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zoom RSS バロック・テナーオーボエ:キーを取り付けるとオーボエらしい姿です

<<   作成日時 : 2015/04/29 23:34   >>

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画像楽器のつくり方 (157) 2015/4/29

キー未取り付けであったバロック・テナーオーボエ(→こちら)。

キーつくりを終えて、無事に取り付けを完了しました。

テナー・オーボエの全体イメージを完成させ、古楽フェスティバル<山梨>の楽器展示会の出品に間に合わせるために取付けたもの。

フォトは左から順に、テナー・オーボエの上管、下管、そしてベル。

●外形寸法

フォトからは寸法が分かりませんが、バロック・オーボエと比較するとずいぶん長く・大きく・重い。

全長840mmもあり、バロックオーボエの1.5倍。

これにボーカルやリードが付き、それらも大きく長い。 演奏上、構えると右手が届きにくいほど低い位置にきます。

●低音の音孔の位置

トラベルソの内径は、先に行くほど狭くなるテーパー。 このため、先にある低音の音孔の位置が手前に近くなります。

これに対して、オーボエは先き広がりのテーパー。 この場合、音孔の位置が、低い音ほど遠ざかります。

フォトをご覧ください。

第6指穴(E音孔)からD音孔(C/C#キーのパッド)までずいぶん遠いことがわかります。 ベルにあけたレゾナンス孔(C音孔)までさらにあります。

●重量配分

このように、下管のE音孔からベルまでの長さが全長の半分ぐらいあり、重心が低くなることが分かります。

この重量配分ですが、通常のバロック・オーボエ(たとえば、→こちら)では軽く問題なく構えられますが、テナー・オーボエともなると、先端の大きなベル部の重量もあいまって大変持ち重りがします。

同じ先広がりの楽器である、アルト・サックスやテナー・サックス、あるいはオーボエ族ではファゴットについても、低音の音孔がとても遠くに逃げていきます。

しかし、重量配分についてみると、サックス類やファゴットでは、折り曲げられベル部が上を向いています。 このため、重くて垂れる構造にはなっていません。

長くかつ垂れ下がるほどの重量配分が効いてくるので、演奏が困難な楽器です。

●オーボエ・ダカッチャではどうか

オーボエ族の中で、テナー・オーボエのF管と同じものにオーボエ・ダカッチャがあります。 上管と下管とが曲線を描いて曲がっており、左右の手が届きやすくなっているでしょうか。

さらに朝顔の形状のベル部が奏者の身体に寄ってくるため重量配分が幾分楽になる気がします。

●音だしができるか

音だしには、モデルに合わせたボーカルとリードを用意することが必要。 ところが楽器博物館には、それらが現存せず、元の寸法データがありません。

このため、最適なボーカルの長さやテーパー度合い、およびリードの幅や寸法につき、最適なものを見つけ出す必要があり、継続課題となっています。


いずれにせよ、キーの取り付けは、古楽フェスティバル<山梨>の楽器展示会の出品の2日前に完成しました。

楽器展示会にお越しいただける方、是非とも会場にてお目にかかりましょう・・・


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