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zoom RSS クラリネット:象牙マウントのあるベルをつくります

<<   作成日時 : 2015/06/28 21:25   >>

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画像楽器のつくり方 (159) 2015/6/29

キー未取り付けであったバロック/初期クラシカル・クラリネットにキーを取り付けて完成。(→こちら

このクラリネットを先の古楽フェスティバル<山梨>の展示会に出品しました(→こちら

●オリジナル楽器

英国オックスフォードにあるオックスフォード大学音楽学部のベイト・コレクション Bate Collection (→こちらを参照) に所蔵されるオリジナル楽器を復元したものです。

 所蔵: ベイトコレクション 管理番号 #4009
 製作: ジョージ・ミラー George Miller ロンドン 1760ごろ

英国滞在時にしばし訪ね、オリジナル楽器を手にとって研究することができました。

しかし、ベイト・コレクションのHPを見ると、現在2015年、管理リストから離れているように見えます。 所有の移転がされたのでしょうか。

●オリジナル楽器のベル

ベルは足管と一体になった構造となっています。 ベルの底(エンド)部は、幅17.3mm、最大径65.8mmの象牙リングが施されています。

わたしの復元楽器では、このサイズの(人工)象牙の入手の関係で象牙リングのないものとしていました。

●象牙リングの装飾性

しかし、やはりクラリネットベルの底は象牙リングがあるほうが華やかです。 もともと楽器の各部のエンド保護のために象牙マウントが施され、装飾性と機能性とを併せ持っています。

そこで、今回、象牙マウントのあるベルつくりに挑戦してみます。

●人工象牙

イミテーション・アイボリー alternative ibory (→こちらを参照)ですが、各種の径のものが売られています。 ロッド(棒)状のものを重量比にて価格がつけられています。

トラベルソ、オーボエ、クラリネットともベル以外の部分の象牙マウントの径は、30〜40mmほど。 そこで、30mm、34mmと39mmを用意すればOK。

ところがベルではマウント径が55〜80mmにもなり、ベル用に79mmを入手しています。

しかし、直径が大きくなるにつれ、重量は2乗で効いてきますから購入は大変。 たとえば30mmに対して79mmは径で2.6倍ですが、面積(重量)は7倍。 価格も7倍になります。

フォト後ろがその79mm径の人工象牙。 長さ6インチ(150mm)ですが、とても重い。

貴重な材ですから、必要なだけ切って使います。

●ベル材

欧州黄楊 European boxwood 材(→こちらを参照)を用います。 英国産とフランス産を入手しています。 問題は径の大きなものが多く採れないこと。

フォト左前は、丸太から切り出した材。 通常、芯を含む材は割れますが、うまく乾燥させ、割れのないところを確保しました。 今回、これを用います。

フォト右前は、足管用の材。 ここで、材の色、木目の流れなどを合わせて選びます。


さて、キー未取り付けの状態で暫定的に完成したのが2000年。 その15年後、キーを取り付けて完成。

今回は、このモデルつくりの2本目にあたり、各部の寸法精度、装飾性、操作性および音響特性を向上させることを主眼に、つくり方を紹介してまいります・・・・


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