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zoom RSS バロック・オーボエ:結わえ部を付加して黄楊材を加工

<<   作成日時 : 2013/07/13 21:14   >>

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画像楽器のつくり方 (141) 2013/7/13

バロック・オーボエ下管の加工の様子をみてみましょう。

貴重な欧州黄楊の9インチ長の角材を有効に利用する試みです。

P.Paulhahnのオーボエ下管の仕上がりの長さは、236.5mm。

9インチ角材から得られ、両端の木口の直角を出した丸材の長さが、丁度236.5mm。 マージンなし。

●両方向からの加工

この丸材を、北(上:上管)側と南(下:ベル)側の両方向から加工します。

そのために木工旋盤のチャック結わえ部を材の両端につくり、双方向から結わえ直して加工することとなります。 (チャック類は、→こちら

通常、結わえ部の「のりしろ」のマージンをみて長さが足りる材を確保します。 しかし今回は、マージンがなく、チャックに結わえることができません。

●マージンなければ足せばよい

そこで、結わえ部となる材を継ぎ足す方式を試みました。

木管つくりでは、数多くの端材が出ます。 (イメージは、→こちら

たとえば12インチ(30cm)材から、仕上がり寸法10インチ(25cm)とマージン1cm合わせた材を切り出すと長さ4cmの端材がでるのです。

この端材の中から、同じ黄楊材で適当なものが見つかり、継ぎ足してみました。

端材の直角出し(直角出しは、→こちら)と、丸材の直角出しをそれぞれ慎重に行って両面がピッタリと合うようにし、ボンドで接着し十分乾燥させます。

継ぎ足した様子は、フォトのチャック付近に見えますが、→こちらの記事では、下から3本目がそれです。

●まず南(下)側からの加工

付加した結わえ部により材をチャックに固定します。 結わえ部を北(上)側とし、穴あけ(穴掘り)を南(下)側から行ないます。

穴掘りには、ロングドリル(→こちら)やフォースナー・ビット(→こちら)を用います。

このとき加工材が長くてチャック結わえだけでは振れを起こすため、芯振れ止めを用います。

芯振れ止めには、滑らかに回転するボールベアリングを用いた改良型(→こちらの記事を参照)により、加工精度を格段に高めています。

フォトは、階段状の穴掘りの様子。 掘り進める深さまで、ドリルとビットで加工します:

 − 16mmΦ ビット 深さ 47mm
 − 15mmΦ ドリル 深さ 83mm
 − 14mmΦ ドリル 深さ 120mm
 − 13mmΦ ドリル 深さ 158mm
 − 12mmΦ ドリル 深さ 190mm
 − 11.1mmΦ(7/16インチ) ドリル 238mm まで貫通

この継ぎ足し方式で、とくに問題なく加工できました。

●つぎに北(上)側からの加工

南(下)側からの加工を終えると、つぎに北(上)側からソケット加工を行ないます。 このとき、付加した結わえ部は不要ですから、接着面から切り落とします。

この加工では、反対に南(下)側にチャック結わえが必要ですが、こちらはマージンがなくても大丈夫。

南側では、チャック結わえをつくったあとの部分は、ベル接合のためのテノンとなります。 テノン径は23.5mmで、つくった1インチ(25.4mm)のチャック径から、およそ2mmの削り込みができます。


バロックー・オーボエのために通常必要な9.5〜10インチ材の代わりに、仕上がり寸法マージンがゼロの9インチ材を使用する方式を思いつき、加工してみました。

この方式を用いて、チャック結わえのためのマージンが同様に確保できないベル材も加工してみます・・・


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