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zoom RSS リコーダーのくちばしを仕上げましょう

<<   作成日時 : 2007/11/11 20:16   >>

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画像楽器のつくり方 (86) 2007/11/11

リコーダーの頭部管にブロックをはめ込んだあと一緒に、くちばしの形に切り出しました。

前回までの工程で、やっとリコーダーの外形らしきものができました。 これまでの連載は、以下の通り。 青字クリックで記事を参照できます。

●Stage1: ウィンドウェイのリーミング
●Stage2: エッジ用の窓あけ
●Stage3: ウィンドウェイの溝掘りの準備
●Stage4: ウィンドウェイの溝掘り
●Stage5: ランプ削り
●Stage6: ブロックのはめ込み
●Stage7: くちばしつくり

今回は、この後に続くボイシングに向け、切り出したくちばしの仕上げを見てゆきましょう:

Stage8: くちばしの仕上げ削り

糸鋸を用いて切り出したばかりのくちばしは、角がごつごつ。 目標サイズより大きめに切り出したため、くわえると大きくゴツイ感じです。

これを、演奏できるまでに仕上げることを試みます。 こうしないと。何度も繰返しブロックを外しては、はめ込みを続ける、次工程のボイシング作業がはかどりません。

フォトをご覧ください。 

‐ 右側: 作ってきました、欧州黄楊の頭部管とレッドシダーのブロック

‐ 左側: モデルとした、メック社製のロッテンブルク No.439 の頭部管
       材は、パリサンダー(ローズウッド)

このように、2つを比較しながら仕上げると感じが良くつかめます。 眼から入る外形でなく、口にくわえたときの感触では、ことのほか比較が容易です。

大きめに切り出したくちばしは、ぶ厚くて角もとがっています。 口にくわえるには抵抗があります。

使用する工具は、切り出し小刀と、半丸の木工用ヤスリ、サンドペーパー。

頭部管の外周に鉛筆書きした、目標サイズのところまで切り出しとヤスリで削ります。 ほぼ出来上がったところで、何度も口にくわえて、安定するか確かめます。

安定したサイズとなったら、今度は、角をヤスリとサンドペーパーを用いて入念に仕上げます。

くちばしの大きさや形状は、モデルにより異なります。 演奏家・愛好家は、この形状と大きさには敏感です。

モデルによっては、先細りのおちょぼ口のものや、フォトのように先細りがなく幅の広いものがあります。 また、深さもとても浅くて下唇に当たるぐらいで安定感があるものや、フォトのように、深いものがあります。 これらの組合せで、好みが分かれます。

フォトの左右を見比べると、わずかではありますが違いがあります:

@切り出したエッジ

あらためて比較してみると、左のメック社製ではエッジが立っており、くわえると口の中がやや痛いと感じます。 そこで、右の作品では、ヤスリとサンドペーパーとでエッジに丸みをつけると「あたり」が柔らかくなりました。

Aくちばしの深さ

左のメック社製のくちばしは深くて長いですが、フォトのように、右の作品では、それより深さを1〜2mmほど浅くしました。

Bくちばしの幅

左のメック社製と幅は同じながら、右では、先端の両肩の角にRをつけるように、少しヤスリで削りました。 口の中で、やわらかさが得られました。

何回もくわえて、気に入る感触が得られるまで仕上げると良いでしょう。

ブロックは、頭部管と一緒に切り取られ、また削られましたが、次工程でのボイシングにて、求める音が得られぬときなど、ブロックの作り直しが必要なことがおきます。

この場合は、Stage6に戻り、ブロックつくりとはめ込みを行います。

はめ込みが済んだものは円柱です。 フォトのようにするには、頭部管の曲線に沿って糸鋸で切り取り、その後、ヤスリ仕上げを行うと良いでしょう。

リコーダーの頭部管の内部はとても複雑で微妙な構造をしています(→こちら)。 それらは、ボイシング段階での音きめに影響します。

しかし、その前に、口にくわえるくちばしは、奏者に与える影響が大きいものです。

今回のくちばしの仕上げは、気に入るまで行いましょう。 メーカー製のリコーダーを入手したとき、自分の口に合うように仕上げ直すことは意味がありそうです。

この工程で、注意すべきは削り粉。 通常、木工旋盤での削り作業では、空中に舞う粉塵が問題(→こちら)。

ところが、リコーダーでは、直接口に何度もくわえるわけですから、削りかけの細かな削り粉を口に含んでしまいます。

フォトの欧州黄楊(→こちら)とレッドシダーは問題は少ないですが、トロピカルの材では、人体に影響するものもあります。

影響度合いは、人により異なるものの、材を選ぶときには注意が必要となります・・・


【関連記事】  青字クリックで記事へジャンプします。

リコーダーつくりの要点は、頭部管にあり
リコーダー頭部管は、独特で微妙な構造をしています
リコーダーのくちばしをつくります
リコーダーのブロックを少しずつはめ込みましょう
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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
http://jp.youtube.com/watch?v=WiSW6LPchSc
recorderの作り方の動画が公開されていました。

きれいな表面の仕上げですね。
僕はまだ表面の仕上げについてこれという方法を掴めずにいます。
ココボロはオイルを吸わせると黒く変色してしまうスピードが早くなるので、
オイル仕上げでなく、ワックス仕上げが良いのかとも考えています。
オーボエ好き
2007/11/27 22:19
オーボエ好きさん、お久しぶりです。
●すごい動画のサイトですね。まだサイトの利用法が理解できていないのですが、とにかくURLをたたけば動画が見れますね。これは、すばらしい。わたしのブログは、静的ですから動画にするとこれほど情報量が格段にも増加することを改めて理解しました。
●目で見た感じですが、旋盤の回転数は2000rpmぐらいはありそうですね。自動送りのバイトカットですね。参考になったのは、ガイド穴あけ・穴広げ。どの図書の写真にもあるようなレストが付いていますね。それに、リーマの回転速度の早いことこと。手持ちですね。
●ココボロは、オイリングでは黒ぽくなりますね。ワックス仕上げでどうなるのか興味あるところです。結果が出ましたら、また教えてくださいね。
woodwind 図書館長
2007/11/28 00:18
改めて思ったのですが、
”くちばし”のある笛って小鳥みたいな感じでかわいいですね^^
オーボエ好き
2007/12/01 22:39
言われてみるとそうですねー。
もともと、くちばしのイメージは、小鳥ではなく、少し大きな鳥のイメージでしたが、あらためて言われると、飼っていた小鳥の十姉妹を思い出しました。小鳥のくちばしは、独特の滑らかさがあり可愛らしい感じです・・
woodwind 図書館長
2007/12/02 15:40
ココボロをワックス仕上げしました。
明るい色がどんどん変色していき、暗くなっていきます。
オイル仕上げの場合はいきなり暗いですが、行き着く先は同じ色のようです。
オーボエ好き
2007/12/12 21:21
●ココボロは、オイリングやワックスがけしないでも、黒ずみますね。購入時に明るいオレンジ色だったものが、いまではこげ茶色のよう。角材のことですよ。
●ワックスとは、カルバナ・ワックスですか?木工旋盤を用いた各種木材の作品には、ワックスがけもよく使われると思います。オーボエなどではいいのですが、直接口に当てるトラベルソやリコーダーでも、ワックスは大丈夫なのでしょうか?
●人により、影響のあるココボロでかつワックスとなるとどうなのでしょう。専門が電気工学なので、化学や物質・材料・生物の知識が乏しく、一々調べないと分からないものですから・・
woodwind 図書館長
2007/12/13 20:32

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