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zoom RSS フルートダモーレ:外径削りを終えました

<<   作成日時 : 2010/04/11 20:05   >>

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画像楽器のつくり方 (116) 2010/4/11

ダモーレの外径削りをひとまず終えました。

この連載も以下のように進め、70%かた来ました:

 ●使用する材料  →こちら
 ●足管の加工   →こちら
 ●足管の実物   →こちら
 ●下管の加工   →こちら
 ●下管マウント  →こちら
 ●上管の加工   →こちら
 ●頭部管の加工 →こちら

フォト左端の30cmの定規と比較すれば、おおよその大きさの見当がつくでしょうか。

左から順に、 

 − 頭部管     259.5o
 − 上管       267.9mm
 − 下管+足管  295.6mm

ステンズビー・ジュニアのフルート(トラベルソ)の独特の形状をレビューしてみます。

●頭部管

・象牙のヘッド・キャップと本体の接続は、頭部管の最上部(最北部)にヘッドキャップを受け入れるテノン構造。 このテノン構造は、同じ英国・ロンドンの製作家(ドイツから渡ったと見られる) Schuchart と同じ構造をしています。

(Schuchart のトラベルソは、→こちらを参照)

・この接続部には、ネジが掘られています。 16T/インチ=25.4o間にネジ山(谷)が16個。 約1.6o間隔となります。 ネジ溝の深さ、0.96o。

・ヘッドキャップに続いて、さらに象牙のマウント(幅18.96o)があり、同様にねじ構造。

・このネジ構造の働きが理解できていません。 トラベルソより太い頭部管のために水分、そして乾燥による膨張・収縮対応が主な目的かと想像します。

・フォトの頭部管は、ネジ構造を採らず、人工象牙マウントを接着剤で止めています。 ただ、接着剤による強制的な収縮による割れが心配ですから、弾力性のある接着剤を用いました。

・上管との接続は、テノン形式。 このような形式は、トラベルソが4分割(4ピース)となる前の形状である3分割’3ピース)の時代の、頭部管と中部管を接続するバレル形式の延長と見られます。

(3分割の例として、オトテールのトラベルソのバレル接続形式は、→こちら

●上部管

・頭部管との接続部として、上部(北部)にソケットを持つ形式。 この形式は、通常の4分割(4ピース)トラベルソの下管と同じ構造。

・ソケットを持つことから、フォトで並んでいる下管の「兄貴分」と言えるもの。

・やはりネジ構造で、頭部管とは異なるメスネジ構造。 約26T/インチ。 約1o間隔。

・ソケット径30o、ネジ溝の径約34oもあるため、木部の膨張・収縮対策のためか。 フォトでは、ネジ構造を略。

・象牙マウントの形状は、3分割とラベルソのバレルの対象形状の半分と同じ形状。

・象牙マウントの最大径は、42.55o。 したがって、用意すべき人工象牙丸材の径は、45oΦ以上となります。 径が大きくなると、径の2乗で体積が増えますから、とても高価な材。 ほとんどくり抜きますから、利用率は、15%〜せいぜい20%ぐらいでしょうか。

●下管

・上管と同じ形状および構造。 フォトでは、ネジ構造を略。

●足菅

・通常の4分割とラベルソの足管と同じ形状。 ただし、長さが30%増し。

・取り付けるキーを今後つくりますが、長さも厚さも大きなものです。


以上の各ピースの外形削りまで終了し、仮につなぎ、その大きさを実感として捉えることができました。

手に取り構えた感じは、長い・・、しかし思ったほどではないか・・・



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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
足部管の木目が綺麗ですね^ ^
オーボエ好き
2010/04/12 10:54
オーボエ好きさん、こんばんは。
●いつも撮影するとき、楽器が思うとおりにじっとせず重量の関係で重いほうに回転します。手前の頭部管も、上管もそれぞれ欧州黄楊独特の杢や模様があります。それが写っていないのが残念。
●一方、足管はフォトの角度で魅力ありますが、その他の角度では黒い模様などが混じります。そんなわけで最終的に全体としていい角度を選びます。
●ところが、オリジナル楽器を見ると、頭部管の歌口線上とマークが46°ずれています。実際、46°も内側に向けて吹くのでしょう。ここのところをどうするかが検討するに値すると思います。
woodwind 図書館長
2010/04/16 23:31
☆マークがずれているのは、僕も頭部管の内側への向け具合を示しているのではと考えています。マークまで再現しなければ通常通りでよいのでは?

☆小さくなった消しゴムを見えないところにおいて楽器の角度を固定する技を使うことがあります。
オーボエ好き
2010/04/21 22:25
オーボエ好きさん、こんばんは。
●ダモーレの調整を始めました。確かに、46度ほど内側でもいいくらいです。歌口の大きさに対して、どのようにウンダーカットすべきか、結構ノウハウが必要そうです。
●小さな消しゴムの件、そうですね。わたしは、セルテープの接着面を外にして小さな輪をつくり、軽く貼り付けていますが、面倒なのでやめたらフォトのとおりとなりました。
woodwind 図書館長
2010/04/24 22:08
☆対象の楽器を自在に吹きこなせる腕が欲しいといつも思います。
オーボエ好き
2010/04/25 22:28

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