トラベルソのコルクの位置は、重要です。コルクは、トラベルソ頭部管の歌口からヘッドキャップ寄りにあります。 その位置は、フルート/トラベルソで決まっています。 ただ、バロックフルートでは、異なるピッチに合わせるため替え管が用いられました。 替え管に応じて適切な位置にする必要があります。 ●スクリュー機構 スクリュー機構によりコルクを替えるものがあります。 その様子は、こちらの記事のフォトを参照。 ヘッドキャップを手前に向って回します。 スクリュー(ネジ)機構で、コルクが抜ける方向に動きます。 コルクを入れ込むには、ヘッドキャップを向こう側に回すとキャップが浮き上がります。 その分をキャップと一緒に押し込むようにします。 ●コルク押し棒 スクリュー機構を持たないトラベルソに対しては、コルクを前後に押す棒があります。 市販のものを見かけず、12oΦ程度の木の丸材からの手作りが多いようです。 この棒に目盛りを入れると、距離を測るのに便利。 5o間隔の目盛りで十分。 頭部管のソケット側から棒を差し、歌口から覗いて、目分量で読み取ります。 ●コルク位置を変えると・・ コルクには適切な位置があり通常、固定して使います。 ベームのフルートでは、17.0o。 (→こちらを参照) 奏者のアンブシャーにより、わずかに変える場合でも、前後1〜2oの範囲です。 では、前後に5oも変えると、いったい、何が、どのようになるか見てみましょう。 フォトのグラフは、コルク位置を変えて、ピッチの影響を調べたもの。 バロックフルート(トラベルソ) Scuchart A=415Hz モデルの例です。 コルク位置は、歌口中心からコルクのエッジまでの距離と定義します。 Schuchartモデルでは、距離 l=28mm あたりが適切。 グラフでは、 距離 l=25mm、 l=30mm、 l=35mm の3通りについて、ピッチを実測したもの。 フォトをクリックください。 現れたウィンドウのフォトの右下コーナーあたりにカーソルを合わせ、現れる拡大アイコンをクリックすると、最大画面となり詳細まで見えます。 いずれも、第一オクターブでは変化はわずか。 第二と、とくに第三オクターブでの影響が大きく表れています。 最大で40セントもの狂い。 ちなみに、半音が100セント。 415Hzに対し、+100セントでモダンピッチの 440Hz。 −100セントでベルサイユピッチの 392Hz。 この様子は、モデルにより異なるものの、一般的な傾向。 ●コルク位置の調整法 これから分かるように、コルク位置を決めるには、オクターブ間の隔たりを確かめると良いでしょう。 多くの方は、D(レ)音で合わせています。 第一、第二、第三と吹いてみます。 上のオクターブが高いときは、コルクを抜き、距離を大きくします。 反対に低いときは、コルクを押し込み距離を小さくします。 この調整のために使う運指の流れは、左右の全指を閉じます。 次に指1をあけ、さらに指5をあけます。 第一 d’ ●●● ●●● ● 第二 d” ○●● ●●● ● 第三 d’” ○●● ●○● ● 実際には、間にA(ラ)音を入れ、d’ → a’ → d” → a” → d’” と聴き、全体のバランスを確かめて決める方もいます。 ●楽器つくりの場面では 以上は、演奏者の立場からのコルク位置調整法。 トラベルソが正しくつくられ調整されていることが前提。 製作者の楽器つくりの場面では、事情が異なります。 オリジナル楽器の複製では、適切なコルク位置が分かりません。 オリジナル設計の本来あるべきコルク位置でなく、適当な位置にて調整を開始するとどうなるでしょう。 歌口や指穴の大きさを変え、ある音に無理やり合わせてしまいがち。 その音が合ったとしても、他の音や全体のピッチが合わず、収拾がつかなくなるでしょう・・ 【関連記事】 青字クリックで記事へジャンプします。 ●トラベルソの頭部管にはコルクが入っています ●トラベルソの指穴位置は、どのように決まるのでしょう ●歌口の大きさで、実効長が変わります |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
Dの音程によるコルク位置調整のときの3番目のフィンガリングは、知りませんでした。貴重な情報、ありがとうございます。High Dは(-23 --- es)で合わせていたのですが、これだとGの倍音でした。 |
オーボエ好き 2006/05/27 10:11 |
●D音の第一オクターブの運指d’で、あごを突き出し、指穴1を開けなくとも、第二オクターブ音d”が出ますよね。同様に、第二の運指のままで第三を出そうとするとd’”もでます。これらのとき、補助的に、指1そして指5を浮かすようにするとスーと第一、二、三と切り替わり、比較できると思います。 |
woodwind 図書館長 2006/05/27 19:09 |
☆オクターブが合わないのはとても困りますよね。結局2号機の細管トラベルソは中断ということになりました。原因はオクターブが合わないことと十分な鳴りを得られなかったことです。結構ショックを受けたのでしばらく放置するつもりです。また気がむき出したら再チャレンジするかもしれませんが。 |
オーボエ好き 2006/05/28 08:50 |
●スピネットの記事を見て頂いて有り難う御座いました。 |
チッチの父 2006/05/28 09:23 |
●オーボエ好きさん、オクターブ問題でしばらく放置とのこと。現在、あるモデルの上管を新規設計し試作したら、オクターブ問題にぶち当たりました。原因は、ボアの削りすぎと想像するも、頭で考えるのと逆の現象で困っています。やはり関連するパラメータが多く、複雑ですね。 |
woodwind 図書館長 2006/05/28 11:01 |
●チッチの父さん、きれいな杢はマホガニーのものだったのですね。 |
woodwind 図書館長 2006/05/28 11:06 |
woodwind様 |
オーボエ好き 2006/05/28 21:12 |
●内径バランスがクバンツの場合と逆とのことですが、細管トラベルソととですよね。オーボエと比較しているのはないですね。オーボエではテーパーが逆。わたしは、現在、両方同時にやっていて、頭とは逆な現象に遭遇。おちついて考察します。 |
woodwind 図書館長 2006/05/29 07:28 |
☆言葉足らずですみません。細管トラベルソとの比較のことです。私の遭遇した問題は上管のボアを大きく作ったのに上管のオクターブが狭くなり、右手管のオクターブはとても広くなりました。お互いにヒントになるかもしれないので考えてることを書いておきます。いつもながら物理的知識は乏しく且つかなり妄想なのでご注意下さい。 |
オーボエ好き 2006/05/29 21:03 |
続き: |
オーボエ好き 2006/05/29 21:05 |
●オーボエ好きさん、いろいろと悩まれているご様子。よくわかります。 |
woodwind 図書館長 2006/05/31 07:56 |
☆毎度のこと絶対値を記入せず、失礼しました。絶対値は以前書き込まさせて頂いたもので、以下です。 |
オーボエ好き 2006/05/31 20:27 |
●データありがとうございます。4月3日の記事におけるコメントのデータのことですね。グラフを描き検討しました。完全な条件が分かりませんが、一般的のコメントを差し上げます。 |
woodwind 図書館長 2006/06/01 08:23 |
コメントありがとうございます。 |
オーボエ好き 2006/06/01 18:08 |
●427hzの管をどうされようとしたのでしょう。意図が分かりません。とくに、「上管を太くしたので、下管が全体に細くなっている」のところが分かりません。「下管は細くはありません、上管が太いだけ」の発想で考えないと理解しにくいと思います。上管だけでなく頭部管を太くしていませんか。頭部管を太くすると、全体のピッチが下がります。上管の頭部管延長部も同じ。ただこのようにするとMidDが高くなります。 |
woodwind 図書館長 2006/06/02 05:45 |
☆427hzの管を収縮を考慮に入れて広げて製作するつもりでした。415hzでの計測はその時点でのアンダーカット量に影響されて、その辺りを基準にした方が見やすい数値表になると考えたからです。 |
オーボエ好き 2006/06/02 09:19 |
●オーボエ好きさん、いろいろ混乱されている様子。自分自身にも当てはまる思いです。 |
woodwind 図書館長 2006/06/04 20:06 |
☆Mid D問題の解決おめでとうございます。先を進んでいる方がいらっしゃるのはとてもありがたいです。また情報を提供し、説明してくださることに関しては筆舌に尽くし難い感謝を感じています。 |
オーボエ好き 2006/06/05 08:53 |
●過去の記事に取り上げましたが、9年ほど前、わたしがトラベルソを作り始めたころ、第一作目の楽器を手にして、ロンドンの国際古楽展示会に参加したときのこと。そのトラベルソはMidD音がどうしても低かったのです。ある製作家に見せたところ、彼は、楽器のボアに指を差しこみ、すかさずこう言いました、「ここのところと、このあたりを削るとずいぶん良くなると思うよ。」 |
woodwind 図書館長 2006/06/05 18:45 |
☆アドバイスと貴重な情報ありがとうございました。 |
オーボエ好き 2006/06/06 14:39 |
●アドバイスがお役に立てた様子で、わたしも、大変うれしく思います。 |
woodwind 図書館長 2006/06/06 21:02 |
☆今日は少々冷静さを取り戻しつつあります。コンサートの時のハイテンション状態が持続しておりまして、1日に4-5時間トラベルソを吹いていないと落ち着かない状態を過ごしています。そのせいで昨夜から気管支炎っぽいです。週末には落ち着けるのではないかと思います。重ねてアドバイスに御礼を申し上げます。 |
オーボエ好き 2006/06/07 08:40 |
●気管支炎っぽいのは良くありません。そういう時は、我慢して吹くのを止めて、計画側に廻るとか図面を書くとかにまわした方がよさそう。 |
woodwind 図書館長 2006/06/08 07:21 |
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