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help リーダーに追加 RSS トラベルソの指穴は、一直線上にあるとは限りません

<<   作成日時 : 2008/02/03 17:28   >>

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画像トラベルソには、指穴が6つあります。 そしてキーが1つ。

トラベルソを組立てるとき、歌口と指穴とキーは一直線上に揃えるのでしょうか。

モダンフルートと異なり、歌口と6つの指穴を、多くの人は一直線にはせず、歌口を相当内側(奏者側)にすべく、頭部管を回します。 またEbキーも、指穴線上から約45度内側。

わたしなど、上管(左手管)と下管(右手管)の指穴は直線でなく、下管を少し 2o ほど内側にします。

これらを回して調整するのは、演奏しやすくするためですが、考えると、左右の手の大きさ、指の長さに合わせています。

右手小指で操作するEbキーでは、小指の長さにより、内側に回す量が人により異なります。 楽器店で試奏するときなど、誰でもとっさに足管を握り回しています。 自分に合わなければすぐ分かるからです。

トラベルソの指穴間隔は 36〜38o。 この間隔は結構大きく、きっと18世紀の西欧人に合わせたからでしょう。

トラベルソなどのバロック木管を演奏する愛好家が増え、中学・高校生も楽しむようになりました。 学生やとくに女性など、手の小さい人にとっては、指穴間隔がかなり広く感じられます。

でも、ほんの少し指穴位置を変えるだけで、手の小さな人にも無理が掛からないようにできます。

方法は2つ。

●ひとつは指穴間隔を狭くすること。

ある穴を小さくすると、本来大きてく遠くにある穴を等価的に近づけることができます。 (→こちらを参照) ただし、小さくした分、弱くあいまいな音となり、大きな音で吹くことに制限が加わります。

●もうひとつは、指穴自体の位置を回転させます。

左手管では、指穴3、すなわち左薬指の穴を向こうに回してあけます。 一方、右手管では指穴6、すなわち薬指の穴を自分に向けて回してあけます。

このようにすることで、左右の薬指が届きやすくなるのです。

フォトをクリックし、拡大してご覧ください。

手前2本の左手管では、指穴3が向こうの左手側に、また、後ろの3本の右手管では、指穴6が向こうの右手側に寄っています。 よく眺めると分かります。

その量は、わずかに1o。

たった1oですが効果があります。

手前のモデルは、T.Lot。 (→こちらを参照) フランスバロックの楽器で、A=396Hzほど。 替え管も最高ピッチがA=425Hzどまり。 低いピッチで設計され、下管が長いのが特徴。

指穴6と指穴8の中心間は、75.7o。 これが長い。

一方、一番奥のは、G.A.Rottenburgh。 (→こちらを参照) ベルギーのロココの楽器で、全体的にピッチは上昇。 高いピッチで設計され、それにつれ下管も短くなります。

指穴6と指穴8の中心間は、67.9o。 Lotに比べて、7.8oも短い。

女性の方や手の小さい方は、G.A.Rottenburghの方が持ちやすいと言えるでしょう。

さらに内側に寄せて穴をあけていますから、ますます薬指が楽になります。

このように、指穴は一直線上にあけられるとは限りません。

他のバロック木管ではどうでしょう。 リコーダーでは、ソプラノは管長が短く指穴間隔も小。 どなたにとっても操作が楽。

アルトもまあまあ。 小指で穴を塞ぐ足管のみ都合の良い位置に回します。

市販品でよく出回っている A=440Hz のモダンピッチに比べ、専門的な演奏を好む愛好家などが求める A=415Hz の楽器は、少し大きくなりますね。

さらに、テナーとなると A=440Hz でも大変。 指が届きにくくなります。 このため、指穴3と指穴6は、中心から左右に少しずらせているものが多いようです。 右手小指は、A=440Hz でも届かず。 モダン楽器では、キーを取り付けたものが一般的。

以上、見てきましたように、指穴は一直線上にあけられるとは限りません。

でも、手の方向に回し、中心からずらして開けることに疑問を抱きませんか。 そのようにズラしても正しい音程がとれるのか。

大丈夫です。 管楽器の性質上、穴を直線状にあける必要は全くありません。 それが証拠に、リコーダーでは左手親指で操作する指穴など、180°反対の裏側についています・・


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指穴の大きさが、いろいろあるのは何故?
ベルサイユピッチの落着いたトラベルソの音色
世界にただ1本:あやしい模様の赤いトラベルソ

 


 

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
モダンのフルートやオーボエにも見られる工夫ですね。
現代ではフランス人と日本人は体格はそう変わらないそうですが、
昔はどうだったのでしょう?
右手管に対しては管体に直角に構えると教わる事がありましたが、
それではQuantz keyに小指が当たってしまい、操作が煩わしいです。
左手の様に少しだけひねると楽なのでそうやってます。
そうすると右手薬指の指穴の位置は真っ直ぐにあっても問題なく届きます。

当時はどんなフォームで構えていたのかなぁ?
オーボエ好き
2008/02/04 10:47
オーボエ好きさん、こんばんは。
●あきらかに当時の日本人は背が低かったでしょう。また腕の長さは、現代でも違いがあります。たまたまわたしは指の長いほうですから、クラリネットもトラベルソも薬指や小指が余り気味です。
●オリジナルの多鍵ドイツフルートなど上下管が一体のもの(モダンのように)では、指の角度などが固定されていますが、わたしは必ずしもあわず、下管の3指を手前にまわしたい気持ちに駆られます。
●直角でなく、少し右手も流れるようにしているような気がしますがいかがでしょうか。オトテールの版画などでにありますが。
●Quantzの2キーでは、2つのキーの両方とも満足のゆく角度になっているのでしょうか。バロックオーボエの2キーと同様、片方が、少し無理な角度になったりしていそうですが・・
woodwind 図書館長
2008/02/04 21:44
☆Quantzの2keyはなかなか使いやすい角度が得られていますが、KirstのQuantz keyは使いにくいです。
オーボエ好き
2008/02/05 12:15
オーボエ好きさん、こんにちは。
●2キーは通常のEbキーに対し、もうひとつD#キーを追加したものと思います。そうするとEbキーの角度はそのままでD#キーは、かぶせるように上にあるのではと思います。
●足管を回してEbキーの角度を最適にすると、D#キーのかぶせる角度が相当高いものとなる気がします。これをさけるため、D#キーを小指の届く範囲にすると、今度はEbキーが低い位置にありすぎて上手くゆかない気がします。
●やはりモダンフルートとかクラリネットのように小指は回転でなく、管の軸方向へのずらしのほうが無理がなさそうですが。
woodwind 図書館長
2008/02/09 14:33
☆例えばkirstで2keyのもののEb keyを1keyのEb keyと比較すると若干短くなっており、D# keyが6番の指穴とEb keyの間に入りやすい様に考えられていると思われます。
☆Quantzのトラベルソの場合D# keyの湾曲が大きくて比較的使いやすい位置までkeyが延びており助かるのですが、kirstのD# keyはそこまで延びていないので、woodwindさまがおっしゃる通りの理由で使いにくいのです。
☆KirstのD#はEbとの差が33 centsあるので、もしかしたらLow Eの鳴りを向上させるためのレゾナンスキーの可能性もあるかもしれないと考えています。
オーボエ好き
2008/02/16 22:10
オーボエ好きさん、こんばんは。
●Eのレゾナンスキーの可能性ですが、実際に上手くゆきそうですか。D#あるいはEbのいずれのキーも少し押さえただけで、Eの音は高くなってしまう気がします。これら2キーの楽器を持たず、実験はしていませんが。
●わたしの1812年製のオリジナル6鍵のクラシカルフルートですが、Ebキーのほかに足管を延長したC#、Cキーがあり、これらの開閉で右手小指に少し無理があります。ただ足管が回せるため最良角度にできます。一方、オリジナルのドイツフルートは下管足管一体で角度が変えられずわたしの手には使いにくい。
woodwind 図書館長
2008/02/24 01:02

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