オリジナルのトラベルソで演奏を楽しむとき、合奏の場面で音の高さ(ピッチ)が問題となり、困ることがあります。バロック時代から現代に至るまで、国・地域によりさまざまなピッチが用いられきたことに関係します。 オリジナルのトラベルソ、しかも程度が良く演奏に耐えるものを入手ができれば、それは大きな喜びでしょう。 でも、仲間と合奏する場合、そのピッチが必ずしも合うとは限りません。 オリジナル楽器のピッチが、A=403HzとかA=410Hz、あるいはA=420HzやA=425Hzなど、バラバラなためです。 ソロで演奏する場合を除き、何らかの方法で互いのピッチを合わせる必要があります。 高い場合には、4Hzぐらいまでなら、上管を頭部管から少し抜いて合わせられます。 逆に、低いときは困ります。 上管を少し切り詰めて、高くすることはできそうですが、オリジナルの楽器をむやみに改造しない方がよさそう。 オリジナル楽器をモデルとして、作られるコピー楽器では、便宜上のピッチの標準化がなされました。 現代の歴史的木管楽器の製作家は、オリジナルピッチで製作するほか、以下の標準ピッチに合わせることが普通となってきています。 ●バロックピッチ A=415Hz ●クラシカルピッチ A=430Hz ●モダンピッチ A=440Hz (現在の標準) 通常、トラベルソのピッチ替えは、長さの異なる上管をいくつか用意します。 でも広い範囲にわたりピッチを変えるためには、下管の長さが一定では無理があります。 フォトは、これら異なる標準ピッチを1本のトラベルソと、「上下の替え管のペア」とで実現したものです。 ペアの替え管とすることで、無理なく異なるピッチに対応できます。 A=430Hzのクラシカルピッチの替え管は、クラシカル音楽の演奏グループと、また、A=440Hzのモダンピッチの替え管は、モダンピッチにてバロック音楽を演奏するグループと合わせる場面で用います。 ちなみに、フォトは、1740年ごろのSchuchart作のコピーで、それぞれの替え間ペア(上管+下管)のアコースティック長を、以下のように設計しています。 ●バロックピッチ 287mm (-25Hz: +33mm) ●クラシカルピッチ 266mm (-10Hz: +12mm) ●モダンピッチ 254mm (標準) ピッチが高くなるほど、長さは短くなります。 吹きなれた頭部管を用い、替え管ペアを3組保有して、いろんな場面で演奏を楽しむのはいかがでしょう・・・ 【関連記事】 青字クリックでその記事におジャンプします。 ●バロックとモダンの両刀遣いのトラベルソ ●クラシックのトラベルソの替え管はいかが ●トラベルソは、替え管で特性が変わります ●木管のピッチはどうやれば代わるのでしょう |
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