モダンのオーボエやクラリネットには、ボアオイルを管の内壁に塗布します。割れを防止するためです。 材質は、アフリカ産のブラック・ウッド、通称、グレナディラ。 とても緻密で硬い材質。 使われる理由は、もっとも良い音色を奏でる材のひとつだから。 メンテナンスには注意が必要。 木管楽器が乾燥しすぎてストレスが掛かると、ピシーと音がして割れるとのこと。 幸い、わたしのモダン・オーボエでは経験していませんし、経験したくもない。 演奏のたびに内壁には水分で濡れます。 水を含むと木は膨張し、乾燥部分との間でストレスが掛かり割れるのです。 バロック木管では、どうでしょう。 使用材により、割れややすいものとそれほどでもないものがありますが、ハード・ウッド(硬材)ですから、緻密で硬い材が一般的(→こちらも参照)。 リコーダーのブロックだけは別で、割れません。 水分を吸収しやすいレッド・シダー(赤杉)と言うソフト・ウッド(軟材)を用いています(→こちらを参照)。 木管楽器には、これら硬材を十分乾燥させてから使用し、完成後に曲がりなどが起きないようにします(→こちらを参照)。 今回は、メンテナンスのうち、水分対策を取り上ます: ●小まめに水分を除きます 木管を演奏したあとは、小まめに水分を除くようにします。 トラベルソでは、棒に毛羽立たない布をつけて管内に通して、水分を取除きます。 オーボエでは、内径が小さく、鳥の羽根も用います。 問題は、演奏の合間に休憩を取るとき。 水分が濡れたまま放置しないこと。 各部を分解して水分を除くようにします。 濡れたまま木管を机の上に置くと、たいてい天地が同じ向きとなり、特定部分に水分がたまります。 とくにテノンの糸巻き部分は、とても濡れます。 糸巻き部分は、しっかりと拭くようにします。 ●乾燥させてからケースに仕舞います 演奏後、管内の水分をよく取ってからケースに仕舞います。 このときも、すぐケースに仕舞わず、しばらく乾燥させてからにします。 ハードケースは、プラスティックでできており外部からの水分とか圧力に耐えます。 しかし逆に、機密性が高いため外部と遮断され、水分のある楽器は中で蒸れた状態になりそうです。 フォトは、化粧箱としてつくった保管箱。 軟材を使用し、硬材の木管を直接仕舞っても、キズはつきません。 箱の外側は、オイリング、あるいはニスを塗布し水分から保護しますが、逆に内側は、乾燥するオイルを1回塗布したのみ。 (→こちらも参照) 楽器から不要な水分を吸収し、あるいは吐き出して調節してくれます。 実験を行い検証したわけではありませんが、木製の保管箱は、ちょうど奈良の正倉院の校倉つくりとか、桐の和箪笥に類似した効果が期待できるものと思っています。 フォトの保管箱は、トラベルソの下管と足管を継いだまま仕舞うタイプ。 頭部管と上管、あるいは上管と下管との間のテノンとソケット部は水分がたまりやすいですが、長く演奏した後は、下管と足管部にももちろん水分がたまります。 分解して良く拭き、乾かしてからに保管するとよいでしょう。 ●糸巻きを頻繁に調節します 演奏のあとテノンを触ると、巻き糸がしっかり濡れています。 テノンが少し膨らんでいるようにも感じます。 実際、膨張しています。 この状態では、テノンとソケットとの合わせがきつくなり、ソケットの内側から押し広げ、抜けなくなります。 抜けても、そのままではきつく、再び無理に入れようとすると、1oほどの薄いソケット部(→こちらを参照)の木が割れます。 さらに、割れにくくするための(人工)象牙マウントすら割れてしまいます。 このようにきつくなるのは、演奏後の水分ばかりか、湿度の高い季節にも起きます。 乾燥する時期では、逆にスカスカとなります。 欧米の多くの地域では、空気が乾燥するあまり、カーペットを歩きドアのノブに手をやると静電気により火花が飛ぶほどです。 信じられないくらい、スカスカになります。 これらソケットとテノンの合わせは、糸巻きの「巻き足し・巻き解き」により調整します。 糸は絹糸でなくともかまわず、細めの糸が適します。 小まめな巻き糸調節は、バロック木管には重要ですから、自分で試みてみましょう。 ●オイリングを施します バロック木管は、材にもよりますが、一般には、製作段階でリンシード・オイル(亜麻仁油)を含浸させます。 リンシード・オイルは粘度の高いオイル。 含浸のためにオイルを暖めたオイルバスに漬ける製作家もいます(→こちらや、こちらを参照)。 リンシード・オイルは、乾燥に時間が掛かるものの、水分や酸から楽器を守ります。 この作業は、材が十分乾燥した状態で行います。 そうでないと水分を逆に材に閉じ込めてしまいます。 ここでは、完成楽器のメンテナンスですから、リンシード・オイルは用いません。 代わりに、乾燥するオイルを塗ります。 楽器が乾燥している状態で、オイリングしないと、やはり水分を閉じ込めるわけですから注意が必要。 使用オイルですが、人により推奨するものがさまざま。 ただ、特定のオイルが全世界一律に適するかは一概に言えません。 欧米の乾燥地域と、多湿の我が国では異なり、また赤道直下のもっと高温多湿の国々では事情が大きく異なるでしょうから。 わたしは、もっぱら食用のオリーブ・オイルを使用します。 割り箸の隙間にティッシュ・ペーパーを挟み、そのまま巻きつけます。 軽く輪ゴムで押さえるとよいでしょう。 小皿に、オリーブ・オイルを小さじ一杯分注ぎます。 ティッシュにべっとりと付け、木管の内径に塗ります。 内径がすむと、管の外側に少しつけます。 別のティッシュでよくこするように塗り拡げます。 微量でも、十分塗り拡げられます。 ティッシュを見ると汚れが落ちているのが分かります。 トラベルソでは、とくに頭部管の歌口周辺や、上・下管の指穴周りなど、結構汚れているのです。 オイリングにより、水分に対して材にしみ込みにくくし、また乾燥しすぎることがないようにするのです。 大切な木管楽器にヒビ・割れが起きないよう、ここにあげた水分対策のメンテナンスを心がけられてはいかがでしょう・・・ 【関連記事】 青字クリックで記事へジャンプします。 ●バロック木管の材は、どこで入手できますか ●リコーダーのブロックを少しずつはめ込みましょう ●木には乾燥が欠かせません ●化粧箱つくりは、直角出しが決め手です ●わずか1ミリ厚のソケットに象牙マウントを取り付けます ●オイリング:トラベルソの化粧は、たったの1秒 ●100円グッズの楽器つくりへの応用 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
☆僕もオリーブオイルを使っています。 |
オーボエ好き 2008/04/13 21:19 |
オーボエ好きさん、こんばんは。 |
woodwind 図書館長 2008/04/15 00:23 |
woodwindさま、こんにちは! |
オーボエ好き 2008/04/15 10:13 |
こんにちは。 |
わたにゃん 2008/04/15 14:08 |
オーボエ好きさん、こんばんは。 |
woodwind 図書館長 2008/04/15 23:45 |
わたにゃんさん、こんばんは。 |
woodwind 図書館長 2008/04/15 23:52 |
こんばんは。 |
わたにゃん 2008/04/16 02:36 |
読者のことをすっかり忘れていましたm_ _m |
オーボエ好き 2008/04/16 18:09 |
わたにゃんさん、こんばんは。 |
woodwind 図書館長 2008/04/17 00:05 |
オーボエ好きさん、こんばんは。 |
woodwind 図書館長 2008/04/17 00:11 |
☆結構縮むので驚いています。購入したクラシカルオーボエはテノンにまばらに糸が巻いてあるだけです。テノンを削る方が楽なのですが、オリジナルサイズを維持したいので縮んでいるソケットを処理したい訳です。 |
オーボエ好き 2008/04/17 09:05 |
こんにちは。 |
わたにゃん 2008/04/18 12:57 |
フルゥト・ダモォレですが、 |
わたにゃん 2008/04/18 12:59 |
オーボエ好きさん、こんばんは。 |
woodwind 図書館長 2008/04/21 23:13 |
わたにゃんさん、こんばんは。 |
woodwind 図書館長 2008/04/21 23:28 |
☆クラシカルオーボエはGrundmannです。数値もおっしゃる通りです。 |
オーボエ好き 2008/04/22 19:23 |
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