削るため、手作業によるリーミングを行います。 

フォトは、外形削りを終えた、オーボエ・ダモーレの各部分。

・ベル(後ろ): 先につくりました(→こちら、また→こちらも参照)
・下管(左): 北側にソケット。 南側近くに2つ、キー取り付け台座(ベッド)が見える。
・上管(右): 北側は、リードを差し込むための「井戸」を掘る予定。

これらの各部分は、トラベルソと比較して、多くの装飾があり、美しいフォルムを見せます。 

今回は、オーボエ/オーボエ・ダモーレつくりの要点として、外形の装飾を詳しく見てゆきましょう。

装飾には、大きく3つのレベルがあります:

 @ソケット・テノン勘合部やリードパイプ受けなど、象牙補強部分のひとかたまり
 A逆さオニオン/オニオンの美しい曲線
 B飾りベッド/飾り半ベッド周辺の微小細工

●象牙補強部分

ソケット・テノンの勘合部分などで、大きなひとかたまりで見える部分。 モデルによっては装飾を兼ね、補強の象牙マウントを付けます。

かたまりとして、見て分かりやすいのは、下管ソケットの長さ5cmほどの「バレルに似た」部分。 両端がベッドで挟まれ、逆さオニオンの曲線を見せる。 (トラベルソも同様に見られる)

象牙マウントの適用部分は、モデルにより異なります。 かたまり全体もあれば、半分ほどの場合もあります。 フォトは、象牙マウントなしですが、フォルムのデザインは同じ。

●逆さオニオン

ベルの大きく膨らんだ部分は、通常の向きのオニオン。 安定感が感じられます。

それ以外では、上管の上部、下管のソケット部、ベルのソケット部の3箇所に逆さオニオンが見られます。

逆さオニオンは、不安定ながらとても優美な感じがします。 ちなみに、管を上下、ひっくり返すと雰囲気が一変。 オニオンが安定した落ち着きある曲線を見せます。

逆さオニオンは、ノミで外形を削るとき、フォルムの曲線バランスが合っているのかどうか、判断がむずかしく感じます。 ひっくり返してみて、安定感があるかをチェックすると良いでしょう。

●飾りベッド/飾り半ベッド

ベッドは、まるく盛り上がった帯状の部分のこと。 通常、その両脇に、ごく細く(0.8oくらい)、きわめて薄い(0.1oくらい)段差がデザインされ、両側から挟むように細工されています。

半ベッドは、円が半分で、片側が切り立っています。 半ベッドは、飾りベッドのかたまりの両側に相い対して置かれたり、繰り返して強調するように置かれます。

・上管: 飾りベッドは、大きなもの2つと、小さなもの2つ。 半ベッドは1組。
・下管: 飾りベッドは、大きなもの1つ(キー台)と、小さなもの2つ。 半ベッドは2つ繰返し。
・ベル: 飾りベッドは、小さなもの2つ。 そのほか、底部に薄い飾りベッドと装飾溝あり。


これらの装飾は、音質とは無関係ですが、重量バランスが考慮されています。 楽器を手にするひとの気持ちを豊かにする「機能美」が、十二分に感じられます。

オーボエ/オーボエ・ダモーレ/テナー・オーボエに見られる共通的な特色と言えるでしょう・・・


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
一気に楽器らしい外形が整いましたね。
音が出るのが楽しみですね。自分のバロックオーボエの時は粗い木工用ペーパーでオニオン等形を作りました。刃物で作るのは難しそう。
オーボエ好き
2006/05/13 11:22
●そうですね、外見は楽器らしいものがそろいました。それだけでも、ちょっとこころが和みます。
●実際に、オーボエ/オーボエダモーレは、リード/チューブを含め音程調整が難しい楽器ですね。まだまだ、これからです。
●オニオンなどの曲線のフォルムをサンドペーパーだけでつくるのは少々大変ですね。むしろ刃物の補助としてサンドペーパーでならすようにしています。サンドペーパーの荒いものでは、削れますが、その後細かなペーパーで表面処理する必要がありますね。傷がいっぱいあるからです。その場合、とくにメープルの場合は、ステイン時に、色の濃さが歴然と分かり、傷跡が顕著と成ります・・
●ひきつづき、連載お楽しみください。
woodwind 図書館長
2006/05/13 11:57

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