バロック木管図書館 woodwind

アクセスカウンタ

zoom RSS バロック・オーボエの化粧箱つくりにも図面を画きます

<<   作成日時 : 2014/03/26 15:08   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像楽器のつくり方 (145) 2014/3/26

I.H.Rottenburghのロー・ピッチ・オーボエの調整も進み、収容ケース(化粧箱)をつくります。

バロック木管を収容する化粧箱は、それぞれのモデルのサイズに合わせ、さらに収容する本数とか替え管の有無などに応じ、ひとつひとつつくります。

これまでつくったいくつかの化粧箱の様子は以下:

・オーボエ・ダモーレ用(→こちら
・トラベルソ替え管付き用(→こちら
・フルート・ダモーレ用(→こちら
・オトテール・トラベルソ3本組み用(→こちら

バロック木管の材質は、文字通り「木」です。 木はぬくもりを感じさせます。 木管のぬくもり感を大切に、収容するにふさわしいように化粧箱の材質も木とします。

ここで、木管は木の箱にじかに接する部分もあります。

貴重な木管楽器を収容するのに、木の箱にじかに接するようにして大丈夫なのでしょうか。

バロック木管は、「硬材」と呼ばれる硬い木。 それに対して、化粧箱の材質には柔らかい「軟材」を選んでおり問題はありません。

以下に、化粧箱つくりの要点を見てみましょう。

●立体的に収容する

木管の収容は、箱の中で「がたがた」と動かないよう固定すること。

木管の各部は種々の形と立体的サイズを持ちます。 各部を箱の中で宙に浮かせて固定することを考えます。(→こちらも参照)

固定には、2つの支点があれば十分。 そのような支点を持つ支点材の寸法を割り出します。

まず適当な大きさの箱の横幅(今回は300o)を確保します。 その箱の中に、オーボエの上管、下管、ベルが(立体的に)互いにぶつかり合わない位置関係を割り出します。

この作業は、実物をあてがい、mm単位でずらしながら行います。 下管には3つのキーがあり、回転させたときにキーが他の部分や箱の横板にぶつからないように気をつけます。

支点には、支点材をあてたとき管が左右に動かないところを探します。

フォトは上管。 左右にずれることがないよう、ベッディング(装飾用の太く盛り上がっている箇所)の段差の部分を一方の支点に選びます。

オーボエの場合、上管と下管の長さは同じで、テノンの位置も同じ。 そこでテノンの段差のある部分を他方の支点に選びます。

上管と下管の支点位置が決まると、次にベルを収容します。

ベルの最大径は底のリング部。 リング部が底板にじかに接するようにして一方の支点とします。

他方の支点として、底板側は、レゾナンス・ホールの近くのベッディング部とし、天板側では、上管と下管のためのテノン位置に置く支点板を利用し、ベル中央あたりに選びました。

これらの各支点では、木管を天板側の支点材と底板側の支点材とで挟むように働かせて固定します。

●図面を描きます

そのように各部を収容した結果として、箱の奥行き(今回は、外130o、内112o)が決まります。

箱の深さは、ベルの最大径にあわせ内60oとしました。

これらの位置が決まると、利用できる規格材を用いたときの化粧箱全体の図に起こします。

支点材には、宙に浮かせた各部の断面(円形)の円(円弧)も描きます。

フォトは、それら図面の様子を示し、図面に従ってつくった支点材には、切り欠き部分の円(円弧)を記入しています。

●直線・直角の確保

化粧箱つくりには直角出しが決め手となります。(→こちらや、こちらを参照)

箱の天板、底板、前板、裏板、横板など各パーツのすべてにわたり直線・直角を確保する工夫が必要で、一般的には、直角定規による直角出しや、まっすぐの鋸挽きを行ないます。

今回の化粧箱つくりでは、既製材の「直線・直角」をなるべく利用するようにしました。 規格材の寸法は、公称値。 正確な寸法でなくても、直線・直角が確保されている実寸をそのまま生かす工夫をしました。

・天板/底板 300 x 130 mm :
  300 x 300 x 4 の栓材 から2枚切り出し。 各一辺のみ鋸挽き。
・前板/裏板 30 x 300 x 9mm :
  30 x 9 x 910 の檜材 から4枚切り出し。 天板に押し当てるようにし、その長さに合わせて鋸挽き。
・横板 30 x 112 x 9mm :
  30 x 9 x 910 の檜材 から4枚切り出し。 規格材の端の直角出しを利用して切り出し。
  その長さに合わせ同じものを鋸引き。  
・木管支点板 24 x 112 x 7 o :
  24 x 7 x 910 o の杉材 から5枚切り出し。

●オイリングと塗装

化粧箱の内側にはレモンオイルを塗り(→こちらを参照)、また外側は、今回クリアのニス仕上げとしました。
(化粧箱の塗装については、→こちらを参照)


楽器を大切に保管するために、専用の化粧箱があればいいと思いませんか・・



【関連記事】  青字クリックで記事へジャンプします

オーボエの化粧箱つくりは、立体幾何学の応用で
モパーネのT.Lot:とても安定感があります
フルート・ダモーレ:宙に浮かして各部を支持します
オトテール・トラベルソ3本組みの化粧箱
化粧箱つくりは、直角出しが決め手です
化粧箱つくりは、直角出しが決め手です(その2)
化粧箱の内側にはレモンオイルを塗ります
オーボエ、トラベルソ化粧箱の塗装

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
バロック・オーボエの化粧箱つくりにも図面を画きます バロック木管図書館 woodwind/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる