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zoom RSS バロック・オーボエ:寄木つくりの外径に装飾を施します

<<   作成日時 : 2015/09/12 13:35   >>

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画像楽器のつくり方 (172) 2015/9/12

寄木方式でつくるバロック・オーボエ連載の続きです。

比較的に加工長が長いオーボエを分割してパーツに分けることにより、つくりやすくなります。 (→こちら

試してみて加工が楽になり見栄えも悪くありません。

●バロックの装飾

バロック様式は、どちらかといえば派手に飾られたみたい。 バロック木管もしかり。

木管の断面は円ですから、本来、外径も円筒であれば楽器としては十分。

バロック以前のルネサンス・フルートの外形はを見ると、単なる円筒で装飾は見えません。

これに対しバロック・フルート(トラベルソ)の外径には装飾リングが付加されます。

バロック・オーボエの場合、トラベルソに比べてより装飾性が高められています。

その後、ロココやクラシカルに移行し派手な装飾はなく、全体がなだらかで表情を見せ、緩やかな曲線を描く外径となります。

●上管と下管つくり

フォトは、分けたパーツごとに内径加工(→こちら)したあと接合し、得られた上管と下管に対して外径削りを行ったさま。

外径削りを施したばかりのボックスウッド boxwood (欧州黄楊)は、フォトに見られるようにかなり白っぽい黄色。
(欧州黄楊については、→こちらや、→こちらを参照)

並べて撮影したのは、完成している上管と下管で、オイリングを施しており鮮やかな黄色。 さらに時間が経つときれいなあめ色に近づきます。

このモデルですが、ニコラウス・アルノンクール所蔵のP. Paulhahn で、ユルク・シェフトラインが使用した楽器みたい。

アルノンクールのバッハのブランデンブルグ協奏曲のビデオを観ると、シェフトラインが、とてもやわらかい音色を巧みに操り、すばらしい演奏を聴かせてくれます。

完成楽器における外径削りの様子は、→こちらに記しました。

装飾性に富み、幅が1mm未満のいくつものリング(ベッド)の加工を施しています。

分割したパーツ同士の接合箇所として、これらのリングのいづれかを選ぶことにより、接合されていることが分かりにくく、気になりません。

●材の選定

バロック木管では、分割するパーツを、1本の材からの木取りにより行うと連続性が保てます。 (→こちらを参照)

しかし、長い材の入手が困難な良質の欧州黄楊の場合は、短く切り出された材を寄せ集める木組み(→こちら)必要があります。

ここで、寄せる際に、材の色合い、木目の流れ、緻密度合いをあわせることがコツ。

フォトの場合、多くの材の中から選定しています。

欧州黄楊の色合いに関しては、主に、黄色いもの、ピンクがかっているもの、青灰色が混じったもの、の3とおり。

また木口を見ると年輪が見え、その緻密度合いと、伐採時径が分かるほか、柾目と板目の傾斜や曲線度合いを見て合わせます。

年輪径が同じで、木の上下方向の流れを意識し、適切な組み合わせを考察するとよいでしょう。

合わせてみて流れを決めると、その材の箇所に鉛筆で印をつけておき、印をたよりに加工します。
(材に鉛筆で記した様子は、→こちらの画像に見えます。)

これら上管と下管に対して、ベル材にもなるべく同じ雰囲気を持つものを選定します。


今後、選定した材を用いて、ベルの加工へと続きます・・・・


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