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zoom RSS 木工旋盤の振れ止めを改良してみました

<<   作成日時 : 2013/06/03 14:00   >>

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画像楽器のつくり方 (137) 2013/6/3

木管つくりで重要なことは内径つくり。

その内径つくりですが、長い材へいかに穴をあけるかが要点となります。

木管つくりでは、金工用と木工用のいずれの旋盤も用いることができます。

●金工旋盤

用途は、一般に、工業製品の金型とか、工作機械やその部品をつくること。

特徴は、要求される高い精度で金属を加工できること。

加工時の精度誤差を押さえるため、加工する(切る側の)刃物の振れだけでなく、加工される(切られる側の)材の振れをなくす工夫がなされています。

結果として旋盤は重量物。 たとえば、20kg〜200kg、あるいはそれ以上あります。 加工精度を保つため、この重量物を支え、かつ振動しない床の確保が重要。

扱える加工物の長さである芯間も、小型の卓上旋盤では、200〜450mm程度。 それ以上の芯間は、中・大型旋盤であり、通常、加工業者の設備となります。


●木工旋盤 (→こちら

用途は、一般に、木材による工芸製品をつくること。 趣味のウッド・ターニングでも人気があります。

特徴は、大きく・長い材を加工できること。

工芸品ですから要求される加工精度は、工業製品と比べると高くなく、主に外形を削ります。

しかし木管つくりでは、外形削りのほか、内径削りが重要です。

長い材(150〜300mm)に穴をあける(掘る)ためには、材の長さ以上のロングドリルを用います。 材とドリルの長さの合計以上の芯間(たとえば、300〜600mm)が必要となります(→こちらで一目瞭然)。

金工旋盤とは異なり、木工旋盤では芯間が24〜36インチ(600〜900mm)ものが安価に入手可能。

わたしの旋盤は、芯間24インチ(600mm)。

産業革命の発祥、英国の伝統的な工業都市製のもので、つくりも良く、英国にて購入。 わずか£99(ポンド)。

●振れ止め (→こちら、や、こちらもご参照)

問題は、長い材の木管つくりでは、とくに振れ止めが必要となる工程があること。

木工旋盤加工では、一般には、主軸台(head stock)と芯押し台(tail stock)のセンターとで材を固定し、回転させて外形を削ります。

一方、内径削り(穴掘り)では、芯押し台にはドリルチャックを取り付けてロングドリルを結わえ、主軸台に取り付けたチャックで材を固定します。

この状態では、両側から押さえるものがなく、長い材は大きく振れることになり、これを押さえるために振れ止めが必要なのです。

●振れ止めの改良

英国では、趣味のウッド・ターニングに関する月刊誌が多数(3誌以上)あります。

その中に、振れ止めの製作記事が目にとまり、購入した旋盤に合うよう自作しました。

フォトは、3つのアームの接点により材を固定する振れを止め。 フォト右下には、記事に掲載された木の板のアームが見えます。

かれこれ10年以上使用したものですが、使用に際し不都合あり:

− 材とアームの接点でキーキーと音がし、摩擦熱で双方が痛みます
− 振れ幅を十分支えきらず、浮き上がった分の誤差が出てしまう

これを改善すべく、アームを金属製に、また接点部分をベアリング機構としました。

●金属製アームとベアリング・ローラー

フォト左下は、アームを分解したパーツ:

@接点のローラー:
 径22Φのベアリング入りローラーを6Φナットでアーム本体に固定

Aアーム本体:
 3mm厚、幅20mmの穴あきアルミ金具の角を丸く削り、アーム移動幅を確保のため真ん中の穴を拡げる

B固定ネジ:
 6Φ長さ30mmの蝶ビス、19mmワッシャー、6Φバネワッシャー、6Φ蝶ナット

仕上がりは、たいへん強固。 これで振れによるズレや摩擦熱の発生を最小化でき、また、位置合わせのネジ固定作業も、両手での蝶ビス・蝶ナット廻しにより操作性が向上。


木工旋盤は、ドリルやビットの刃で木材を切削するための道具(ツール)。

一方、切削される側の木材を適切に固定しなければ、精度良い加工はできません。

道具を適切に用いるために必要なものは、「冶具」と呼ばれます。

この改良型の振れ止めも、木管楽器をより精度よくつくるための冶具とし使用して参ります・・



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