楽器のつくり方 (92) 2008/4/27オトテール・トラベルソつくりの次のステップとして、Ebキーを見てみましょう。 これまでのつくり方の記事は、青字クリックで参照できます: ●象牙の足管つくり ●象牙のヘッド・キャップつくり ●象牙のバレルつくり ●象牙のヘッド・キャップとバレル用のマンドレルつくり ●象牙の磨き ●頭部管つくり(内径) ●中部管つくり(内径) ●外形削りでの杢 これまで使用したオトテール・トラベルソの主要材は、人工象牙と、杢の美しい黄楊などの硬材。 でも、Ebキーだけは金属からつくります。 その例として、T.Lotモデルの場合については、→こちらを参照ください。 フォトは、オトテール・トラベルソのEbキーつくりの要点を示しています。 (フォトをクリックし、現れる新ウィンドウ内のフォト右下コーナーにカーソルを合わせ、現れる四角の拡大アイコンをクリックすると、より拡大してご覧いただけます。) オトテール・トラベルソに限らず、わたしは、楽器のデータから実寸大の図面を起こしています。 図面起こしには、わたしは、A3サイズの方眼紙(グラフ用紙)を用います。 とくにオトテール・トラベルソには、A3サイズが必要。 と言うのも、きわめて長い中部管がA4では入りきらないからです。 方眼紙には、フォトに示すように実寸でEbキーも描いています。 この方眼紙のフォト・コピーを取ります。 次に、両面接着テープをコピー紙裏からキー部分を覆うように貼り付けます。 そして、Ebキーの外側に沿ってはさみを入れて型を切り取ります。 フォト奥は、キー材質として用いる洋白銀。 洋白銀と「銀」の名前が付きますが銀ではありません。 洋白、あるいはニッケル・シルバーとも呼ばれる「銀色をした」合金。 DIY店でも扱われ、入手も容易。 わたしは、その中で、1o厚のものを用いています。 これに対し、銀の板も入手可能ですが、こちらは「時価」で取引され、かなり高価。 (金ほどは高くはありませんが。) 洋白銀の板に、切り取ったキー型を、両面テープを剥いで貼り付けます。 フォト奥は、型を貼った様子。 型より少し大きめに鉄ノコで長方形に切り出します。 フォトの洋白銀板コーナーに、残った切り欠きが見えます。 切り出した長方形の板を万力で挟み、型に合わせて金工ヤスリで削ります。 その様子は、→こちらにフォトがあります。 最初は、目の粗いヤスリで大まかに削ります。 そして、だんだんと型まで目の細かいヤスリを用います。 出来上がった型どおりのキーの板には、バリもあるほか、垂直に切り出したイメージが強く、わたしは、少し丸みをつけるために「面取り」を施しています。 さらに、細かな溝の切り込みの細工を施します。 これら仕上げには、とても目の細かい精密ヤスリを用います。 ところが、万力に挟んで行う作業中に、洋白銀の板に不要なキズがつくことがあります。 キズを取るために、最後に磨きます。 ワイヤ・ウール、あるいはスティール・ウールと呼ばれる極めて細い針金の固まりを用います。 番手は、最も細かいものは、0000番。 そのほか、00番、0番、1番と粗くなってゆきます。 元々ピカピカの洋白銀板ですから、スティール・ウールでこすると当然キズだらけとなります。 元の不要なキズがよほどでない限り、00番を用いて荒削りを行います。 ヘアライン仕上げと言って、一方向だけに細かな線を施す板金処理がありますが、それにならい一方向に磨きます。 次に0000番を用いて仕上げると、たいてい美しく光ります。 必要に応じてペーパーの3000番〜12000番、あるいは銀磨き(シルバー・ポリッシュ)を用いると良いでしょう。 フォト手前は、銀磨きも用いて仕上げたオトテール・トラベルソのEbキー(原寸図とは左右反対)。 このEbキーですが、どこかユニーク。 それはEb穴塞ぎ板の形状に飾りがあること。 通常、バロック木管のキーのEb穴塞ぎ板の形状は、四角、丸、あるいは台形です。 その穴塞ぎに長方形の腕が伸び、ひょうたん型の小指押さえ部が付きます。 T.Lotモデルの例では、→こちらを参照すると良く分かります。 ところが、オトテールの場合は、丸い穴塞ぎに、さらに「装飾の台座部」を持つ独特のフォルムをし、装飾性を高めているのです。 オリジナル楽器、とくに王室御用達のトラベルソやオーボエのキーの中には、彫金が施され、さらに装飾性を高めたものも残されています。 わたしも、いつか彫金のスキルを得て、細かな図柄を削り込んでみようとも思います。 木管つくりも、装飾性にこだわるまでになると、面白さがさらに増す気がします・・・ 【関連記事】 青字クリックで記事へジャンプします。 ●オトテール・トラベルソの総象牙製フット・ジョイント ●大きくてま〜るいオトテールトラベルソのヘッド・キャップ ●左右対称のオトテール・トラベルソのバレル ●双方向の同心確保:ピンチャックの応用 ●人工と言えど、輝きは本象牙に劣りません ●オトテール・トラベルソ頭部管は、結構長いのです ●オトテール・トラベルソ中部管は、もっと長いのです ●外形を削ると杢(もく)の美しさが現れます ●木管もキーは金属でできています ●キーは、1本、1本、手でつくります ●トラベルソの音出しには、Ebキーが必要です |
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|---|---|
こんにちは。 |
わたにゃん 2008/05/09 14:14 |
わたにゃんさん、こんばんは。 |
woodwind 図書館長 2008/05/09 23:09 |
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