楽器のつくり方 (76) 2007/5/26木には、乾燥が欠かせません(→こちらを参照)。 十分な乾燥をさせずに木管楽器をつくると、後になって徐々に変形します。 丸いはずの管が楕円になったり、真っ直ぐな管が曲がります(→こちらを参照)。 変形度合いは、木の種類による乾燥の速さばかりか、木取りにも大きく関係します。 木は伐採され、枝を刈られ、丸太の原木にて自然乾燥されます。 原木から、柱、テーブル天板、ギターの表裏イタ、板材、角材などに最も適するよう、目利きをして木取りを行います。 柱では、芯(木の年輪の中心)持ちにするとか、芯を外して貴重な四方柾目(四つの面が全て柾目:縦に走る平行線の木目)を取るとか。 残った端材を薄い板や細い角材に製材します。 柱以外では、一般に板状の挽材にします。 そして細木で隙間をあけ、重ねて自然乾燥を続けます。 乾燥が速く進む木口には、急激な乾燥を抑える蝋を塗ります。 バロック木管楽器では、オーボエ、トラベルソ、クラリネット、リコーダー用に1-1/4インチ(32o)〜1-1/2インチ(38o)の角材が適します。 リコーダーの場合は、さらに頭部管と足管用として1-3/4インチ(45o)〜2インチ(50o)が、またクラリネットやオーボエのベルには、2-1/2インチ(63o)〜3インチ(76o)の角材が適します。 したがって、厚さ 35/40/45/50/65/70/75o の板材か、35□/40□/45□/50□/65□/70□/75□の角材を入手することとなります。 板材の場合は、さらに乾燥を続け、後で角材にする方法と、先に角材にし乾燥する方法とがあります。 空気に触れる表面から乾燥させるので、触れる面積が大きいほど適し、後者が良いと言えるでしょう。 木材業者から板材を入手する際に、それまでの乾燥過程と期間を尋ねることが重要。 原木、挽材、板材での乾燥期間を把握できれば、入手後に必要な乾燥期間の目安が得られます。 一般に、自然乾燥で10年。 フォトは、業者から角材でなく板材で入手した4種の材。 乾燥期間でどのくらい変形するか、左から順に見てゆきましょう。 フォトをクリック。 新ウィンドウ中のフォト右下に現れる拡大アイコンをクリック。 拡大すると木口の年輪など、詳細を見ることができます。 ●キングウッド(ブラジル産): 全長720o、乾燥2〜3年 - 購入する際、業者に縦に切断し、角材にしてもらったもの - 切断し、空気に触れさせ1ヶ月 - 木口の年輪から分かるように、左側は柾目に近く、右側は芯寄り材 - 左側は木理が真っ直ぐ、右側は木理がかなり屈折 - 屈折した右側は、空気に触れると暴れ始め、 中央では、右側の黄楊に接する方向に湾曲 - 真っ直ぐな左側と、湾曲した右側との間に隙間が見え、その量3.8o - 屈折量の全長に対する比率: 0.52% ●黄楊(中国産): 全長1060o、乾燥数年 - 木理は、かなり真っ直ぐ - 板材を購入し、手挽きにより半分に切断して角材を得る予定 - 各所の真ん中に印を付け、鋸挽き用のガイド線を鉛筆書き - フォトでは、鉛筆書きが右方向にスライス(ゴルフ用語)しています - 平らな床に置いたとき、浮き上がる屈折量は、3.5o - 屈折量の全長に対する比率: 0.33% ●本紫檀(ラオス産): 全長820o、乾燥30年 - 板材ものを購入する際、業者に縦に切断し角材にしてもらった4本の中の2本 - 左右とも木理はやや屈折している - にもかかわらず、切断し空気に触れ1年経つも、曲がりは極小 - 奥の方でピッタリと木目が合い、手前でごくわずか離れる - 離れる量は、1o以内 - 屈折量の全長に対する比率: 0.12%以下 - さすがに30年ものと分かる - ただし、角材4本のうちフォト外で木理が屈折した1本は、 30年ものと言えど、空気に触れてすぐに暴れた ●黄楊(ミャンマー産): 全長1056o、乾燥数年 - 木理は真っ直ぐ - 板材を購入し、自分で手挽きで角材に(木口で故意に0.5oずらして撮影) - 各所の真ん中にガイド線を鉛筆書きし切断: たいへん骨が折れました(→こちらを参照) - 平らな床に置いたとき、浮き上がる屈折量は、1.4o - 屈折量の全長に対する比率: 0.13% これらから、目的寸法の乾燥角材を購入するか、板材なら角材にしてから乾燥させるのが良いこと、また、できる限り木理が真っ直ぐで、四面柾目に近いものを入手すると良いことが分かります。 目的の木管モデルを決め、各部の長さに切断したあと丸材加工(→こちら)と、ガイド穴あけ(→こちら)を終えてから乾燥させると、穴あけ丸材の外と内から乾燥するので、期間を短縮できます。 いずれにせよ、乾燥過程で暴れるものは暴れさせます。 作品をつくる際に、再び外形丸削りとリーミングを行い、曲がりを取るようにすると良いでしょう。 バロック木管、たとえばA=392Hzのトラベルソ1本をつくるに必要な材の全長は、780o。 この長さの材から、頭部管、上管、下管、足管へと木目の流れが自然につながるよう、各部に「上」と印をつけて木取りを行う(→こちら)と、各部は同じ方向に揃って曲がります。 十分な乾燥がなく、屈折率0.52%で、長さ780oの材を用いるとどうなるでしょう。 湾曲は、4oにもなり、目で見てすぐ分かるほどです・・・・ 【関連記事】 青字クリックにて記事へジャンプします。 ●木には乾燥が欠かせません ●曲がったクラリネットってありますか(その2) ●バロック木管の木材の鋸挽きは骨が折れます ●黄楊材の魅力いろいろ ●丸材の中心に、ガイド穴をあけましょう ●木取りした角材を、つぎは丸材にします ●木管つくりは、木取りから始めましょう |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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woodwindさまこんにちは。 |
オーボエ好き 2007/05/28 13:51 |
オーボエ好きさん、こんばんは。 |
woodwind 図書館長 2007/05/28 22:00 |
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