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zoom RSS リコーダーのブロックを少しずつはめ込みましょう

<<   作成日時 : 2007/05/20 11:51   >>

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画像楽器のつくり方 (75) 2007/5/20

リコダーの頭部管には、ブロック(栓)がはめ込まれています。

リコーダー (英:: recorder) は、ドイツ語でブロック・フレーテ (Blockfloete) 。 ブロックがはめ込まれたフルートの意味ですね。

ブロックは、頭部管に削った溝とでチャネルを構成し、吹き込む息がチャネルを通して、クサビ状のエッジに当たります。 チャネル底面は、はめ込んだブロックの天井により形成されます。

リコーダ頭部管の構造はやや複雑。 詳細を、→こちらで紹介しました。

前回までのリコーダーつくりの工程は、以下を参照下さい:

●Stage1: ウィンドウェイのリーミング (詳細は→こちら
●Stage2: エッジ用の窓あけ (詳細は→こちら
●Stage3: ウィンドウェイの溝掘りの準備 (詳細は→こちら
●Stage4: ウィンドウェイの溝掘り (詳細は→こちら
●Stage5: ランプ削り (詳細は→こちら

今回は、ブロックつくりとはめ込みを取り上げましょう。

Stage6: ブロックのはめ込み

ブロックの材質ですが、伝統的にレッド・シーダー(赤杉)が用いられてきました。 この木は、鋸で挽くとき、こころよい独特の香りがします。

チャネルに息を通すと、息の中の水分がチャネルに付着して溜まり、リコーダーの音色を害し、演奏を困難とします。

演奏家や愛好家は、人差し指の腹で「窓」の部分を閉じ、不要な音が出ないようにしながら息を強く吹き込み、溜まった水分を吹き飛ばします。

頭部管本体の材質は、硬くて緻密な硬材。 掘られた溝で形成されるチャネルの天井と側部は、水分を十分に吸収しません。

一方、チャネル底部を構成するブロックに、水分を吸収しやすい材料を選ぶと、ある程度水分問題を回避できます。

レッド・シーダーが永年使用されてきたのも、水分を吸収しながら膨張も少ない性質を持ち合わせているからでしょう。

一部の楽器メーカーでは、水分を吸収しやすいセメント材を用いた時期がありましたが、天然材のレッド・シーダーに戻したようです。

フォトは、ブロックのつくり方と、はめ込む様子。 (フォトをクリック、現れたウィンドウ上のフォトの右下のコーナーに現れる拡大アイコンをクリックすると、拡大して詳細を見rことができます)

左端手前が、ブロックの完成の姿。 上部に凸部があり、その他の部分は円筒状の、きわめて特殊な形状。 これをどうやってつくるか?

フォトの左端の奥に、ブロック個片を示します。 撮影のため、レモングラス・オイルを塗りましたが、実際には水分を吸収させるのが目的ですから、オイリングはしません。

個片のつくり方ですが レッド・シーダー材を木工旋盤で丸材にします。 所定の長さより長めに、また径を頭部管の内径よりも大きく切り出します。

両端の削り取りが要(かなめ)。 削り取る部分の長さ(幅)は適当。 ただし、径は、頭部管のリーミング寸法に正確に合わせます。 

凸部の位置を鉛筆で卦がき、木工作業台のバイスあるいは万力で固定します。

両端部の役目は、凸部以外の円筒状の径を正確に仕上げるための「ガイド」。 ガイド寸法に達するまで、木工ヤスリを用いて慎重に削ります。

フォトは、高速ヤスリと平ヤスリ2本。 高速ヤスリは、目詰まりも起こさず快適に削れます。 と言うのも、レッド・シーダーは針葉樹のソフトウッド(軟材)。 簡単に削れ過ぎるあまり、削りすぎに注意が必要。

この削り作業は、いわゆる「合わせ工事」。 頭部管にはめ込み、所定のところに届くまで、少し削っては、はめ込みます。 その繰り返しのたびに、頭部管ソケット側から、適当な棒でブロック個片を叩いて抜出します。 微妙な作業ですから、高速ヤスリでなく、順に目の細かな平ヤスリで追い込みます。

さらに右手側は、この作業をある程度終えた頭部管の様子。

フォトの右端は、コピー対象としたメーカー製(完成品)。 最終形状が分かるよう、参考までにブロックを抜き、途中まで差し込んでいます。

凸部は、チャネルの底面。 凸部の上面(天井)がチャネルの高さを決めるファクター。 チャネル高さを確認しながら、少しアーチを描くようにヤスリで削ります。 最終調整は、後のステップでのボイシングで行います。 ここでは、削りは控えめにします。

所定のところまではめ込みが済むと、そのところで精密ノコで切り落とします。

この段階では、まだくちばしの形にはなっていませんが、息を吹き込むと何かしらの音が出るようになります。


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