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zoom RSS 本紫檀の磨きとオイリング:透き通る赤紫の魅力

<<   作成日時 : 2009/04/25 15:34   >>

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画像楽器のつくり方 (99) 2009/4/25

紫檀の美しさがわが国に伝わったのは飛鳥時代の頃でしょうか。

遣隋使のあと遣唐使により、いわゆる唐木(からき)を用いた工芸品が伝わったものと思います。

奈良の正倉院宝物には、シルクロードを経て到来したペルシャからの宝物に加え、唐木細工も。

三大唐木の紫檀、黒檀、鉄刀木(タガヤサン)ですが、唐(中国)から伝わったものの、原産はタイ、ラオス、ベトナムなど。

紫檀は、マメ科のツルサイカチ属 Dalbergia で、いわゆる本紫檀と呼ばれるのは Dalbergia cochinchinensis 。 ローズウッド Dalbergia と同じ属みたい。

フォトは、ラオス産の本紫檀とローズウッドの頭部管。

フォトをクリックし、現れるウィンドウの右下コーナーの拡大アイコンをクリックすると、詳細まで見えます。 紫檀の表面およびローズウッドの質感をご覧ください。

頭部管のほうは、クラシカル・フルートのオリジナル楽器で、約200年前に製作されたもの(→こちら)。

ロンドンで見つけたとき、美しさに魅かれて思わず購入。 表面ですが、ニス仕上げのようにピカピカ光っています。 ニスではなく、オイル仕上げだと思いますが、その透明感の奥からローズウッド特有の美しさが浮き上がって来るのです。

この美しさを再現したくて本紫檀を購入しました(材は→こちらこちら、あるいはこちら)。

ローズウッドまたは近似種の材では、外形削りのあとのオイリングで瞬間に色が濃くなります。 時間が経つとさらに濃くなります。 モパーン Mopnane の例は、→こちら

フォト奥は、すでにリンシードオイリングを施したT.Lotの頭部管で、黒っぽく見えます。 その濃さは、手前のオリジナル楽器ほど。

右に立つのは、リンシードオイル漬け中のもので、漬けた部分は濃くなっています(オイル漬けは、→こちら)。

手前の上管や、下管、足管が漬ける前。 外形削りのあとのサンディングで、今回は、本紫檀の魅力を最大限に引き出すために念入りにしています。

普段、サンディングは#3000程度で済ませています。

ところで、材の中には「磨きに耐える」ものがあり、磨くほどに表面が鏡のようになります。

これまでの経験では、欧州黄楊が「磨きに耐える」材の代表格。 黒檀(エボニー)もそうですが、わたしの使う黒檀はAfrican Ebony で、#3000程度の仕上げではつや消しの美しさで、質感がやや違います(→こちら)。

本紫檀は、いくらでも磨けるようで、フォトでは#12000で大理石のような質感です。

大理石のような質感と言えば、人工象牙のマウントがそうです。 いつものように、#12000の仕上げですが、本紫檀に対しては、もっと磨かないとバランスが取れない感じ(人工象牙の磨きは、→こちら)。

本紫檀でつくるT.Lotトラベルソ。

最終仕上げが、とても楽しみになりました。 音色ばかりか、外観の美しさを求めて・・・


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コメント(17件)

内 容 ニックネーム/日時
本紫檀綺麗ですね。
オーボエ好き
2009/04/25 17:49
こんばんは。

ローズウッドの楽器は、
 欧州黄楊の楽器より力強い感じなのでしょうか?

いずれ、392Hzのアルト・リコォダァが欲しいのですが、
 ちょっと変わったキャラクタァが欲しいので、

プラムとか、果物系の軽い材でいくか、
 ローズウッド系でいくか、迷ってたりします。

曲は、ヴィヴァルディのコンチェルトですが…。

フランスの伝統的な楽器、バソンって、
 ローズウッドだったでしょうか?
わたにゃん
2009/04/25 23:56
オーボエ好きさん、こんにちは。
●ありがとうございます。本紫檀のオイリングしたあとは、オーボエ好きさんのココボロの雰囲気にとても似ています。落着いた美しさです。
●先につくった、マダカスカル・ローズウッドとも少し違う質感です。
woodwind 図書館長
2009/04/26 11:06
わたにゃんさん、こんにちは。
●欧州黄楊は、標準的、典型的な魅力があり、かつ素朴です。
●ローズウッド系は、少し個性が出る気がします。
●例1:メックのロッテンブルクのリコーダA=440Hzアルトは、明瞭で少し固めの金属的な感じ。材質はパリサンダーで、マダカスカル・ローズウッドと同じか。(図書館としての貸出品ではありませんが、試してみたいならどうぞ。)
●例2:記事のマダカスカル・ローズウッドのトラベルソ
 http://woodwind.at.webry.info/200605/article_3.html
リコーダは発音原理上明確ですが、トラベルソはアンブシャーによるため様子が違います。リコーダの金属的でなく、「落着いたしっかり感」が出ています。しかも「遠鳴り」するようで、ホール演奏にも向いているかも。実測比重で欧州黄楊0.93、ローズ1.03の差が出ているためか。力強さを求めるなら、比重1.2のモパーン。同じ比重のグレナディラも力強いと思います。
●フランスのバッソンって、ファゴットでしょうか。
woodwind 図書館長
2009/04/26 11:36
☆バソン
http://www.geocities.jp/bassoonist/selmernewbasson.htm
http://www.geocities.jp/efwan/bsn.html
http://www.bassons.jp/
オーボエ好き
2009/04/27 11:25
オーボエ好きさん、情報ありがとうございます。
●バッソンは知っていましたが、それはドイツ式のファゴットのベルをフレンチに変えるイメージが強かったです。サイトで見る限り、随分違うのですね。
●紫檀または黒檀で出来ているというところがすごいですね。と言うのは、楓に比べて比重が大きく、しかも支えがないのであれば、楽器自体が重くて大変そうですね。
●バッソンでもファゴットでも良いのですが、半分くらいのフォゴッティーノなどの図面が手に入らないかなあと考えたりします・・・
woodwind 図書館長
2009/05/01 22:18
こんばんは。

以前、状態が良くない中古のファゴットを持ってたことがあったのですが、
 教えてくれる人がいなくて、断念してしまいました。

ドゥルチアンか、バロゥク・バスゥンか、
 モダン楽器としてバソンをやってみたいのですが、

楽器が高価なことと、

声楽家はリィド楽器をやらない方が良い、と
 歌の先生が言うので、

なかなか実現できません。

けっこう手が大きいので、
 それを有効に活用したいのですが…。

メックのロッテンブルクのアルト、
 よろしければ貸してください。

ワタシのステンベルヘンはペアァ(洋ナシ)なので、
 鳴り方の違いを知りたいです。
わたにゃん
2009/05/06 22:11
わたにゃんさん。こんばんは。
●週末バタバタしていました。メックのロッテンブルク、土日あたりに梱包して発送しておきます。パリサンダー(マダカスカル・ローズ)の楽器は、洋ナシとは異なるものと思います。とても金属的な音です。一方、洋ナシの方は、包み込むような音色ではなかったでしょうか。永い間息を入れていませんので、使用にあたり、再度、ならし運転をお願いします。
●ファゴットもバッソンも製作がとても困難そう。でもあきらめず、製作の「手順」を練っています。U字管のあるほうは、2つのテーパー穴を平行でなく角度を以って空けなければならず、しかもテーパー方向が逆、おまけに2つのソケットはというと、平行にあけることが必要。これって、どの順に加工すれば出来上がるか、パズルのようなもの。のりしろ部分の材を多くとり、一つの工程のあと、別の工程に移る時、新たな軸を設けてゆくことになります。・・ふ〜む。
woodwind 図書館長
2009/05/11 22:33
こんにちは。

ワタシのリコォダァの慣らし方ですが、

 第1週:1日5分、
 第2週:1日10分、
 第3週:1日15分、
 第4週:1日20分、
 第5週:1日25分、
 第6週:1日30分、

でやっています。

それから、慣らしが終わっても、
 最大40分しか吹きません。

楽器によっては、頭部管のジョイントがキツくなってくるので、
 怖いです。

20年くらい使ってる、
 マラカイボ・ボックスウッドのステンベルヘンは、

80分くらい吹いても平気ですが、
 経年による効果でしょうか?

ただ、サム・ホゥルの2時の方向が減ってきたので、
 40分でやめることにしました…。

ペアァ・ウッドのステンベルヘンは、
 初めから、2時の方向が微妙に減ってましたが、

製作家によるものかも。
それだけ軟らかい材ということでしょうか?

いずれ、硬い材(本象牙は使いたくないです)で、
 補修しないといけなくなるでしょう。
わたにゃん
2009/05/12 16:59
バスゥンは、他の木管古楽器のように左利き対応ではないですね。
楽器が複雑すぎるのでしょうか。

バロゥク・バスゥンの代わりに、

以前話題になったヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを
 やってみたいと思ってます。

アルト・リコォダァの通奏低音にピッタリな気がします。
わたにゃん
2009/05/12 17:04
わたにゃんさん、こんばんは。
●左利き、右利きの両用は、やはり左右対称のものだけでしょうか。トラベルソも左利きにもできますが、それは1キーのみですね。クヴァンツの2キーのものですら左利きには不利。ファゴットは長いものを「折りたたんだ」格好ですから、左右逆にするには、裏表をひっくり返す必要があり、やはり左利きのは専用に作るしかないでしょうね。
●スパッラですが、どうやって入手するかですね・・ご自身で作るとか・・でしょうか。弦楽器をつくる楽しみは、面白そうですが、残念ながらまだ始めていません。
woodwind 図書館長
2009/06/02 23:11
こんにちは。

スパッラですが、
 1/8とか1/10のチェロから改造してもらおうかと思っています。

個人的には、4弦でいいと思っています。

その前にヴィオラをある程度弾けるようになっておかないと、
 手がかりが無さすぎて失敗しそうです。

お金がないので、いつ実現できるか分かりませんが…。

弦楽器が得意な仲間を見つけられるとおまかせできるのですが、
 ここ新潟市では、一匹狼な状態です。
わたにゃん
2009/06/03 11:18
こんにちは。

ロッテンブルグですが、
 1日20分、吹けるようになりました。

高音域はよく鳴るのですが、低音域が寂しいです。

低音域の練習曲を吹きまくっているのですが、
 なかなか成長してくれません。

堅い木だと時間がかかるのでしょうか?

そろそろお返ししようかと思っています。
わたにゃん
2009/06/29 12:52
わたにゃんさん、こんばんは。
●新潟市では一匹狼と言われますが、結構、新潟の方でバロック音楽や演奏がお好きな方がわたしへアクセスしていただいています。結構、お仲間が実はいるのではないでしょうか。
●ただ、スパッラを製作するような方がいらっしゃるかは分かりませんね。
●ロッテンブルグのアルト・リコーダーのプレーイング・インをしていただき、20分吹けるまでになったとのこと。おそらく30年以上息を通していませんでしたので、新しい楽器と同じプロセスを経ることになったことかと思います。
●低音息は、どのリコーダでも出しにくいものと思っているのですが、たとえばわたにゃんさんのステンベルゲンでは豊かに響くのでしょうか。
woodwind 図書館長
2009/06/29 23:04
こんばんは。

個人的には、お酒が呑めなかったりするので、
 サァクルへの参加を避けてることに問題がありそうです。

大学生の時も呑み会が苦手で、
 部屋にこもって、電子ピアノを練習してました。

今、ルイエ・ドゥ・ガンの
 「2つのアルト・リコォダァのソナタ ヘ長調」を

バロック・フルゥトとアルト・リコォダァのデュオで吹く、
 「実験」をしてみたいです。

近くに415Hzのアルトを持ってる人がいれば、
 面白いのですが…。

郷里の佐渡に帰ると、
 415Hzで合わせてくれる人がいますが、

既婚の方ですし、お仕事もされてるので、
 なかなか予定があわないですね。

ロッテンブルク、30年ぶりですか…。

初め、ウィンドウェイがつまりやすかったのは、
 気温が低かったからかも知れません。

でも、スティーンベルゲンは、
 あまりつまりませんでしたが…。

スティーンベルゲン(長いですね)は、
 低音域、けっこう鳴ります。
わたにゃん
2009/07/01 18:59
わたにゃんさん、こんばんは。
●ステンベルゲンは発売当時からよく鳴りそうな雰囲気でした。ロッテンブルグは、たしかフォン・ヒューネ氏の設計ですがが、どこまで忠実にオリジナルの特色を持たせたのか分かりません。30数年前、メック総代理店である、ご自宅へ上がりこみ購入しました。ソケット・テノンの最終調整として目の前でナイフで削ってくれました。そのとき自分も楽器をつくりたいとの思いを深めたことを記憶しています。
●お近くにきっとリコーダサークルなどがあると思います。アルコール抜きで、お酒の席で楽しまれる方が実に多いのですよ。ウーロン茶もビールや水割りに似ていますし、呑み助は、そもそも飲まない人を気にしていませんから。
●ソナタ・ヘ長調の、一人2重奏はいかがですか。片方を先に録音し、再生しながら合わせるのです。それでも結構、独奏と違い、合わせる楽しみ(苦しみ)を感じると思います・・
woodwind 図書館長
2009/07/01 22:33
こんにちは。

ロッテンブルクは、フォン・ヒューネ氏の設計ですね。
日本語化されたメックのホゥムペィジに書いてありました。

スティーンベルゲンは、
 古いものは、グィド・クレミッシュ氏の設計だったのですが、

新しい製品には、氏の名前が出てきません。
スティーンベルゲンのアルトは、生産中止になりました。

呑み会の雰囲気も苦手なんですよ。
人が多いとダメみたいです。

それと、肉が食べられなくて、
 お料理を楽しめないこともあります。

親しい親友と二人だけで、お食事&お話する方が好きです。

以前、MIDIでピアノ伴奏を作って、
 ドイツ・リィトを歌ってましたが、

やっぱり、歌いにくかったです。

でも、多重録音には興味があります。
ライヴよりスタジオ録音が好きなので…。
わたにゃん
2009/07/02 18:16

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