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zoom RSS フルートダモーレ:実物はやはり大きい足管です

<<   作成日時 : 2009/10/01 22:04   >>

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画像楽器のつくり方 (106) 2009/10/1

フルート・ダモーレつくり挑戦を開始しました(→こちらも参照)。

まず足管から。

ここまでの工程では、普通のトラベルソつくりと変わらない方法、工具、冶具で加工ができました。

フォトは、外径までラフに削ったもの。

フォトをクリックし、拡大してご覧いただくとわかりますが、足管に使用した欧州黄楊には、渦巻き状に流れるような模様や黒っぽい部分があります。

写っていない、裏面には灰色のしみのような太い線状の模様もあります。 これらの節というか根っこの塊のような部分は、「欠陥部」として、通常は木管の本体には用いられません。

しかし足管は別で、さほど音響特性に影響せず、貴重な材の有効利用を図るために使用されます。

わたしの購入したC,Wells氏作のSchuchartもそうで、幅が1〜2mmの流れるような溝すらあります。 溝はパテで埋められています。 欧州黄楊はそのような節部分などを多く含み、長い材が取れないことから本体でもしばしば見かけられます。

わたしの入手した多数の短い材(4〜5インチ)の中で、フォトの材だけがそのような欠陥部分を持ちながら怪しい魅力を放ち、太目の材であり、その用途を「ダモーレ足管」と決めてきたのです。

(「あやしい模様の魅力」に関しては、→こちらの材にも現れ、魅力を引き出しています。 ご覧ください。)

広角気味のレンズのイタズラで、後ろにあるものより前にある方が大きく写りますが、それにしても大きく、一回り、あるいは二回り大きいですね。

計測図面により寸法データが分かり、これを実寸大でグラフ用紙に書き写しています。 グラフ用紙で見ているものの、つくってみてはじめて実際の大きさを感じとることができました。

物理寸法(実寸)を紹介しましょう:

●長さ
 ・トラベルソ 100mm  ・ダモーレ  131mm  (比率 1:1.31)

●末端外径
 ・トラベルソ 25.1mm  ・ダモーレ 29.7mm  (比率 1:1.18)

●重量
 ・トラベルソ    35g  ・ダモーレ    66g  (比率 1:1.89)

材質は、いずれも欧州黄楊。 洋白銀のキーがあるかないかの差異を無視すると、体積比=重量比を計算で求められます:

●体積比(計算)
 ・トラベルソ  1 x 1 x 1 ・ダモーレ  1.31 x 1.18 x 1.18 = 1:82 (比率 1:1.82)  ほぼ重量比と一致。

長さで30%、重量で80%以上もダモーレが大きいことが分かります。

管全体でも、仕上げたものはおそらく似たような値となり、1.3倍長くて、2倍弱の重さの楽器となることが予想されます。

木組みした材の全体イメージは、→こちら。 (木組み・木取りは、→こちら

ところで、楽器は人が手にして使うもの。 人の感覚はとても繊細です。 少し重いだけでも、重量感を感じ、演奏にも影響してきます。 その意味で、2倍近いものは「重い」部類に入るかもしれません。

楽器としては、太さも演奏上、影響を与えます。 径で18%も太いと、左手、あるいは右手での指使いが苦しくなるかもしれません。

重量に関しては、使用する材で決まります。

使用した欧州黄楊(比重 0.93前後)でなく、もっと軽い材でつくることもできます。

例えば、ハードメープル(比重0.71)とか日本のイタヤカエデ(比重0.67)の場合は、欧州黄楊に比べて比重が70%前後ですから、ダモーレの重量は、1.82 x 0.7 = 1.27 となり、トラベルソの30%増し程度に押さえることができるでしょう。

ただし、それらの材に変えた場合は、明らかに異なる吹奏感および音色となるでしょうから、オリジナルのステンズビーJrの特性が失われるかもしれません・・



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