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zoom RSS フルート・ダモーレ:ヘッドキャップも大きいです

<<   作成日時 : 2010/05/03 16:13   >>

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画像楽器のつくり方 (117) 2010/5/3

今回は、ヘッドキャップつくりを見てみましょう。

これまでの連載は、青字クリックでご覧いただけます:

 ●使用する材料   →こちら
 ●足管の加工    →こちら
 ●足管の実物    →こちら
 ●下管の加工    →こちら
 ●下管マウント    →こちら
 ●上管の加工    →こちら
 ●頭部管の加工  →こちら
 ●外径削り揃い  →こちら

オリジナルのヘッドキャップは象牙ですが、わたしは人工象牙を用います。(人工象牙材は、→こちら

このステンズビーのダモーレ頭部管は、ヘッド側に象牙マウントを持ち、さらにキャップが付く構造。 

計測図面(ベイトコレクション楽器博物館から有料で入手できます)を見ると分かるように、マウントはキャップに近くなるにつれ細くなるテーパーが付いています。

そのためでしょうか、マウントとキャップにより、2段階のキャップあるいはマウントが付いているのでは、と感じます。

キャップですが、やはり通常のトラベルソより大きく、削り応えがあります。

キャップつくりは、まず頭部管が入るソケットから始めます。 径が28.59mmΦ、深さが12.74mm。 そこで、1-1/8インチ(28.68mm)のフォースナー・ビットを使用しました。

問題は、フォースナー・ビット、あるいはソートゥース・ビットの刃先。 (ビットは、→こちらをご覧ください)

刃そのものは、平らな底穴となるように付けられていますが、刃先が三角形のキリ状。 したがって、加工後のソケットを見ると、きれいな平底の真ん中に円錐の溝が出来てしまいます。

トラベルソのソケットつくりでは、中心の円錐溝は、内径中心の空洞に位置し、架空の溝ですからなんら問題ありません。

このキャップのソケット底の円錐溝を作らないようにするために、フォースナー・ビット先端の三角錐をカットしてしまうことが考えられますが、そうすると、穴あけ作業でのセンタだしが出来ず、うまくありません。

計測図を見ると、ソケット底は平らでなく、中心に向うテーパが付いています。 したがって、円錐溝ごと削ってしまうような底リーマをつくるか、底削りヤスリ(サンドペーパ等)をつくればよいでしょう。 今回のソケットつくりでは、円錐溝を残したままとしました。

フォトは、加工中の人工象牙材。

ソケット穴あけ後に、底に残った中心の円錐溝にあてがうように芯押し台(テールストック)に取り付けた回転センタで固定し、外径削りを行っている様子。 (回転センタは、→こちらを参照)

芯押し台にて必要以上に強く押すと、プラスティックの人工象牙材ですから、容易に溝を深くしてしまいます。

溝が深いと、キャップ先端面がそこだけ薄すぎるようになってしまいます。 そこで、フォトでは、計測図面の値より厚く切り落とすようにしました。

切り落としたあと、キャップ先端に模様加工が必要な場合には、専用のマンドレルをソケットに差しこみ、マンドレルを旋盤チャックに結わえて、同心円上の溝削りを行います。 (マンドレルの例は、→こちら

ステンズビーのこのキャップは、そのような先端模様がありませんので、切り落としたあとは、磨くだけとなります。

キャップつくりが終わると、あとは足管のキーつくり、歌口・指穴空けの加工を経て、調整段階へと進みます。 完成が楽しみです・・


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
人工象牙は熱を持ちすぎると楕円になってくるし、いっきに深く削ると欠けが生じる材なので、削るときは慎重にやってます。
日本で作られている人工象牙には模様が入っていないそうです。かなり高価だったと思いますが、いまいちなのです。
オーボエ好き
2010/05/05 13:03
オーボエ好きさん、こんにちは。子供の日で休みです。
●熱はかなりなもので、フォトでも芯ぶれ防止との接触面が、茶色に焦げています。
●割れる件、そうなんです。わたしも、角などをよく割ってしまいました。慎重に刃を当てるようにしています。
●模様の件ですが、日本のものはないとのこと。わたしの使用する材より、もっと模様の入ったものを先日見かけましたが、それはもしかしたら本象牙だったかも。
●いずれにせよ、人工象牙といえど高価ですね。とくに径が太くなると2乗で体積が増えますから、その割合で価格が上がる。中型木管や、オーボエベル用など、かなりな金額になりますね。
woodwind 図書館長
2010/05/05 13:29

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