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zoom RSS センタ・ファインダをご存知でしょうか

<<   作成日時 : 2007/09/08 10:52   >>

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画像楽器のつくり方 (83) 2007/9/8

あると便利なものに、センタ・ファインダがあります。

文字どおり、中心を見出す器具です。

何に使用するかと言えば、一般に、木工旋盤 wood turning 作業。

木工旋盤の作業、あるいは木材のろくろ作業は、古今東西あります。 木を丸く削るのに、回転させた木材にバイト(刃物)を当てると丸く削れるってわけ。

日本では、代表的なものとして、こけしや木皿があります。 西洋では、チェスの駒、バイオリンのペグ、野球のバット、ビリヤードのキュー、胡椒・食卓塩入れ、椅子の脚、階段の柱などなど、応用は計り知れません。

この木工旋盤ですが、バロック木管つくりでは必須アイテムとなります。

一般に、旋盤の主軸台 head stock には、モーター駆動の回転軸に固定センターを取り付け、反対側の芯押し台 tail stock には、固定/回転センターを取り付けます。(固定/回転センターは、→こちらを参照)

そして両方向から材をはさみ、いわゆるセンター間削りを行います。 (センター間削りの様子は、→こちら

両センター間は、旋盤の台 bead に対し水平の同軸上(正確には、ごくわずか段差を設けています)にあり、この軸を中心に回転します。 回転する材に刃物を当てると、回転軸の中心から一定のところにある刃物の先できまる距離より大きな材の部分が削られ、その距離を半径とする円ができます。

バロック木管つくりは、このことを応用しています。

一方、使用される木材ですが、一般に、その半径で決まる円のサイズより大きめの角材を用います。

フォトは、その角材を示す例です。 左は、黄楊。 右は、キング・ウッド(バイオレッド・ウッド)です。 いずれも、1.5インチ 38mm 角(□)ほどです。 36o〜41o。

オトテールのトラベルソの頭部管と中部管用に木取り・木組みしたものです。(木取り・木組みは、→こちら

問題は、これら角材から、可能な限り太い丸材を得ること。 (丸材は、→こちらを参照)

断面が正確に正方形/長方形に製材されたものであれば、短いほうの辺の長さを直径とする丸材が取れます。

ところが、使用する木材には乾燥が欠かせません。 乾燥の結果、材から水分が抜け収縮しますが、年輪が見える木の断面の箇所により収縮度合いが異なります。 結果として断面は例えば、ひし形のようになります。(→こちらを参照) また、木の軸(縦)方向における収縮度合いにより、ゆがみ(→こちら)が生じたり、繊維の回転方向収縮度合いによりねじれ(ツイスト)も起こります。

そこで、断面がひし形とか台形など、いびつになった材からできる限り太い丸材を確保することが必要になります。

センタ・ファインダは、その最大径の円の中心を見つけるもの。 乾燥材が、正方形/長方形のままであれば、2本の対角線を引き、その交点を求めれば、その点を回転軸にあわせると事足ります。

でも、いびつになった断面では、対角線も2本ではなく4本とれ、それらの交点は4つとなります。 その断面から、最大径の円が入る「中心」を得るため、4つの交点を含む4本の対角線でできる「井型」の中心を求めます。

定規で、対角線を引くことでもOKですが、より早く中心を求めるための器具が、センタ・ファインダ。

フォト右の、黄色いプラスティック製の定規で、両面使えます:

●表面:直角の2等分線
●裏面:鋭角の2等分線

を引くための定規となる、「切り欠き」があります。

器具のいずれかの面を使い、木材の4つ角にあてがい、2等分線上の定規部分を鉛筆で線引きします。 (ゆがみのない正方形では、90度ずれた隣り合う2つの角でOK)

フォトをクリックし、現れるウィンドウにて拡大し、木口に現れた「井型」をご覧ください。

左の黄楊の方が分かりやすいでしょう。 前面木口に小さな「井型」が現れていますね。 この「井型」の中心を目分量で測り、フォトの上のポンチをカナヅチで叩いて穴状の印をつけます。

反対側の木口も同様にして中心を求め凹みの印をつけます。

これらの穴状の凹みに合わせて、主軸台の固定センタと、芯押し台の固定/回転センタとで挟み、センター間削りを行います。

一般に、乾燥角材では、軸方向でもゆがみやねじれがあります。

この場合でも、両端木口で求めた中心を回転軸に合わせます。 ただ、両端で最大径円が得られるからと言って、真ん中あたりで同様な円が得られるとは限りません。 細くて小さな径の丸材しか取れないことも多々あるのです。 このため、マージンを取った大き目の角材を使用することが望ましいのです。

また、木管つくりの場面では、所要長さで切断することがあります。 このとき、突っ切りバイトで切断した断面には中心の凹みの印はありません。

片側が平面となった材の加工では、「なくなった」中心を再び求めます。 この場合、断面は円ですから、センタ・ファインダで簡単に中心が求められます。 適当な2箇所で2等分線を引き、交点を求めるだけです。


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
もっぱら直線定規で対角線を引いています。
この定規があれば便利ですね。
オーボエ好き
2007/09/12 21:07
そうですね、オーボエ好きさん。
●直線定規も用いますが、その場合手がもう1本ほしくなる。角材を固定すれば、両の手があくのですが、横着なもんで、左手の3本指で材を支え、2本で定規を当てて、線を引きます。硬材の木口がすべって上手くゆきません。センタファイダはその点、ずっとましで両手で十分。
●2本の対角線は、木口が台形のとき問題。交点では、短い辺側寄りとなり、長い辺側にスペースがあきます・・丸材直径を1mmでも太くしたいものですよね。
woodwind 図書館長
2007/09/13 22:19
☆次買う道具はこれに決まりました。
☆そうです。丸材の直径は最大にしたいです。僕は45角を使っていますが、
これくらい太くても最大を得たいと思います。
オーボエ好き
2007/09/15 22:26
●45o□は、結構余裕がありますね。オーボエやトラベルソでは、あまり問題が表れにくいです。
●ところが、リコーダーの場合、意外とフット・ジョイントが太いです。A=440Hz用でも43o必要で、A=403Hzなど、オリジナル楽器の復元では足りません。
●一方、曲げ、ねじれのある長い角材を丸材にするときは、真ん中あたりでマージンが少なくなり精神衛生上悪いですよね。
●フォトのオトテールの中部管は長さが結構あり、オーボエ好きさんが、別の記事へのコメント欄で紹介された、シンプルシステムのフルート製作と同様、旋盤のベッドの長さが気になってきますね。私の木工旋盤は、24インチ=芯間60cm。仕方がないから、両方向から作業しています。36インチを超えるベッドと、45cmのロングドリルがあればいいのでしょうが。
woodwind 図書館長
2007/09/16 08:50

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