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help リーダーに追加 RSS 完成した美しい杢のあるオトテール・トラベルソ

<<   作成日時 : 2008/05/11 23:50   >>

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画像楽器の書棚 (24) 2008/5/11

オトテール・トラベルソは、頭部管、中部管、足管の3つの部分(スリー・ピース)からなる3分割型。

前期バロック時代に生まれました。 →こちらにまとめています。

オトテール・トラベルソは、スリー・ピースと言えど、実際にはファイブ・ピースとも言うべきもの。 ヘッドキャップ、頭部管本体、バレル、中部管、足管の5つで構成され、バレルは頭部管本体から引き抜くことができます。

構造上の特徴として、ヘッドキャップ、バレル、足管(フット・ジョイント)が総象牙なこと。

それら象牙部分に代用品として、プラスティック製の人工象牙を用い、これまでつくり方を見てきました。 (それぞれ以下を参照)

ヘッドキャップ
バレル
フット・ジョイント

また内径上の特徴は、中部管テーパー度合いが低いこと。 その後の時代に4分割(フォー・ピース)型のトラベルソのテーパーが約1/50となったのに対して、オトテールでは約1/70。 緩やかなのです。

オトテールの中部管は、4分割の上管や下管と比べ長く、長い木材確保と、長い内径加工の点で難しさが増します。 (以下を参照)

中部管

この長い材には、オリジナル楽器と同じ欧州黄楊が望ましいのですが、現状は、長いものは入手がやや難しい。

フォトは、完成したオトテール・トラベルソ。 4本現存するもののうち、コピー楽器と見られサンクトぺテルブルグの楽器博物館に所蔵されるもの。 同様のものがベルリン楽器博物館にあります。

黄楊材の中には、フォトで示す中国(ミャンマー近く)産のように大変美しい杢(もく)が入ることがあります。 (→こちらも参照)

杢は、見る角度により見え方が異なります。 木というより、透明感のあるガラス質のような質感の中から模様が浮き出てくるような感じ。

(フォトをクリックし、拡大してご覧ください。フォト撮影してから気づきましたが、フォトでは杢が少ししか見えない角度となっています。)

年輪が見えるように木を切ったとき、表皮に近い部分を辺材(sap wood)、また中心に近い部分を心材(heart wood)と呼びます。 辺材は一般的には白っぽい黄色で、年輪の最外側に生まれ毎年成長してゆきます。

これに対し、心材は生まれてからの古い部分で、木の成長機能を止めた部分。 木により異なりますが、褐色、紫、黒など色がつきます。 色素部分の濃淡により、製材したとき縞模様などが現れ、杢(もく)と呼びます。

黄楊には、辺材と心材の明確な区別はなく、表皮の内側からすべて白っぽい黄色。 いろいろな黄楊材の魅力については、→こちらをご覧ください。

黄楊材のフォトのトラベルソですが、市販のグレナディラなど重いものと比べてずいぶんと軽く、演奏上も疲れを感じさせません。

音色は、すこし柔らか目。 同じフランスのロット(T.Lot→こちら)と比べても、音色はいくぶん異なります。 テーパーが緩やかなためでしょうか。 いずれにしても、A=392Hzのベルサイユ・ピッチの魅力がまたひとつ増えました・・・


【コピー】

材質: 中国(ミャンマー産)黄楊 イミテーション象牙 
     洋白銀製のキー No.0832  A=392Hz

【コピーとなったオリジナル】

材質: 欧州黄楊 European boxwood 本象牙 銀製キー
製作: フリートリッヒ・フォン・ヒューネ氏 Friedrich von Huene
     A=392Hz 

【オリジナル楽器】

所蔵: サンクトペテルブルグ 演劇音楽映画学院楽器博物館
製作: マルチン・オトテール Martin Hotteterre c.1705
     (19世紀のコピー楽器と見られる)
楽器: フルート・トラベルソ 黄楊 boxwood 象牙 銀製キー
     A=395(〜400)Hz


【関連記事】  青字クリックで記事へジャンプします。

オトテール型のバロックフルートをご存知でしょうか
大きくてま〜るいオトテール・トラベルソのヘッドキャップ
左右対称のオトテール・トラベルソのバレル
オトテール・トラベルソの総象牙フット・ジョイント
オトテール・トラベルソ中部管は、もっと長いのです
外形を削ると杢(もく)の美しさが現れます
黄楊材の魅力いろいろ
ベルサイユピッチの落着いたトラベルソの音色

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。

素晴らしい仕上がりですね。

個人的には、
ノースト(ノース?)の3管タイプが気になります。

象牙を使わず、木材だけで作られてるからですが…。
(例外はあるかも。)

でも、フランスのバロゥクは、今のところ縁がないので、
やっぱり、オゥボエの曲を全音上げて吹くと思います。

1750年頃の楽器ばかり吹いてるので、
もっと古い時代の楽器も吹いてみたいところです。
わたにゃん
2008/05/12 09:54
わたにゃんさん、おほめの言葉ありがとうございます。
●結構うまくゆきました。最初は、音がほとんど出ず、また音程も合わず、この黄楊ではダメかと思ったのですが、原因は種々あり、やっと公開できる程度に調整できました。
●ノースの楽器については、珍しいものが好きな愛好家が、わたしの知る限り複数人の読者の方がいらっしゃいます。やはり、誰でもが持っていそうでないモデルに興味が湧くようです。
●象牙ありなしについても好みが分かれるところ。しかし一度、象牙が好きになると、不思議なことにプレインのものが違って見えます。
●1700ごろの古い楽器と言えば、ノースのオーボエもあり、製作の計画をしています。バロックオーボエの愛好家には、やはり392Hzの楽器もほしくなるようです・・
woodwind 図書館長
2008/05/12 21:20

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