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zoom RSS ブビンガ:オーボエ材として試してみましょう

<<   作成日時 : 2010/10/17 14:20   >>

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画像楽器のつくり方 (122) 2010/10/17

ブビンガという材をご存知でしょうか。

木目や色合いの魅力もさることながら、最もすぐれたというか、きわめつけの要素があります。

それは、硬材(ハード・ウッド)のなかでも、大きな材が取れる(採れる)こと。

 名称: ブビンガ Bubinga (マメ科)
 学術名:  G.tessmannii J.Leonard
 産地: アフリカ(カメルーンなど)
 比重:  0.86〜0.94
 成木: 直径 1m、樹高 25〜30m

バロック木管に用いられる黄楊やグレナディラなど、径が20〜30cm程度で、またまっすぐ伸びない材と比較すると余裕があります。 本黄楊については、→こちら、や→こちらをご覧ください。

とくに中型〜大型の木管つくりでは、黄楊などでは実質上不可能なものもブビンガならそれが可能。 テナーリコーダやバスリコーダなどに用いるメーカもあるようです。

ちなみに、わが国で昔から伝わる大太鼓(和太鼓)は、欅(ケヤキ)の大樹をくり抜いて作られます。

しかし樹齢数百年もの大樹は、今や多くは採れません。 そこで代替材としてブビンガが用いられるようになったとのこと。

●バロック・オーボエ材への適用

通常のトラベルソつくりに必要な材は、1.5インチ(38mm)の角材で、長さ9〜10インチ。 なんとか入手できます。

しかし、オーボエとなると、事情が変わります。 長さも、11〜12インチと長く、とくに良質の欧州黄楊材の入手が難しい。 

問題は、ベル材。 2.5インチ(63.5o)以上の角材が必要。 芯を含む材は割れやすく、芯を外した半割りから木取ると材の径が5〜6インチ以上になり材自体が多く採れません。

6インチ径の黄楊が見つかっても、広葉樹ですからまっすぐ伸びず長さが取れません。 余裕を見て8インチ(20cm)クラスともなり、きわめて希少であることが分かります。

オーボエ・ダモーレやテナー・オーボエとなると、困難性も増します。 

オーボエ・ダモーレ用の材を半割り材から確保したときの例は、→こちら、→こちら、や→こちら

そこで、1m径の大太鼓でも作れるブビンガ材を入手し乾燥させてきました。

フォトがそのブビンガ材。 大きさが分かるように、オーボエ・ダモーレ(中央)、およびテナー・オーボエ(手前)を置いています。 

■ベル用の材の確保

右半分の3本の材は、2.5インチ(63.5o)角材を探し求めたて見つけたもの。 材の入手に関しては、→こちら

径が大きなブビンガは、テーブルの天板にも使われます。 その2.5インチ厚の材からベル用の角材がとれるはず。

3本の材は、実は、元々2.5インチ厚の板。 入手するときに66o幅の角材にしてもらったもの。

手前2本は、63.5x66x734o。 ベル用として確保できました。 フォトから分かるように、杢(もく)が混じり、魅力的な材です。 (杢(もく)の入った材のイメージは、→こちら、や→こちらを参照)

オーボエもベル径が大きな一部のモデルとか、手前にあるテナー・オーボエでは、この2.5インチでも十分ではありません。

奥の1本は、66o幅に木取りした残りのナリユキ材。 63.5x43.5o。 ベルには用いることが出来ず、43.5o角材として使用します。

■上管・下管用の材の確保

左半分の3本の材は、2インチ弱の角材(51.5x46mm)。 長さが 2,735o。

さすがブビンガ。 2.7mもあるのです。 長すぎて運搬にも不便ですから、長さ1mを2本、0.7mを1本に切ってもらい入手しました。

●木管楽器としての適切性

中型や大型の木管楽器は、楽器そのものが重くなり、演奏上の困難性も増します。

フォト手前のテナー・オーボエは、Wijneモデル。

オリジナル楽器と同様、すべて欧州黄楊で復元。 持つと重く、その大きさとあいまって演奏がやや難しい。

この大きさでは、黄楊よりも軽いカエデ材なら操作性は増すでしょう。

カエデ材は、ファゴット(バッソン、バスーン)に使われる定番の材。 このカエデ材に比べ、ブビンガは重くて黄楊と同じくらい。 フォトのブビンガ材の比重も、0.88 ほど。 

音色はどうでしょう。 比重が同様なら、音色の硬さ(やわらかさ)も黄楊と同じようなものでしょうか。

製材した状態のブビンガ材は、かなり荒く見えます。

もちろん製材したばかりの表面の荒さと、仕上げ面の荒さが直接対応する訳ではありません。 種々の材の製材面と仕上げ面の違いの様子は、→こちらをご参照。

緻密さのほかに導管(水を吸い上げるための穴。穴の配置と大きさからも木の分類がなされています)の含まれ方も影響するかも。

いずれにせよ、ブビンガでつくるバロック・オーボエ。 音色や吹奏感がどのようなものか、楽しみです・・・


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