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zoom RSS 10年寝かせた欧州黄楊でつくるトラベルソ

<<   作成日時 : 2011/08/28 14:54   >>

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画像楽器のつくり方 (126) 2011/8/28

黄楊(つげ)材をご存知でしょうか。

つげは、柘植とも書きます。

きれいな明るい黄色が魅力的なので、わたしはもっぱら「黄楊」の字を用いています。

ときに杢(もく)が入り、その縞模様がなんとも言えず魅力的。

硬くて緻密で極めて均一なことから、わが国では櫛とか将棋の駒の材として、また稠密な彫刻の材として用いられています。

しかし本黄楊と呼ばれる和黄楊や欧州黄楊 European Boxwood は、次第に入手が難しい材となっていおり、バロック木管楽器の応用では代替材も使われています。

本黄楊については、→こちらを、またその他の黄楊材は、→こちらに取り上げています。

●10年の自然乾燥

楽器に適する材(硬材)ですが、良く乾燥させてから加工します。 (→こちら

乾燥が不十分だと楽器に仕上げたものの、曲がりや、径が楕円となるような狂いが生じます。 どれほど狂うかは、→こちら、や、→こちら

わたしは、材を入手するとラベルを貼るか、直接鉛筆書きで年月日を記入します。(→こちら) 角材を丸材にしてから乾燥させる場合でも、やはり年月日を記入して乾燥期間の管理を行うようにしています。

10年の自然乾燥が理想と言えるでしょうが、これも材の種類により異なるでしょう。

木材業者により部分乾燥を施し商品価値を高めた材も販売されています。 一方、自然乾燥で20〜30年の長期にわたる倉庫保存の材もあるようです。

●月日の経つのは早いもの

わたしは楽器つくりを始めてはや15年。 当初購入した材を15年間乾燥させてきました。

木管楽器に適する材を次々と購入し、いつか加工するであろうそれらの材を自然乾燥させ、気ついたら何年も経ちました。

黄楊のほかにも魅力的な硬材があり、→こちらに紹介しました。 また材の入手に関しては、→こちら

●トラベルソへの適用

フォトは、角材から丸材へ加工した状態で10年以上乾燥させた欧州黄楊。

手持ちの材の木目、色合い、緻密さ、そして比重を調べ、トラベルソつくりのために厳選したもの。

黄楊は、一般に短い材しか入手できません。 そこで、トラベルソなどバロック木管つくりには木組み(→こちら)を行います。 各部に適する材を色合いや木目の流れを見て組合せ、全体として木管楽器としての価値を高めるようにします。

フォトの木組み材は、もともとロッテンブルグ G.A.Rottenburgh モデルつくりのため管理してきたもの。

ところが最近になって、グレンザー C.A.Grenser のオリジナル楽器を所有される方から情報をいただき、そのモデルの図面も載っています。

その容姿もとても魅力的。 そこで、計画を変更し、グレンザーモデルつくりに用いることにしました。 

●欧州黄楊の比重

現代の著名な製作家の作品を手にするとき思うのは、黄楊 Boxwood のトラベルソがかなり重いこと。

本黄楊の良材を厳選しているのでしょう。

欧州黄楊の場合、比重は 0.93 程度。 実際の材は、0.8〜1.0ほどのばらつきがあります。

そこで、実際の比重を測定しました。 その結果は以下:

 ・頭部管  1.00
 ・上管    0.96
 ・下管    0.96
 ・足部管  1.03

厳選の際、自然に重い材を手にしたのでしょう。

これら良材から出てくる音色に期待が持てます・・



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