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zoom RSS 多くの本数を収容できるバロック・オーボエのリードケース

<<   作成日時 : 2015/04/05 17:24   >>

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画像楽器のつくり方 (153) 2015/4/5

バロック・オーボエのリードケースを作ってみました。

●モダン・オーボエ用のリードケース

A=442Hz近辺のモダン・オーボエでは、楽器本体はもちろん、リード・チューブ長やリード全長がほぼ規格化されてます。

規格化されていますから、メーカーによる完成リードや自作リードもどれも同様に扱うことができ、その保管用のリードケースが市販されています。 持ち歩くに必要な収容本数に合わせてリードケースを選び、40本くらいまで各種あります。

●バロック・オーボエではどうか

ところがバロック・オーボエ用のリードは、モダンに比べ長さや幅が大きく、モダンのリードケースには収容できません。

バロック・オーボエ用の市販リードケースとして、収容数3〜9本のものがありますが、それを超える本数を収容するものを見かけません。

バロック・オーボエ用のリードには、1本の長いチューブ(50/57/60mmあたり)にケーンをつける一体タイプのほか、短いチューブとボーカルとを組み合わせる分離タイプがあります。 バロック・オーボエダモーレでもリードのタイプは、ボーカルとチューブを組み合わせが用いられます。

これらのバロック・オーボエ類は、バロックの年代や地域によりピッチがさまざま。 それらの適合リード長や幅、あるいはチューブのテーパー度合いもまちまちです。

●柔軟性のあるリード・ケースの設計

それらさまざまなリードタイプやボーカルを収容する市販品に適当なものがないため、自分で作ることを思いつき、自由な発想で仕様・要求条件を決めました。

条件1 楽器の種類
 @バロック・オーボエダモーレ、Aローピッチ(396Hz前後)バロック・オーボエ、B標準(415Hz前後)バロック・オーボエ、Cクラシカル・オーボエ(430−425Hz前後) を任意の組み合わせにて収容可能。

条件2 リード・タイプ
 @チューブとの一体タイプ、Aチューブとボーカルを組み合わせた分離タイプを収容可能。

条件3 収容本数
 4種のバロック・オーボエ類に対し、それぞれ5本程度、合計20本以上収容可能。

条件4 リード置きの機能
 水にぬらしたリードを置くとか、別のリードと比較するために仮におくことができる。

条件5 展示会でのディスプレーの用途
 通常のリードケースのように通常閉めるのではなく、展示会でリードケース内のリードを見せるオープンタイプであること。

●リードケースの実際

フォトは、上記条件・仕様を基に作ったリードケース。特徴は以下:

・上蓋は向こう側に開き、ディスプレー用に使用できる
・上蓋に取り付けたスポンジ製のリード押さえがリード置きに使える
・気密なプラスティックと異なり、木製で適度な通気性を確保
・一体タイプのほか分離タイプも収容でき、リードだけでも可能であり、長さの範囲が広い
・リード幅が狭いクラシカルから幅が広い(11mmほど)ダモーレまで収容する間隔(13mmピッチ)
・最大収容本数21本
・わずか175gと軽量 (フォトの20本収容状態でも235g)
・外形寸法 幅300 x 奥行120 x 厚さ23 mm 

●リード・ケースの作り方

(1)上蓋と下蓋
・120mm x 600mm x 3mm アガチス板: 半分の長さ 300mm 2枚を得ます
・6.5mm x 8mm x 900mm ヒノキ角材 : 長さ 300mm 4本、 長さ 137mm 4本 を切り出し
これらをボンドで接着して完成。

(2)リード・サポート
・15mm x 5mm x 900mm ヒノキ板材: 長さ 287mm 1枚
・15mm x 6mm x 900mm ヒノキ板材: 15mm幅を半分に切り 7.4mm x 6mm幅 x 長さ15mm にカット 22個
・厚さ1mmほどの鹿革 幅15mm 適量

287mmの板の端から始め、6mm幅のカット材をボンドで接着し、7mm幅の材を挟んで隙間を空けて13mmピッチを作りだして、次のカット材を接着し、これを22回繰り返す。 出来上がった21個の溝つきリード・サポートバーに鹿革をボンドで溝に入れつつ波状に張って完成。

(3)リード保護
 リードが当たっても若干の柔軟性を保つ材で保護するため、鹿革(幅30mm x 長さ 287mm)でケースに両面接着テープで固定。

(4)リード押さえ
 ケースとして蓋を閉じたとき、リードが落下しないように、下蓋のリード・サポートに対応する位置に、上蓋にクッション性のあるスポンジ帯を両面接着テープで固定。

(5)ケース仕上げ
 全体を、サンドペーパーで磨き、レモングラスオイルでオイル仕上げを先に行ってから、各部を取り付けます。 金色で装飾性のある蝶番を2つ、また前面には同じく金色のパッチンを2つ取り付けて完成。


●収容例

フォトは、右から順に、バロック・オーボエダモーレ用、ローピッチ・バロックオーボエ、バロック・オーボエ、そしてクラシカル・オーボエのリード群を収容した例。

・バロック・オーボエダモーレ用
 複合型リードのボーカルが長さ45/50/57mmの3本をリードに取り付けたまま収容。

・ローピッチ・バロック・オーボエ用
 60mm長のチューブを用いた一体タイプのリード、38mm長のボーカルとの分離タイプでボーカルをつけたまま収容。また通常のバロックピッチでの演奏用に50mm長のチューブを用いた一体タイプのリードも。

・標準ピッチのバロック・オーボエ用
 52/54mm長のチューブを用いた一体タイプのリード、38mm長のボーカルとの分離タイプでボーカルをつけたまま収容。

・クラシカル・オーボエ用
 バロックピッチでの演奏用に25mm長のボーカルとの分離タイプでボーカルをつけたまま収容。 またA=430近辺のクラシカルピッチ用の一体タイプリードを収容。


このリードケースにこれらのリードを収容し、バロック・オーボエ類本体とともに、来る5月1〜3日に甲府で開催される古楽フェスティバル<山梨>の展示会にて展示することを考えています・・・


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