楽器の書棚 (23) 2008/4/20完成楽器をモデルとしてつくり方を紹介しました、リコーダーが完成しました。 正確に言えば、完成したのではなく、きりがないので終えたと言ったほうがよいでしょうか。 リコーダーつくりの工程の最後にボイシングがあります。 ボイシングは、リコーダーの発音原理である、エッヂ(クサビ)に息が当たり流れが2つに割れる程度を調整すること。 リコーダーの構造は、複雑で微妙な構造をしています(→こちらを参照)。 息の当たり具合を変えるには、ウィンドウウェイ天井と、ブロック天井(ウィンドウウェイの底)とで構成されるチャネルによります。 ところが、チャネルだけでなく、エッジを形作る内径の削り具合やランプ(→こちら)の削り具合にも関係します。 さらに、ブロック端の上部や、ウィンドウウェイ端の下部の面取りによっても変わります。 要するに、パラメータが多いのです。 最後につくるブロックの形や寸法だけで調整することはできず、そのことがリコーダーつくりを難しくしているとも言えます。 フォト後ろは、モデルにした完成リコーダー。 手前が、今回、それをコピーしたもの。 ボイシングに当たっては、ウィンドウウェイの開き部分から中を透かすようにくちばし側から覗きます。 見えるエッジとブロック天井の高さの具合ですが、ほとんど重なるようにブロックを削ってゆきます。 ウィンドウウェイ自体が、アーチ状であるこのモデルでは、エッジも、ブロック天井も、ウィンドウウェイ天井も、すべて同様なアーチ型をとり、平行となるようにします。 たいへん微妙な量を削るわけで、フォトのように手本とすべき比較楽器があればやりやすく、 これに対し、図面からコピー楽器をつくり出すことは難しさが増すでしょう。 ボイシングの段階で、平行状態が理想でないときがあります。 それはウィンドウウェイ天井や、エッジの下部、エッジの上部を削り過ぎた場合に起きます。 調整段階では、削ることはできても、削り過ぎたものを元に戻すことはできません。 ブロック天井をエッジの高さに近づけると、音が出始めます。 ただし、小さくて情けない音しかでないかも。 ブロックを引き抜いて天井をほんの少し削ります。 少し削っては、ブロックを差しこみ音を確かめます これを繰返し、気にいる音量や音色が得られるまで続けます。 ブロック天井を削りすぎると、チャネル高さが所定値より高くなります。 この結果、息はほとんどエッジの上部をすり抜けてしまいます。 息が多く入る割には、音量が小さくなるのです。 チャネル天井、すなわち頭部管本体を削り過ぎたた場合も、チャネル高さが所定値より高くなります。 そのときは、ブロックの作り替えでなく、頭部管全体を作り替えることとなります。 このことから、リコーダーつくりの要点が、頭部管つくりにあると言えるでしょう(→こちらに記しました)。 リコーダーつくりは、各ステージで所定の通りとなっているか確かめることが何より大切。 そのために何回も各部の精密測定を行うことは実質上たいへん。 したがって、目分量で判断できるようになることが理想的でしょう。 リコーダーつくりは、頭部管の工程のすべてにおいて、順にきっちりと確かめながら進めることが重要なようです・・・ 【コピー】 フォト手前 材質: 欧州黄楊 European boxwood、 赤杉 red ceder のブロック No.0424 A=440Hz 【コピーとなったオリジナル】 フォト奥 材質: パリサンダー 本象牙リング(現行モデルではなし?) 製作: メック社 (439 ロッテンブルク・モデル@1977年) 設計: フリートリッヒ・フォン・ヒューネ氏 Friedrich von Huene A=440Hz (外形デザインにI.H. ロッテンブルクを参照) 【オリジナル楽器】 所蔵: ブラッセル楽器博物館 製作: I.H. ロッテンブルク Jean-Hyacinth-Joseph Rottenburgh (1672-1765) ブラッセル 18世紀前半 【関連記事】 青字クリックで記事へジャンプします。 ●リコーダー頭部管は、独特で微妙な構造をしています ●リコーダーつくりの要点は、頭部管にあり ●リコーダーウィンドウウェイは、正確なリーミングから始めます ●リコーダーリーミングの次は、エッジ用の窓を正確にあけます ●リコーダーウィンドウウェイ掘りは、ブローチガイドつくりから ●リコーダーウィンドウウェイの溝堀りは慎重に ●リコーダー溝掘りの次は、ランプをつくります ●リコーダーのブロックを少しずつはめ込みましょう ●リコーダーのくちばしをつくります ●リコーダーのくちばしを仕上げましょう ●リコーダーの調整:管を組み替えてもできます |
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