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zoom RSS オーボエ・ベルでは、両側からの内径加工が必要です

<<   作成日時 : 2011/05/21 22:18   >>

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画像楽器のつくり方 (124) 2011/5/21

角材から丸材への加工(→こちら)の次のステップに進みます。

材の加工は、木工旋盤の主軸台に取り付けたチャックに材を結わえます。 そして、反対側の芯押し台にドリル・チャックを取り付け、ドリルやビットをセットします。

内径の加工が片側から済んでしまう場合は、そのあと両側からセンターで挟み外形を削ります(→こちら)。

問題は、ベルつくり。

ベルの場合はそれでは済まず、両側から内径を加工することが必要です。 (→こちらも)

ところでチャックには、2種のタイプがあり、段取りも異なってきます:

 − 圧縮 (compression) タイプ: 材を外側から挟み込む
 − 拡張 (expansion) タイプ:: 材の内径(内側)から突っ張る

今回は、その問題を取り上げました。

●圧縮タイプのチャックを用いた加工

わたしのチャックは、本体に固定径の圧縮用のアクセサリーを付け替えるもので、メインは1インチ(25.4mm)径を使用(イメージは、→こちら)。

1インチ以上の穴をあけた側に、この1インチ径のチャック結わえ部はつくれません。 そこでベル加工には、大小2本のチャックを用いています:

 − 1インチ径の圧縮タイプ :ソケットつくり   :上側から
 − 2インチ径の圧縮タイプ :朝顔の内径削り :下側から

ここで材の上側、下側、オーボエを構えたときの上側と下側です。

●ソケットつくり

フォトは、加工中のベル材2本。 (フォトをクリックし、拡大画面でご覧下さい)

2本の材とも前面が上側で、背面が下側。 左手の丸材側面には、「上」マークを鉛筆で書いています。 (木取りの場面で「上」マークにより材の上下を管理します→こちら

フォトでは背面は見えませんが、下側に1インチ径のチャック結わえ部を施しています。 チャックに結わえ上側からフォースナー・ビット(→こちら)で@24oΦのソケットの穴掘りと、A20oΦの中心径掘り(ベル長の半分まで)を済ませています。

●反対側チャック結わえ部つくり

ソケットつくりのあと材をひっくり返し反対側から加工します。 そのためにソケット加工された上側に、2つ目のチャック結わえ部をつくります。

ソケット内径は24o。 もし1インチ(25.4mm)径の圧縮タイプ用の結わえ部をつくると厚さがたったの0.7oしかありません。 ペラペラですからすぐに割れてしまうでしょう。

そこで、1インチでなく、2インチ(50.8o)径の圧縮タイプの結わえ部をつくります。

ベル・ソケット(上)側の仕上がり寸法は、最大径38.8o。 2インチ(50.8o)なら十分。 50.8o径で深さ8oに絞まるアリ継ぎ構造のチャック結わえ部(→こちら)をつくり、材を「しっかり」固定します。

フォト右手の材では、2インチ径のアリ継ぎにより結わえもの。 そして下側からの朝顔状の内径つくりへと進みます。

●チャック付け替えによる同心ズレ

両サイドから内径加工では、一旦、材をチャックから外します。

ところで、木工、金工を問わず旋盤加工では、「一度チャックに結わえたら、可能な限りの加工を施し終える」ことが要点。

理由は、材を再び結わえ直したとき、中心ズレを生じるため。

金属では緻密で均一なことからズレは小。 しかし木材では均一でなくズレが大きく、その結果、同心(芯)を保てなくなります。

「いかに同心を保つ」か。 バロック木管つくりのポイントがここにあります。

●ではどうするか

外形削り(→こちら)では、両側の内径にそれぞれ適切なセンター(円錐型アクセサリー: →こちら)で挟みます。 内径を基準とするため外形と内径を同心に保つことができます。

ベル加工でも原理は同じハズ。

ところが次の理由により、作業はやや難しくなります:

 − ベル朝顔の内径は大きく、適切な市販センターが少ない(自作木製センターは、→こちら
 − ベル外形は装飾に富み、かつ径が大きく、センター挟み加工では「すべりやすい」

そこで、フォト右手のようにチャックに結わえたあと、反対側からの加工に先立って、できる限りの外形を削りを施しておきます。 90%ほど完成している様子が見えます。

このようにしておいて下側から朝顔の内径加工へと進みます。


フォトのように撮影のために、旋盤からチャックごと外してしまいました。 これを再び旋盤に取り付けて、はたして同心の確保ができるでしょうか・・・



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