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help リーダーに追加 RSS オトテール・トラベルソのキーは、独特のフォルムです

<<   作成日時 : 2008/04/27 21:43   >>

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画像楽器のつくり方 (92) 2008/4/27

オトテール・トラベルソつくりの次のステップとして、Ebキーを見てみましょう。

これまでのつくり方の記事は、青字クリックで参照できます:

象牙の足管つくり
象牙のヘッド・キャップつくり
象牙のバレルつくり
象牙のヘッド・キャップとバレル用のマンドレルつくり
象牙の磨き
頭部管つくり(内径)
中部管つくり(内径)
外形削りでの杢

これまで使用したオトテール・トラベルソの主要材は、人工象牙と、杢の美しい黄楊などの硬材。

でも、Ebキーだけは金属からつくります。 その例として、T.Lotモデルの場合については、→こちらを参照ください。

フォトは、オトテール・トラベルソのEbキーつくりの要点を示しています。

(フォトをクリックし、現れる新ウィンドウ内のフォト右下コーナーにカーソルを合わせ、現れる四角の拡大アイコンをクリックすると、より拡大してご覧いただけます。)

オトテール・トラベルソに限らず、わたしは、楽器のデータから実寸大の図面を起こしています。

図面起こしには、わたしは、A3サイズの方眼紙(グラフ用紙)を用います。 とくにオトテール・トラベルソには、A3サイズが必要。 と言うのも、きわめて長い中部管がA4では入りきらないからです。

方眼紙には、フォトに示すように実寸でEbキーも描いています。

この方眼紙のフォト・コピーを取ります。 次に、両面接着テープをコピー紙裏からキー部分を覆うように貼り付けます。 そして、Ebキーの外側に沿ってはさみを入れて型を切り取ります。

フォト奥は、キー材質として用いる洋白銀。 洋白銀と「銀」の名前が付きますが銀ではありません。 洋白、あるいはニッケル・シルバーとも呼ばれる「銀色をした」合金。 DIY店でも扱われ、入手も容易。 わたしは、その中で、1o厚のものを用いています。

これに対し、銀の板も入手可能ですが、こちらは「時価」で取引され、かなり高価。 (金ほどは高くはありませんが。)

洋白銀の板に、切り取ったキー型を、両面テープを剥いで貼り付けます。 フォト奥は、型を貼った様子。

型より少し大きめに鉄ノコで長方形に切り出します。 フォトの洋白銀板コーナーに、残った切り欠きが見えます。  

切り出した長方形の板を万力で挟み、型に合わせて金工ヤスリで削ります。 その様子は、→こちらにフォトがあります。 最初は、目の粗いヤスリで大まかに削ります。 そして、だんだんと型まで目の細かいヤスリを用います。

出来上がった型どおりのキーの板には、バリもあるほか、垂直に切り出したイメージが強く、わたしは、少し丸みをつけるために「面取り」を施しています。

さらに、細かな溝の切り込みの細工を施します。 これら仕上げには、とても目の細かい精密ヤスリを用います。

ところが、万力に挟んで行う作業中に、洋白銀の板に不要なキズがつくことがあります。 キズを取るために、最後に磨きます。

ワイヤ・ウール、あるいはスティール・ウールと呼ばれる極めて細い針金の固まりを用います。 番手は、最も細かいものは、0000番。 そのほか、00番、0番、1番と粗くなってゆきます。

元々ピカピカの洋白銀板ですから、スティール・ウールでこすると当然キズだらけとなります。 元の不要なキズがよほどでない限り、00番を用いて荒削りを行います。 ヘアライン仕上げと言って、一方向だけに細かな線を施す板金処理がありますが、それにならい一方向に磨きます。

次に0000番を用いて仕上げると、たいてい美しく光ります。 必要に応じてペーパーの3000番〜12000番、あるいは銀磨き(シルバー・ポリッシュ)を用いると良いでしょう。

フォト手前は、銀磨きも用いて仕上げたオトテール・トラベルソのEbキー(原寸図とは左右反対)。

このEbキーですが、どこかユニーク。 それはEb穴塞ぎ板の形状に飾りがあること。

通常、バロック木管のキーのEb穴塞ぎ板の形状は、四角、丸、あるいは台形です。 その穴塞ぎに長方形の腕が伸び、ひょうたん型の小指押さえ部が付きます。 T.Lotモデルの例では、→こちらを参照すると良く分かります。

ところが、オトテールの場合は、丸い穴塞ぎに、さらに「装飾の台座部」を持つ独特のフォルムをし、装飾性を高めているのです。

オリジナル楽器、とくに王室御用達のトラベルソやオーボエのキーの中には、彫金が施され、さらに装飾性を高めたものも残されています。

わたしも、いつか彫金のスキルを得て、細かな図柄を削り込んでみようとも思います。 木管つくりも、装飾性にこだわるまでになると、面白さがさらに増す気がします・・・


【関連記事】  青字クリックで記事へジャンプします。

オトテール・トラベルソの総象牙製フット・ジョイント
大きくてま〜るいオトテールトラベルソのヘッド・キャップ
左右対称のオトテール・トラベルソのバレル
双方向の同心確保:ピンチャックの応用
人工と言えど、輝きは本象牙に劣りません
オトテール・トラベルソ頭部管は、結構長いのです
オトテール・トラベルソ中部管は、もっと長いのです
外形を削ると杢(もく)の美しさが現れます
木管もキーは金属でできています
キーは、1本、1本、手でつくります
トラベルソの音出しには、Ebキーが必要です



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。

サイモン・ポラック氏のウェイネですが、

楽器が届いた時点では、キィの仕上げが荒く、
傷だらけで輝きがないうえ、辺縁で手を切りそうでした。

そこで、歯科用のツゥルを借りて、研磨しました。

一応、金属の加工や研磨は、
歯科医師としての教育を受けたので、半分プロだったりします。
わたにゃん
2008/05/09 14:14
わたにゃんさん、こんばんは。
●さすがは歯科医師の世界ですねー。歯科用のツールって回転するものの先に各種ビットや砥石の類やらが付け替えられるものですよね。いいですねー。
●人工象牙を削ったら硬く、そのようなルーターでやろうかと思っています。人工象牙でなく、本象牙やマンモスの牙など、相当硬いですよね。歯科医がわたしの歯の治療のとき、よく観察したら、意外と自分の歯は硬いらしくものすごい甲高い音を立てる割には少ししか削れていない・・
●そうですか、サイモンさんのキーの仕上げが悪かったそうで。意外と他の欧州の製作家でも雑な仕上げの楽器に当たる人もいると聴きます。ウィーネはどうか知りませんが、内径削りで雑なものも実際あるようです。計測してみて分かったことですが。
woodwind 図書館長
2008/05/09 23:09

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