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zoom RSS 化粧箱つくりは、直角出しが決め手です

<<   作成日時 : 2006/06/01 07:38   >>

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画像楽器のつくり方 (58) 2006/6/1

木管楽器を安全に保管するための化粧箱をつくってみましょう。

楽器は、大切に扱う必要があります。 使用時もそうですが、保管や持ち運ぶときもそう。

保管は、温度や湿度の変化に耐え、かつ外部からの圧力で痛まないようにすることが必要ですね。 一般には、この目的のためにはハードケースが用いられますが、ハードケースは、さらに持ち運べるようにしています。

ここでは、保管の目的だけを取り上げます。 多くの楽器を所有すると、それらを重ねて保管したくなります。 布製などの袋状のロールに楽器をしまうものがありますが、保管のためにはやや不便。 保管は、箱状が便利。

木製の「箱」つくりの文化は、世界各国にあります。 共通して言えることは、正確な「直線・直角」を保つこと。

四角い形をしたものは、角度90度を基本としています。 閉めたとき、ピッタリ閉まるのは、この直角出しと、正確な寸法精度があればこそ。

比較的簡単につくれる、化粧箱のつくり方を取り上げてみました。

フォトは、トラベルソを保管するための化粧箱をつくっている途中の図。 合わせて、主な必要工具を示しています。

●使用材

DIY店には、工作用に製材した薄い木の板とか、角棒が売られています。 かなり高い精度に、直線・直角に加工されています。 これを使わない手はありません。

@上と下蓋用の薄板: アガチス 3o厚 x 幅150o。 長さは600oのものから切り出して使用。

A上蓋周囲枠用の角材: ヒノキ 8o x 15o。 同上。

B下蓋周囲枠用の角材: ヒノキ 8o x 20o。 同上。

C下蓋(本体)の仕切り用の角材: ヒノキ 4o x 20o。 同上。

D下蓋(本体)のサイド当て板用の角材: ヒノキ 4o x 15o と 8o x 15o。 同上。

●留め金具類 (フォト手前)

E金色飾りと留め金具: 2個使用。

F金色の蝶番(ちょうつがい): 2個使用。

●主な工具類 (フォト右下から)

G高速ヤスリ: 荒削りと仕上げ用の両面が特殊な刃を持ち、通常のヤスリの5倍の速さで加工できる。 仕上げ用は、#200のサンド・ペーパー並みの仕上がり。

H精密鋸(のこぎり): 薄い刃で、高速に、細かな作業に向いている。

I曲尺(かねじゃく): 直角出しに必要。 小型で便利。 英国産でインチ表示も:曲尺でなく、金インチ(曲インチ)と言うべきか??

J木工用接着剤: 先の細いものが便利。

●つくり方

箱の幅(275o)に、@の薄板、ABの枠をHを用いて正確に切り出します。 墨入れ(鉛筆入れ)の線引きには、Iの曲尺を使用。

少しの長さの狂いは、Gのヤスリで仕上げます。 なるべく直角になるように。

箱の奥行き方向の枠は、幅方向の両端枠の分 8mm x 2 = 16mmを差し引いた長さに、同様にして切り出します

これらをJの接着剤で留めて、上下の蓋の形が完成。 次に、上下の蓋をピッタリと合わせ、手で押さえながら、1o以内の各部の出っ張りを、Gを用いて削り、寸分なく「箱」となるように仕上げます。

Cの仕切り用の各材(板)は、楽器の現物を当てながら位置を決め、必要な長さに切り出します。 一部のものは、やや斜めになっている点に注意。

サイド当ても現物に合わせ、切り出します。

これらには、I曲尺、H精密鋸、I高速ヤスリを使用し、直角出しを意識して進めます。

Jの木工用接着剤で留めます。

最後に、サンドペーパーを当て、その後、外側のほか内側にもオイリングを施します。 フォトでは、レモングラス・オイルを使用。

これら、上蓋と下蓋(本体)が完成したら、F蝶番で上下をつなぎ、Gの飾り留め具をつけて箱が完成します。

箱つくりは、職人さんの世界。 でも、加工材を用いて工夫すれば、かなりな精度の箱をつくることができるようになります・・・。


【関連記事】  青字クリックで記事へジャンプします。

●化粧箱の例: 出てくる音はオリジナル?それとも、オリジナル? 


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
箱までお作りになるんですね。
何か困ったことがあったら(笑い)、何なりとおたずね下さい。
私の方は、次はポルタティーフ・オルガンの製作を考えています。
今気になっているのが、パイプの太さと長さの兼ね合いです。
チッチの父
2006/06/01 08:36
●チッチの父さん、早速のコメントありがとうございます。
●化粧箱と言っても、お恥ずかしいばかりの、ちょっとした工程しか必要ないものです。チッチの父さんのような本格的な技術は持ち合わせていません。困ったときは、即相談させていただきます。
●ところで、読者の方の中には、工作では初心者のかたもいらっしゃるでしょう。その方のためのも、大変な技術を要するものより、簡単でそれなりに仕上がるものを紹介したかったわけです・・アハハ。
●ポルタティーブオルガン:いいですねー。わたしも以前に出しました記事にあるメンズールを基本になさるのはどうでしょう。
●パイプは金属管それとも木管ですか。先日、甲府の古楽コンクールの楽器展示会にてオルガンの中を見せてもらいました。四角い木管ですが、音程の調整のために、まあさまざまなことをしていました。
woodwind 図書館長
2006/06/01 09:07
自作トラベルソ用に箱も作りましたが、直角を出すところが難しかったです。
今はオーボエのためにもハードケースを作りたいと考えていますが、woodwind様は自作オーボエのためのケースはどうされていますか?
オーボエ好き
2006/06/01 17:56
●箱作も、数作るうちにだんだんとそれらしくなってきたのが実体です。
●オーボエ用は、今製作を開始するところ。材料を買ってきました。それまでは、100円ショップの適当な(長さのほか、「高さ」がある)プラスティックのケースを用いて、立体的に、発泡スチロールを用いてつくったのが最初で、これはこれでうまくいっています。
●今後は、中の立体は「バルサ材」で作る予定。さて、どうなりますことやら・・
woodwind 図書館長
2006/06/02 05:26

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