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zoom RSS オーボエのブビンガ材の半ツヤ仕上げ

<<   作成日時 : 2012/09/02 20:28   >>

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画像楽器のつくり方 (129) 2012/9/2

ブビンガのオーボエつくりを進めましょう。

フォト右側は、すでに磨きとオイリングを済ませたベル。(→こちら) 

そして左側は、今回、外形削りを終えたあと磨いた上管。

これらのオーボエの各部を1本の材から木取りをしています。(→こちら

ところで、バロック木管に適する硬材はいろいろあり、それぞれ魅力を放ちます。(→こちら

●磨きとオイリング

ところが、硬材の表面を磨きオイリングを施すとき、以下を経験します:

@オイリングを重ねて、ピカピカのグロス(鏡面)仕上げにできる材がある、一方、
Aオイリングを重ねても、マット仕上げ(半ツヤ)にしかならない材があること。

●楽器博物館のオリジナル楽器

バロックからクラシカルのオリジナル木管楽器をご覧になったことがあるでしょうか。

世界の楽器博物館を訪れると、普通はガラス越しですが、フルート・トラベルソ、オーボエ、クラリネットなどが展示されています。(たとえば、ミラノ博物館のクラシカル・オーボエ→こちら

当時、木管楽器の材として黄楊が多く使われました。 200〜250年経った今、オイリングした表面が、飴色に近い黄色で、ニス仕上げのような光沢を放ちます。

一方、オリジナル楽器の中には、黄楊を硝酸を用いて着色(ステイン)仕上げをしたものもありますが、着色しない黄楊は、材の木目や杢(もく)そのものが美しく、惹かれるものがあります。(黄楊の魅力は、→こちらも)

●グロス(光沢)とマット(半ツヤ)仕上げ

黄楊にもよりますが、黄楊は磨くほど光沢が現れます。 緻密で硬く、地面から水を吸い上げるための導管も目には見えないようです。

そのため、黄楊はリンシードオイルを施してマット仕上げとしたあと、タング(桐油)ベースの仕上げオイルの塗り重ねると、グロス仕上げとすることができます。

他の硬材、たとえば本紫檀(東南アジア産)やローズウッドでは、どうでしょうか。

これらも磨いたあとリンシードオイルによりマット仕上げとなります。 そのあと仕上げオイルでグロスにしようとしてもうまくいきません。(本紫檀の仕上げの例は、→こちら、や→こちら

これらの硬材も木理が緻密で硬いことは黄楊と同様。 ところが表面に導管が見えます。

導管は、地中から葉に至るまで水を運ぶために、縦向きの細胞の上下に穴があきいくつもが連なってパイプを構成したもの。

導管の細胞も含め、硬材の細胞が緻密で硬く、それら細胞の部分は磨くほどに光沢がでます。

しかし穴のあいたパイプ部分自体は空洞。 導管がとくに太い硬材では、乱反射し、全体としてグロス(光沢)とならないのでしょう。

●ブビンガ材はマット仕上げ向き

フォトの左側の上管を再びご覧ください。

ブビンガも緻密で硬い材ですから、サンディング(サンドペーパー)により光沢がます。

目の粗い#120番手ぐらいからはじめ、目の細かい#12000までを使用(目の粗さは、→こちら):

#120/240/400/600/800/1000/1500/1800/2400/3200/4800/6000/8000/12000。 

頭部管の先端は、プラスティック製の人工象牙(→こちら)。 人工象牙はいくらでも磨け、#12000番手でフォトのようにピカピカになります。

ブビンガも人工象牙と同様に#12000番手で磨いたものの、全体的に見て人工象牙のようにはなりません。

このあとオイリングを施すと、フォト右のベルのように半ツヤ(マット)仕上げとなります。

海外の著名なバロック・オーボエ製作家の作品で、マット仕上げの魅力的な輝きに胸を打たれた想い出があります。

いったい、どのようにすればこのような美しいマット仕上げにできるのか不思議でした。

材にもよりますが、美しいマット仕上げは、リンシード・オイリングの前の「十分な磨き」に掛かっているうようです・・。


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