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zoom RSS オーボエダモーレ:リーミング、オイリングと指穴あけ

<<   作成日時 : 2006/05/21 08:39   >>

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画像楽器のつくり方 (57) 2006/5/21

欧州黄楊のオーボエダモーレつくりの要点を進めましょう。

これまで、内径つくりのため、細い穴あけ(掘り)を行い(→こちら)、そのあと先に外形削りを行いました(→こちら)。

今回は、その後工程の、リーミング、オイリング、さらに指穴あけを見てみましょう。

フォトは、必要な工具類と、工程を終えたオーボエダモーレを並べたもの。

フォトの上から、ベル、下管、上管を示しています。 各部とも、リーミング仕上げのあと、リンシードオイル(亜麻仁油)によるオイリングを済ませています。

●ベル

内径リーミング仕上げとソケット仕上げが残っていました。

18.0oΦのドリルであけた内径を、自在(アジャスタブル)リーマーで18.45oに仕上げます。

自在リーマーについては、→ここを参照。 こちらも参照。

22.2oΦのフォースナー・ビットで穴あけたソケットを、直角ナイフ(フォト外:オーボエ・リードナイフを使用)で少し広げます。 このとき同時に、北側入り口近くが広がる滑らかなテーパー曲線にします。

●下管

内径リーミングと、指穴あけを行います。

10o、12o、13o、14oの階段状の穴をあけた内径はを広げます。 工業用テーパー・ピン・リーマーで、広げられる限り広げます。 フォトは、11oと13oのテーパー・ピン・リーマー。

そのあと、フォトの手製のリーマー(取っ手付き)で広げます。 力加減が難しく、木工用ヤスリ(フォト外)を併用します。

リーマーを下管に入れ、北側から管内をのぞきます。 削れていないところがリーマーに当たるので、その箇所が分かります。 ヤスリでその箇所を削ります。 これを繰り返し、リーマー内径に合うようにしてゆきます。

指穴あけは、ドリル刃とリーマーです:

  指穴4(ダブルホール): 3.2oΦ/3.5oΦ、 指穴5: 4.5oΦ、指穴6: 4.0oΦ、
  Eb穴: 5.0oΦ、 D穴: 6.0oΦの穴あけ後、7.2oリーマーで広げます。

●上管

内径リーミングと、リード井戸掘り、および指穴あけを行います。

8o、10oの階段状の内径を広げます。 フォトの細長い手製のリーマー(握り付き)で広げます。

リード井戸は、市販リーマーで広げます。

指穴あけは、ドリル刃によります:

  指穴1: 3.5oΦ、 指穴2: 3.2oΦ、 
  指穴3(ダブルホール): 2.3oΦ/2.5oΦ。

●傾斜指穴あけの要領

上管および下管の指穴は、管の軸に対して垂直でなく傾けます。

南傾斜: ボアに向い北側に掘り、ドリル軸は南側傾斜

  指穴1 (60度)、指穴4 (75度/80度)、指穴5 (85度)

北傾斜: ボアに向い南側に掘り、ドリル軸は北側傾斜

  指穴2 (60度)、指穴3 (85度/85度)

手回しドリルで、慎重にあけます。 フォトは、六角ビット。 六角ドライバ握りに、ドリルをつけた様子。

穴あけ位置に、ポンチ(わたしは4oΦ木工用ドリル刃で代用)で印をつけます。

ポンチあとに、ドリル刃を押し当て滑らないように注意します。 まず垂直に削り始め、刃がなじむに従い目的の傾斜まで徐々に傾けながら削り進むとよいでしょう。


【関連記事】  青字クリックで記事へジャンプします。

オーボエダモーレ:上下管の穴あけは細いロングドリルで
オーボエダモーレ:飾りの多い外形削り
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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
Boxwoodの表面がとてもきれいですね。自作のオーボエはハードメープルなのでオイルフィニッシュだけではなかなか輝いてくれません。
トラベルソの時は内径を磨く工程がありましたが、オーボエの場合は狭過ぎて難しいのでしょうか?
オーボエ好き
2006/05/21 09:33
●ありがとうございます。欧州黄楊の持つ表面の美しさが出ています。ただ、表面処理法に付き、別途行う予定です。製作家のある方々は、リンシードオイル仕上げ、とありますが、わたしはタングオイル仕上げにしたいのです。ただし、両者が混ざると良くないみたい。
●上管は細いですが、リーマーで結構滑らかです。下管はおっしゃるとおり磨かないと粗いままとなります。下管の細さ(太さ)では、磨ける範囲かと思います、
●ハードメープルでも、タングオイルでは、多重塗りで輝いてくれると思います。その前に、メープルにステインを掛けられたのでしょうか。硝酸ステインについては、わたしは未経験で、このとき表面がどうなるかわかりません。多くのステインの楽器を見ると、それはそれで、半つや消しほどの美しい輝きを持っているものです。このあたりの処理の研究はしがいのあるところ・・。
●先日、モーレンハウウェルのモダン・ファゴットを見ましたが、ステイン後の半艶出しがたいへん美しく、「奥に引っ込んだ艶が、外に向って浮き出てくる」感じで、とても印象的でした。
woodwind 図書館長
2006/05/21 10:50
☆”木目が立体的に見えてくる”のがリノキシンの作用ということらしいです。リノキシン配合の亜麻仁油や桐油を使用していますが、木目の繊細さは素晴らしいものがあります。
☆タングオイルとリンシードオイルを半々で混ぜて使用したことがありますが、両者の間をとったように撥水性もあり、艶もよく仕上がりました。木工家具に使われるものには両者の混合オイルがあるそうです。
☆表面処理は、サンディング、ステイン、オイルバス、オイルフィニッシュ、バーニッシュです。ステインされた楽器の表面仕上げにバーニッシュされているとの記述を複数見つけたので、そうしました。バイオリンの様に輝いています。オイルフィニッシュだけでは、指先がひりひりしてきます。
オーボエ好き
2006/05/21 18:29
●そうですか、亜麻仁油と桐油の混合があるとは知りませんでした。わたしの使うタングオイルベースのオイルですが、速乾剤等が入っています(人には無害のものを使用)。これと、先に塗布した、亜麻仁油との相性が悪いときがあるのです・・
●バーニッシュは、いわゆるニス仕上げと思いますが、無害のものはどの種類のでしょうか。とくに、トラベルソの歌口をいつも気にしています。
●ところで、オイルフィニッシュだけでは「ひりひりする」のって、どういったことですか?害がありそうという意味ですか、それとも表面のざらつきで、引っかかると言う意味ですか?
woodwind 図書館長
2006/05/22 07:22
☆私はリンシードオイルとタングオイルを同じ製造業者から買っています。そこの製品で両方が混ざったものがあります。日本の業者でweb siteを持っていますよ。
☆ステイン後水分を抜いて反応を止めているので、楽器表面には五酸化二窒素という形で残っているのではと思います。なので、オイルフィニッシュだけでは、演奏しているときに指の汗で硝酸に戻っているようなのです。だから指の先がひりひりしてくるのではと考えています。楽器としては良くても販売は難しくなりそう。
☆ニスは無水エタノールで溶解したdewaxedシェラックです。フレンチポリッシュですね。アルコールニスです。dewaxedでないと水分に弱いそうです。日本のメーカーがあるので入手は簡単でした。この辺りの情報は木工家具やviolin、guitar関係のサイトがとても役立ちます。
オーボエ好き
2006/05/22 09:25
●いろいろ情報ありがとうございます。わたしの使用するタングベースのオイルですが、相性が悪いのは、おそらく混合物のせいと思います。古くなるとダメなのか、新しく買うとうまく行く。
●ひりひりの件、了解しました。硝酸によるステインの影響なのですね。わたしも、硝酸を使用するときがあれば、十分注意することにしましょう。
●人体への影響に関し、わたしは「サラダボール」や「子供の(木製の)玩具」に適切との標示を気にしています。トラベルソでは、マウスピースが直接口に接するからです。フレンチポリッシュはOKでしょうか。
woodwind 図書館長
2006/05/22 19:39
☆シェラックは薬のカプセルの材料として使われているようです。検索してみたらそんなことがいくつかのサイトで見られました。
☆トラベルソへの使用だと気を使いますね。歌口の水分にどの程度耐えられるのかが気になります。他に考えられそうなのはカシューとか漆かなぁ。どちらも難しそう。
☆ニスを調べていた時にバイオリン用に見つけたのがアルコールニスとオイルニスでした。溶剤と含まれる樹脂が異なっていましたが、作業の効率化を理由にアルコールニスを使っています。他にも古くからの手法があるのでしょうか?
オーボエ好き
2006/05/22 22:20
●漆はいいですよね。お椀や、箸に使われています。わが国の箸の生産高の8割を福井県小浜町で作っているそうで、TVで見ました。和竿作りと同じイメージで、わたしは金銀の箔をパラパラと振り掛けます。漆を塗ると中に閉じ込められた箔が透けてとても美しい。同じようにTVで見たのは、箸にパラパラと振りかけ、貝殻か何かの小片を1枚1枚貼り付けたあと漆を塗り重ね、研いで模様を浮き出させとても優美。いつか同様な方法でトラベルソをつくりたいと思っています。まだ実現していない、【Bateコレクションへの寄贈】については、「わが国独特の手法」や、別のアイデアとして草花(桜ほか)など「わが国独自の模様」を描き込ことを考えて(想像して)います・・いつになることやら。
●バーニッシュの英語表現は、オリジナルのオーボエで出てきます。これは「ニス」の意味のほか、固まるオイリングによる「ニス仕上げ」の意味ではと思います。オーボエだから本当の「ニス」かも知れませんが、トラベルソではどうか。
●食卓などフレンチポリッシュやニスが使われます。手に触れます。しかし、実際に「舌で舐めて見る」と何か感じますヨ。トラベルソだけが問題。
woodwind 図書館長
2006/05/23 08:45
☆モダンピッコロ、木管フルートのチューンナップもしているという職人さんのサイトを発見。漆を表面に塗っているそうです。
☆チョコレートの表面をコーティングするのにシェラックが使われているそうな。食べても無害なのですね。ならばトラベルソで使うときの問題は耐水性だけかな。
オーボエ好き
2006/05/24 09:13
●やはり、漆を塗布している木管製作家がいるのですね。そう言えば、思い出しました:尺八は、ボアに漆を使い音つくりをしていましたね。
●本漆は、扱いが難しくかぶれますね。専用の独特の刷毛での作業となりますが、これに対して簡易漆もありますね。和竿つくりでは、ナイロンのストッキングを使いしみこませ、竿をつかんで塗る方法をプロの職人も行っているようです。トラベルソへの塗布も、きっとその方法も有効か・・
woodwind 図書館長
2006/05/25 08:29
製作途中のスピネットがどうにか形になってきました。
これから弦を張るところですが、低音弦についてはまだ未解決です。
巻き弦か撚り線を自作するつもりですが、とりあえずは、手持ちの弦を張っておくつもりです。
装飾画は今後、ボチボチと・・・・
宜しかったら覗いてみてください。
http://nekocicci.exblog.jp/
チッチの父
2006/05/26 11:10
●チッチの父さん、こんばんは。スピネットすばらしい外観ですね。いよいよ弦を張られるわけですが、それよりもチッチも採り入れた装飾画の方が緊張しますよね。ゲテモノでなく、きっと愛らしい装飾となるでしょう。
●スピネットの塗装も美しく、いろいろと参考にさせてください。外側の板を見ると、きれいな杢が出ていますね。材質は、イタヤ楓でしょうか。
●装飾の草花も、将来のわたしのトラベルソへの装飾のヒントにさせていただきます・・。
woodwind 図書館長
2006/05/26 18:35

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