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zoom RSS バロック・オーボエ:寄木造りによりつくってみましょう

<<   作成日時 : 2015/08/31 13:37   >>

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画像楽器のつくり方 (169) 2015/8/31

寄木造り(よせぎづくり)をご存知でしょうか。

日本の仏像彫刻における木彫りの一種。

ほかに一木造があります。 これは、1本の丸太から仏像を彫るもの。 大きな仏像をつくるには、伐採する樹木の大きさの点で限界があります。

これに対し寄木造りでは、仏像をパーツに分け、パーツに合う木材を用いて掘り、あとでパーツを合わせて仏像に仕上げます。

鎌倉時代、運慶と快慶による東大寺南大門仁王像など、その大きさとともに躍動感にあふれていますね。

●バロック木管つくりに必要な材の大きさと加工のしやすさ

トラベルソ、オーボエ、クラリネットなどの木管の長さは、Bb〜D調により異なるものの、組立時に70cm前後。 (→こちらに長さの比較が見えます) 

これらのバロック木管は、3〜7分割され、短いもので10cm、長いもので25cmほど。

ここで、10cmの長であれば加工がしやすい。

木工旋盤であれ、金工旋盤であれ、穴あけ加工を行うには、穴の深さに届く長さのドリルやリーマが必要。 (イメージは、→こち

旋盤のベッドの長さは、穴をあける材の長さと、ドリルの長さ、それに両端のチャック長さが加わりますから、10cmと25cmとの差には大きな違いがあるのです。

仕上げ寸法25cmの場合、材にマージンを加え、30cm以上のロングドリルを使うことから、芯間60cm以上が必要。

わたしの木工旋盤は24インチ。 すなわち芯間が60cm。 25cmの加工がぎりぎり。 この場合でも、ロングドリルの芯ブレにより加工精度はあがりません。 ドリル長は、なるべく短い方がよい。

●寄木造り方式による木管つくり

分割された各パーツですら25cmは長い。 その長さをさらに分割して加工し、加工後に接合することが考えられます。 寄木造りです。

これまでも、この寄木造り方式でつくってきました:

- テナー・オーボエの上管、下管、ベル (→こちら
- クラリネットの足管、ベル (→こちら

●分割した設計例

フォト手前と中央には、それぞれ上管、下管を分割したパーツに用いる材。

これらのパーツの途中/最終の加工長さは以下:

- 上管の上部 117/107mm
- 上管の下部 136.5/136.5mm
- 下管の上部 161/151mm
- 下管の下部 105/95mm

これらパーツに分けたことで、最大の穴あけ深さが136.5mmに収まります。

一方、パーツを接合してできる管の完成の長さは以下:

- 上管 233.5mm
- 下管 236.5mm

ところで、オーボエの上管と下管の長さは、一般にほぼ同じで、これとベルの長さとが黄金律(1.618::1)となっています(→こちら)。


このように各パーツごとに精度を高め、かつ加工がしやすくなる方法でつくってまいりましょう・・・



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