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zoom RSS クラリネット:やっぱりキーは長いです

<<   作成日時 : 2015/02/14 14:34   >>

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画像楽器のつくり方 (151) 2015/2/14

キー未取り付けの未完成のバロック/初期クラシカルのクラリネット。

長いキーの手作りは大変だと思い放置して早や15年(→こちら)。

未完のキーは、F#キー、Eキー、そしてトリルTrキーの3つ。

Trキーつくりについては先に記しました(→こちら)。

F#キーとEキーつくりについては、いずれも長く厚みがあり4.5mm厚の真鍮板を入手。 鉄ノコで切り出してヤスリで仕上げました。 (→こちらや、こちらを参照)

●F#キーとEキーつくり

F#キーとEキーは、断面がほぼ□の棒(ロッド)で幅と高さが4.4mmほど。

F#穴とE穴を塞ぐための塞ぎ部は、F#キーでは棒部と一体しており、Eキーでは分離しています。

左手小指で操作すると、F#キーでは穴を開け、Eキーでは穴を塞ぐための機構が必要。

その機構ですが、キー棒部をクラリネット本体のベッド(断面が半円のドーナツ型の帯)に取り付けます。

キー取付けベッドに、楽器に対し直角にすなわち地面に平行に1mmφのピン穴をあけます。

ピン穴にピンを挿入したとき、キー棒部がピン軸(ピボット)回りに回転するよう、ボス部をキーに半田付けします。

キーのボス部を半田付けすると、棒部とボス部の総厚みは6mmを超えます。

キーをキー取付ベッドに収容する溝をベッドに掘ります。 溝幅は、4.4mmほどの棒部の幅に合わせます。

キー取付け部にあけたピン穴(1mm)に1mmφのドリルを挿し、溝に仮りに収容したキーのボス部にドリル先きで目印をつけます。

キーを取り出し、ボス部につけた目印のところに1mmφのピン通し穴をあけます。

また、キー塞ぎ部にセーム皮のパッドを貼り、棒部にリン青銅のバネを取り付けます。

●キー取付けベッドのピン穴あけ

F#キーとEキーは長いです。

どれくらい長いかは、フォトでご覧のとおり。

このように長いと、注意を払うポイントがあります。 それはベッドのピン穴開け位置。

キーの塞ぎ部と、左手小指で操作するキー棒部の先端は、シーソーのように動き、ピン穴を軸としてそれぞれ逆方向に回転します。

このとき、操作すべきキー先端と、キーを開閉する塞ぎ部のそれぞれ上下する幅は、ピン穴からの長さで決まります。

ベッドにおけるピン穴位置がわずかでも高くなると、キー操作すべき先端位置が高くなり、クラリネット本体から離れます。

逆にわずかでも低くなると、こんどはクラリネット本体に接近します。

●キー取付けベッドの溝の位置関係

また、ベッドのピン穴はクラリネット本体に直角に(地面に水平に)あけますが、わずかでも傾くと、キーが長いため、キー操作すべく先端が大きく傾いてしまいます。

これらにより、F#キーとEキーの左手小指での操作位置がバラけてしまうのです。

基本的に、F#キーとEキーは、クラリネット本体の断面で45°離します。

またEキーは、クラリネット前面6指穴の中心線から45°離します。 Ebキーはほぼ中心線上にあり、右手小指で操作するC穴は、中心線から反対側に10°離します。

 (C穴) 10° (Fbキー) 45° (Eキー) 45° (F#キー)

これらの位置関係はとても微妙。

C穴の位置が悪いと、右手小指が届かなかったりつまったりします。

Eキーが中心線に近づき過ぎると、キー棒が右手の3指(人差し指、中指、薬指)に当たって演奏できません。

F#キーがEキーより大きく離れると、クラリネット本体の裏側に回り込むようになり、左手の小指で操作しにくくなります。



楽器は音楽を奏でるための道具。

道具は人が用いるもの。

人が用いる道具であるクラリネットのキーの位置は、操作上その位置関係がとても微妙。

微妙な位置の善し悪しが、操作性に大きく関わっているのです・・・



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