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help リーダーに追加 RSS バロックオーボエ:「黄金率」の不思議

<<   作成日時 : 2007/09/15 23:51   >>

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画像バロックオーボエについて、以前から不思議だなあと思うことがあります。

上管と下管の長さが同じなのです。

バロックオーボエをつくろうと思うとき、どのモデルにしようかと考えます。 あたらしいモデルを復元するときの、楽しい時間のひととき。

図面を眺め、必要な木材が確保できるかチェックします。

とくに長い材の入手がやや困難な欧州黄楊では、長さが足りるかどうかが気になります。 そしてベル。 ベルは長さより、必要とする径が取れるかどうか。 上管、下管とも双方向の同心確保の工程にマージンが必要で、A=415Hz でぎりぎり 10インチ 254mm、A=392Hzで 10.5インチ 267mm ほどの材を確保します。(→こちらを参照)

最初のテーマに戻り、上管と下管の長さは同じ。 では、ベルの長さはどうでしょう。 構えた姿を横から見ると、両手は上の方をつまみ、ベルは結構下に長く伸びています。

これらの長さの比率は、およそ 5 : 5 : 3.1 。

5 : 3.1 、あるいは ( 5 + 5 + 3.1 ) : ( 5 + 3.1 ) は、とても美しく感じる比率であり、自然界にも多く存在する、「黄金率」。

「黄金率」について、少し詳しく見てゆきましょう。

今流行の、薄型TVのように横長の長方形をイメージください。 その短辺(縦の長さ) = a と長辺(横の長さ) = b の比が次の式を満たす、 a : b のことを「黄金率」、または「黄金比」と呼びます:

   a : b = b : ( a + b )

これを満たすものは、 1 : ( 1 + √5 ) / 2 で、数値で表すと近似値ですが、

   1 : 1.618

これはまた、 0.618 : 1 でもあり、 また 1.618 : 2.618 でもあります。

さらに、 ( -1 + √5 ) / 2 : 1 = 1 : ( 1 + √5 ) / 2 = ( 1 + √5 ) / 2 : ( 3 + √5 ) / 2 ・・ と数学的に、とても美しい関係を保ちます。

「黄金率」は、五角形・星形★の幾何学、準結晶、葉の並び、オウムガイ・巻貝など自然界に見出され、古くは、古代ギリシャのパルテノン神殿の構図、そして絵画の構図、そして現代ではほぼ名刺の縦横比に採り入れられてきました。

レオナルド・ダビンチ。 15世紀〜16世紀初、イタリア・ルネサンスの科学者・画家で、「最後の晩餐」や「モナリザの微笑み」ほか多くの絵画を残しました。

絵画の構図には、美しい比率や構図法を採り入れたばかりか、科学者として多くの発見的考察・考案も残しました。

人体の骨格につき入念に調べ、随所がほぼ「黄金率:黄金比」で構成されることを実証しました:

●腕の長さ: (肩から指先まで):(ひじから指先まで) = 1.618 : 1
●手足の関節: 指を折り曲げると分かる3部分の比 = 1.618 : 1.618 : 1
●脚の長さ: (腰から足の先):(ひざから足の先まで) = 1.618 : 1

ルネサンスの美的意識が、バロックにも引き継がれる文化背景があったとすれば、バロックオーボエにも、見た目に美しいバランスを引き出す「黄金率」に基づき製作されたのではないかと思うのです。

 1.618 : 1.618 : 1 、すなわち 1 : 1 : 0.618 。  5倍すると、 5 : 5 : 3.09 。

フォトに、手持ちのオーボエを並べてみました。 左から順に:

@ コーザック    T. Cahusac Sr 初期クラシカル (わたしの作品→こちら)
A デンナー     J. Denner バロック(メック社のB17)
B モダン       リグータ社のRIECシンフォニー
C アイヒェントップ  Eichentopf のダモーレ(わたしの作品→こちら)

これらの物理長比と、組み立てたときの(テノンを除く)概観比を計測すると、それぞれ:

@ コーザック     5 : 5 : 3.1 / 5.1 : 5 : 3.6 
A デンナー      5 : 5 : 3.3 / 5 : 5 : 3.7
B モダン       5 : 5 : 2.6 / 5 : 5 : 2.7
C アイヒェントップ  5 : 5 : 2.1 / 5 : 5 : 24

結果は、バロックとクラシカルの物理比が「黄金率」に近いことが分かりました。

モダンでは「黄金率」からかけ離れています。 また、ダモーレはベルが短く、ある意味寸詰まり。 しかし結果として、重量バランス上持ち重りがしません(→こちらを参照)。 でも、上管と下管の長さは同じであり、それを意識して収める化粧箱を設計できます(→こちらも参照)。

見た目の美しさは、組み立てたときの概観に現れますが、こちらの方は、黄金率より少しベルが長め。 およそ、 5 : 3.5 。 それならば、「黄金率」に順ずる、「白銀率」。

「白銀率」も、不思議な比率で、正方形の対角線と一辺の比:

  √2 : 1 = 1.414 : 1 、あるいは 1 : 1/√2 = 1 : 0.707 。  5倍すると、 5 : 3.535 。

丸太の直径と、そこから取れる最大の正方形の角材の辺の比率。 また、角材の対角線と、そこから取れる最大径の丸材の直径の比率です。

また、標準用紙のA版、あるいはB版の縦横比。 用紙を半分に切っても、その比率が変わらない性質があります。 A0を順に半分に折り続けると、A1、A2、A3、A4、A5、A6となります。 

これら物理長比や、概観長比が、「黄金率」 ( 5 : 5: 3.1 ) や、「白銀率」 ( 5 : 5 : 3.5 ) で設計されているのか、他のオーボエも調べました:

Dステンズビー(ローピッチ)   4.8 : 5 : 3.1 / 5 : 5 : 3.6
Eビゼー(ローピッチ)       5 : 5 : 3.2 / 5 : 5 : 3.7
Fグルントマン(クラシカル)    4.9 : 5 : 3.1 / 4.9 : 5 : 3.5
Gグレンザー(クラシカル)    4.9 : 5 : 3.1 / 5.1 : 5 : 3.5
Hウィネン(クラシカル)      5.1 : 5 : 3.3 / 5.2 : 5 : 3.6
Iウィーネ(バロック・テナー)   5 : 5 : 2.9  /  5 : 5 : 3.2
 
ウィーネ Wijne のテナー・オーボエは、さすがに全長が長くてベルは短め。 それ以外は、ほぼそのようになっていました。 

当時の製作家が、この美意識をもって、これら不思議な比率を採用したのかどうか、聴けるものなら聴いてみたい気がしませんか・・・

[余談] 本ブログを書き始め、今回は、155番目の記事。
 今回の、おしゃべり閲覧室は、37番目。 さらに、テーマごとに良く調べてみると、

  ● (おしゃべり閲覧室 37) + (楽器の書棚 22) = 59
  ● (楽器のつくり方 83) + (ようこそ 9) + (お譲りコーナー 1) +
       (お貸出しカウンター 1) + (リンク集 1) + (文献集 1) = 96

 それらの比は、 59 : 96 = 0.615 : 1 。 限りなく、「黄金率」 0.618 : 1 となっていました。


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コメント(23件)

内 容 ニックネーム/日時
とても興味深いですね。
白銀率は初めて知りました!
当時の製作家がどう考えていたのか、
ノートでも残っていれば貴重な資料ですね。

バロックオーボエについても大分見当が付く様になってきましたが、
新たな発見もまだまだあると思います。
自作Steady Restができたので、クラシカルオーボエもチャレンジしたいところです。
今はQuantzトラベルソの外径をオリジナルサイズで製作しており、装飾も施しています。唄口を開けるためにオイルの乾燥を待っているところです。
オーボエ好き
2007/09/16 17:19
オーボエ好きさん、こんにちは。
●バロックオーボエも見当が付くようになられたとのこと、いいですねー。わたしは、いつまでも分からないことが続いています。これは、トラベルソでも同じで、分かったつもりでも、再び分からなくなると言う繰返し・・。
●クヴァンツのトラベルソ、材は何ですか。わたしは、今トラベルソを、黄楊・エボニー・ヴァイオレットウッドの3種で同時に作っています。同時につくると、異なる材の違いが分かるほか、作業効率は上がるように感じます。
woodwind 図書館長
2007/09/16 18:05
☆同時に2本の製作ならばバロックオーボエでやりました。
材質はハードメープルですが、出所の異なるものを使用しました。
やはり作業効率は上がっていたように思います。また作業を能率化しようとする傾向が出てくるようです。
☆Quantzはこれまで同様ココボロです。他の材を試したいのですが、すぐにと言う訳にはなかなかいきません。材に関しては数年の乾燥期間を考慮して今から買っておかないとと思います。
オーボエ好き
2007/09/16 21:28
オーボエ好きさん、おはようございます。
●ハードメープルの加工性はどうですか?加工しやすいとか、仕上げやすいとかのことですが。ハードメープルに比べてココボロは硬いでしょう。
●ココボロは美しい材ですよね。わたしも寝かしてあるココボロを使おうかしらん。一部の人に対する健康上の注意事項で言えば、わたしのエボニー African ebony でも同じ。少なくともわたしには、エボニーは問題ない。
●材を寝かすため、少しずつ買い増ししています。モパーン(モパーネ Mopane)材の手持ちがなくなり購入しようとすれど、扱う業者が少ないし、在庫がない。比重があり、しっかりした音がするのです。世界で、オーストラリアの製作家とわたしだけかと思ったら、別の製作家も使用されているのをWebで発見。その方のトラベルソつくりの方向性は、個性的です。内径はオリジナル。しかし外形デザインは、いくつも独自性を発揮されています。
●アイリッシュ・フルートの方面も製作意欲がおありと以前、コメントされていますが、日本ではなじみが薄そう。教則本(?)を持っていますが、ご興味あればいつでもどうぞ。
woodwind 図書館長
2007/09/17 11:19
☆ハードメープルはココボロに比べて加工しやすいです。特に内径を作るまではやりやすい。外径はココボロの方がキリコが粉上できれいに仕上がるようです。ただ出所によって後の内径の収縮が大きいものがあります。そういうものが深い音色をだしている現状です。
☆モパーンも興味ある材料です。
☆アイリッシュフルートの教則本があるのですね。とりあえず、1号が完成してそれに馴染む必要になったらお願い致します。
日本では確かに少数派と思います。なので、アイリッシュ用というのではなく、ロマン派フルートという感じで作ろうと思います。正確にコピーするのは同じなのですが。要は440hzで音量のあるモダンでないフルートが欲しいだけなのですが。
オーボエ好き
2007/09/17 12:40
オーボエ好きさん、こんばんは。
●ハードメープルは加工しやすいとのこと。もう10年もメープルを削っていないので、忘れてしまっています。メープルもペアもオーボエに合っているかも知れませんね。
●収縮したのに、深い音色=いい音色を出しているのですか。きっと抵抗が増えて(少しこもって)いるのでしょうね。
●ロマン派フルートの件、分かりかけました。ニコルソンのようなもののイメージでしょうか?2、4、5の指穴がとくに大きく、指で押さえきれるかと思うほど。目の前のpanと言うフルートの雑誌を見ながらなのですが、ニコルソンもモンツァーニもモダンのようなバレル部分があるイメージの木管です。象牙でなく、金属のマウントです。
●わたしのほうは、しばらくこの領域に入らずに行こうと思います。むしろ初期バロックの方へ、逆戻りする方向で。色々と面白そうなトラベルソがありそうです。
woodwind 図書館長
2007/09/18 22:38
☆収縮は大きいのですが、それをリーミングして直しても良い音がします。重さを量ると同じなのです。材質の用に思うのですが、はっきりしません。
☆ロマン派フルートはおっしゃる通りニコルソンタイプです。自分の指で押さえられるか心配です。金属マウントというところが僕に合っていそうです。
☆初期バロックも面白そうですね。お互い異なる時代にフォーカスを当てようとしていますね。情報交換もとても面白くなりそうです。
オーボエ好き
2007/09/19 22:42
オーボエ好きさん、こんばんは。
●り・リーミングしても、削れる量はごくわずか。1grも変わらないと思います。り・リーミングでは、リーマは手持ちですよね。それとも、リーマをとてもゆっくり廻る旋盤に取り付けて、管を手で持ってやっているのですか。
●金属マウントも、作りなれるまでが大変そう。リングを絞りでつくるか、どうするか。いずれにしましても、こちらこそ情報交換をお願いします。
woodwind 図書館長
2007/09/21 23:30
☆再リーミングは手持ちです。削れ過ぎはよくありませんので、機械を使わない様にしています。
☆金属リングは細いです。平たくないので、削り出しと考えています。今は頭部管の中に通す金属パイプの成形法を考えています。”たくさん叩く”と”絞って真円”という言葉が相反して迷っています。
オーボエ好き
2007/09/22 09:10
おはようございます。
●そおとおりですね。削りすぎはよくありませんね。T.Lotですが、図面データより削りすぎたかと思って内部測定をすると、確かにそのとおり。ところが、そのほうが響きやすいこともあります。と言うことは、博物館に展示されるに至るまでの250年間のあいだに収縮したものを、現在において計測したデータとなっているかもしれません。
●金属加工に詳しくないのですが、オーボエチューブでも円筒状に曲げた板をロー付けしたあと、マンドレルに入れ、旋盤で回して絞ると、市販のような仕上がりになるようです。オーボエ好きさんが言われるように、叩いた後、新円にする機械があればいいですが、それを用意するのも大変な気がします・・・ふ〜む。読者のどなたか、この当たりが得意な方はいらっしゃいませんでしょうか・・
woodwind 図書館長
2007/09/22 10:15
☆今はトラベルソのソケット部分の外径を正確に再現するとどんな影響がでるかということを観察しています。これまでは金属リングの調整のために円筒状に加工していたのですが、金属リングを取付ける分だけ残してオリジナルのサイズの膨らみや装飾を持たせました。
☆頭部管部分の装飾によって耳元での音量は少々落ちますが、Mid C#が豊に響く様になりました。これにリングをつけると低音行きの音色が豊かになりました。また弾んだ音形が吹きやすくなりました。
☆これまで象牙の効果に着目しそれを中心に見ていました。今回の実験でどうも装飾部分全体が影響を及ぼし、その効果+象牙と考えた方が良い様におもいました。
オーボエ好き
2007/09/22 16:39
面白い情報ありがとうございます。
●別に疑っているわけではなく、あえてディベート風に記します:オリジナルのふくらみを持たせたことで、それほど差が出るものなのか?
●@円筒状のものAオリジナルどおり、の2つは、同じココボロ材であっても、別個に作ったものですよね。それら2本が本来持つ、固有の差(材質や製作精度の差)はないのでしょうか。
●C#音が豊かになったのは、文章からはリング取り付け前でしょう。リング取り付け後に低音側の音色がよくなったということは、総合的に、装飾+リング取り付け=C#音改善+低音音色改善ということですね。
●装飾部+象牙/金属リング、でもって総合的によくなると言うことですよね。→リングがなく全部木でできたトラベルソに比べ、リングの効果はやはり存在すると言うことでしょうか。
●わたしは、装飾+人工象牙のスタイルしか作らないので、そこが知りたいのです:有意さがあるのかどうかです。オリジナルでも、また現代の著名な製作家の楽器でも、全部木製のモデルがたくさんあるので・・
woodwind 図書館長
2007/09/24 11:02
☆C#の音と低音域の改善についてはおっしゃる通りです。
☆バレル部分を円筒状とオリジナル通りは同じ道具と手順で作っています。材質については出所は同じとは言えます。
重さを量ったところ、前者は24g、後者は30g(リング無し)32g(リング付)です。
☆リングを取り去ると全体にバランスが良い点に驚かされます。象牙装飾なしの作品でも笛として良い品質と思います。
しかしリング付を体験すると歌い込みに付いてこれない、音色が浅い、音色の変化が狭い、ダイナミクスレンジが狭い等フラストレーションを感じます。
☆僕の場合は逆に装飾+人口象牙のスタイルで人口象牙がどの程度ポテンシャルをあげるか知りません。装飾+本象牙を作って比較したいです。本象牙を手に入れたいです。
オーボエ好き
2007/09/25 10:10
オーボエ好きさん、こんばんは。
●デベート風の質問ですみません。いただいたコメントは、とても重要そう。と言うのは、「静特性でなく動特性のことに影響するから」が理由です。
●リングなしでも、装飾性を持つオリジナルの外形にするとバランスが良いとは面白いですね。
●演奏(吹奏)性に影響するあたり、わたしには十分評価できないところみたいですね。リングの重量は、2gr。0.3mm厚の真鍮板でしょうか。
●知り合いのリコーダー愛好家で、銀製の装飾リングを持つソプラノを見せてもらったことがあります。当時、オランダのオーボエなどにも、象牙のほかに、銀のリングを持つものもありますが、あれと類似。手に持つと、とてもずっしり。銀の装飾リングの重量は、2grをはるかに超えていると思います。ただ、演奏性の点で、コメントにあるような特性になるかは、わたしが演奏していませんので分かりませんでした。
●本象牙も、リング程度のものであれば入手可能かもしれませんね。ただ、本象牙には2種類あるらしく、硬くて重量のある方でないと影響の度合いが少ないかも知れません。わたしは今のところ、人工象牙でやってゆきます。
woodwind 図書館長
2007/09/25 22:07
いえいえ、ディベート風も良いと思います。はっきり実験結果を御伝えしなくては皆様のお役にもたたないというところです。
ここでの発言はデータの提示もなく、実験数は少なく、演奏者は本人ですから、意見はとても怪しいかもしれません。

☆リングなしでもバランスが良くなったのは驚きでした。そんな履かない音色も悪くはないと思いますが、人前で吹くとき音を介して心を伝えようと思うと、側だけでなっているその状態では音が客席まで届かないのではとも思います。もう一寸歌い込みたいにも関わらず、常にそこまで楽器がついてきてくれないのはフラストレーションたまります。

☆演奏に影響があるところはおっしゃる通りで、僕は何度も何度も実験しています。今日も全部金属リングを外してから1個づつたして効果を確かめて組みました。以下書リングを三重にしてあるのですが、図面にある様に2重が良いようです。

☆だんだん図面にあるオリジナルに近づいていくのは良い結果と思います。実はバレルと右手管の装飾はかなり効いており、その端に金属リングを巻いては効き過ぎではないかと思うのです。ここは象牙が良いのかもしれません。
オーボエ好き
2007/09/25 23:17
オーボエ好きさん、こんばんは。
●リングなしでも、本来の外形デザインにするとバランスが取れているようで安心しました。わたしが良く使う言葉の「機能美」と関係していると思います。
●その状態で、良く音を飛ばすことは、当時の要求条件ではなかったのでしょうから、それで良いと思います。現代における個人の要求はさまざまですから、その要求を満たすことにいくつか方法があり、リングあるいは比重の大きい材を用いるなどとなると言うことですね。
●リングを外し、その効果を一つずつ確かめられたとは感心します。右手(下)管の効果も顕著というのは参考になります。
●あと、リングではありませんが、下管のテノンと足管のソケットの調整も効くことと、Ebキーのリークを極力避けることも大きく利きそうですね。他のサイトでの記述でもそうありました。
woodwind 図書館長
2007/09/29 01:05
★リングをつける場合足部管のソケットとヘッドキャップ、下管の端は特に顕著に効果が表れるようです。糸巻きでも足部管と右手管の調整は利きますね。テノンとソケットのしまり具合は固い順に
1右手管テノンと足部管ソケット
2頭部管ソケットと左手管テノン
3左手管テノンと右手管ソケット
ということに気づいています。

★Eb keyのバネの強さも利きます。これは使いやすさを考慮しなくてはいけませんが、強いほど音色が充実するようです。

★リングを外してその効果を1つずつ再確認しながら確かめることは、何度も繰り返しています。執拗に観察を繰り返して感化しなくては気づかないこともあるからです。この過程に時間がたっぷり必要だと思います。
オーボエ好き
2007/09/29 08:08
オーボエ好きさん、詳しい観察結果ありがとうございます。
●まず糸巻きですが、閉まり具合をいつもチェックすべきなのですね。楽器の「お貸出し」の相手から、この指摘を受けたことがあります。と言うのは気候により、糸巻きがゆるくなったりするからです。ただ、糸を巻きすぎて、薄いソケットを割らないようにすべきですね・
●次に、Ebキーの件。やはり、お貸出しの複数相手から、キーがゆるすぎ、と言われました。バネには、最初真鍮の0.5oを使うと硬いと感じ、それ以来、燐青銅板を使用。ただ0.3〜0.5ooは弱すぎか。米国の製作家には、「鋼の薄板」を使う方もます。またバネをキーへリベットやロー付けするのでなく、足管側に取り付け、キーの裏側をすべるようにしている製作家もいます。それぞれ、工夫して適度な硬さを生み出すようです。
●リングの件も、今後の製作の参考にさせていただきます。リング幅を15oほどでなく、飾り輪のところまで広げることを考えています。
●ほかにも観察結果がありましたら、どの記事のコメント欄でも結構ですから、投稿よろしく。
woodwind 図書館長
2007/09/29 21:34
★糸を巻きすぎて薄いソケットが割れた例を見ています。僕は糸を巻いたら蜜蝋を塗って防水しています。
★僕はバネ用燐青銅使ってます。0.4-0.6mmまで使えそうです。
オーボエ好き
2007/09/30 18:10
オーボエ好きさん、お早うございます。
●薄いソケットが割れた例、ってわたしのことですよねー、と言うくらい、ソケットを割った作品がいくつかあります。ただし、糸巻きのせいでなく、おそらく、人工象牙との接着剤の関係と思います。接着剤が乾燥するとき、木を収縮させてしまうのでは、と思っています。
●ここはやはり、膠でしょうか。人工象牙と膠、あるいはシェラックなど、天然成分の接着剤が上手くゆくかご存知ですか?
●オーボエ好きさんが、多用されるココボロですが、接着剤が効きにくいとどの資料にもありますが、どうされていますか。人工象牙でなく、金属とは相性がいいのでしょうか・・・
woodwind 図書館長
2007/10/07 09:16
こんばんは。
☆ココボロは接着剤が効きにくいとのことですが、今のところシェラックとゴム系接着剤では弱いということが分かっています。Tite○ondやエポキシ系のもので問題が合った事はありません。
☆シェラックの場合熱をかけて溶かしてつかうのであればプラスチック製の人工象牙には危険のように思います。
☆オリジナルで柘植を酸で染色したものに象牙が使われている笛がありますが、染色の折に酸で象牙が侵食されないようにそれを外すため膠が使われたのではないかと推測している記事を読んだ事があります。
☆金属リングの固定は嫌気性接着剤を流し込むのが適当かと思います。今は取り外して試験出来る様にシェラックで程々にタイトにしています。
☆人工象牙を使ってみました。接着はエポキシ系を使いました。管体表面を染めることもないので取り外ししない方向で決めました。今のところ問題はありません。
オーボエ好き
2007/10/08 19:33
こんばんは。
●シェラックと膠では弱いとのこと。エポキシ系では、確かに接着力は強いかもしれませんが、一方で、わたしが気にしているのは、接着剤固まる際の収縮により、薄いソケット木部にひずみが生じないかと言うこと。
●硝酸によるステイン時のために、取り外したと言うのは、理にかないそうですね。
●人工象牙を試されたとのこと。飾り環など、細かな作業の部分は、上手く削れていますでしょうか。ベッディングは専用の、刃物があるし、製作家はみなさん、色々とご自身で専用の刃物を自作されているものと想像します。
woodwind 図書館長
2007/10/08 21:49
☆薄いソケットをなるべく避ける様に1mmほど大きくしました。
☆人工象牙は少し弧を描いているskew chiselで上手くいっています。
オーボエ好き
2007/10/09 07:02

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