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zoom RSS 本紫檀のオイル仕上げはどこまで

<<   作成日時 : 2009/05/02 14:45   >>

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画像楽器のつくり方 (100) 2009/5/2

木管の表面仕上げについて迷うことがあります。

トラベルソやバロック・オーボエなど、バロック木管の表面の仕上げかたはいろいろ。

仕上げかたの違いの一つは、ステインするかしないか。

材の色が濃く、そのままで十分に魅力的な当時のコーカスウッド、エボニー、ローズウッドはステインは無用。 (色の濃い材の例は、→こちら

これに対して欧州黄楊など、白色に近いうすい黄色の材には着色が施されたものもあります。 着色法ですが、当時から硝酸が用いられてきています。 だいだい色から栗色まで色を濃くできます。

一方、欧州黄楊でもステインが施されていない楽器も多く現存します。

仕上げかたのもう一つの違いは、オイリングを重ねる度合い。

材を水分や酸から守るためにオイリングは欠かせません。 内径に用いるリンシー・ドオイルのほか、表面には別のオイルで仕上げたものも多いでしょう。

バロックからクラシカルの欧州黄楊のオリジナル楽器を見ると、表面がニス塗りかと思うほどガラスのように光るグロス仕上が多いようです。

ステイン仕上げのオリジナル楽器は、オイル仕上げがほとんど施されないのでしょうか、剥がれたものも多そう。

現代の木管楽器メーカや製作家の楽器では、ステインに加えリンシード・オイル仕上げが多く、表面が半ツヤ(つや消し)程度の落着いた美しさを感じます。

問題は、薄いオイル仕上げ。 酸から守れるものかどうか迷います。

わたしは、リンシー・ドオイルを含浸させたあと、外表面の仕上げには、人体に無害のタングオイル(桐油)ベースの仕上げ用オイルを使用します。 また、欧州黄楊のときは、決まって無着色(ノーステイン)でグロス仕上げ。

トラベルソの歌口周辺は、いつも唇やひげが当たるために使用するうちにオイリングとかステインが剥げてきます。

この剥がれを避けて楽器を守るため、オイリングは厚くしています(ローズウッドの例は、→こちら)。

フォトは、ていねい・じっくり仕上げによる製作中の本紫檀 T.Lot のトラベルソ。

リンシード・オイルのドブ漬け後に乾燥させているところ。 サンディングはこれまで#3000によるもの(→こちら)が多く、#12000まで細かなサンディングは初めてです。 本紫檀は、磨けば磨くほどつるつるとなります(→こちら)。

ここから、どれくらい厚く、あるいは薄く、仕上げ用のオイルを塗るべきか。

装飾品であればこのままでよさそう。 ですが、トラベルソは使うもの。 いつものようにグロス仕上げとするのがよいでしょうか・・・・


本記事は、「楽器のつくり方」の第100号の記念記事。 あえて、心の迷いを素直につづってみました。



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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
僕ならば、吹いてみてその感触からさらにオイリングが必要が判断すると思います。
せっかくの本紫檀ですから、その性質を存分に発揮させ鏡面になるまで磨くのも良いのではと思います。
オーボエ好き
2009/05/02 16:07
オーボエ好きさん、こんばんは。
●じっくり仕上げですから、様子を見つつやってみたいと思います。
●吹奏感からオイリングが必要かは、以前、オーボエ好きさんの言っていました、「内径のオイリングの程度(塗る頻度)のこと」でしょうか。
●外形のオイリングについても、実経験上のデータをお持ちでしょうか。楽器メーカによるとリコーダの外形に塗布するもの(着色+オイル??)で音質が変わり、企業秘密らしいですが、それほど変わるもかどうか・・
woodwind 図書館長
2009/05/05 23:45
☆これは外形へのオイリングの事です。どうはいえどもせっかくの本紫檀。その性質を発揮させることを優先させた方がとも思いました。
☆外形へのオイリングのデータはありません。今使っている木では外形へはオイリングしません。
☆ニスなら音が即変わりますよ。
オーボエ好き
2009/05/08 23:07
オーボエ好きさん、こんにちは。
●モダンオーボエでバイオレット(キング)ウッドのものがありますが、外形はオイリングはされていないか、いないように見える程度のようですね。しかし、それならば使用するうちに手の汗などで、すぐに黒くなるように思います。オイリングを施していても黒くなるとは思いますが。
●新しい試みとして、バフによる研磨も将来試みてみたいと思います。すなわち外形のオイリングは控え、光沢を持たせるやりかたです。
●当面は、水分や酸の防護として何層かのオイリング仕上げとしてゆきます。
woodwind 図書館長
2009/05/17 17:42

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